口腔粘膜炎の分類には、アメリカ国立がん研究所(National Cancer Institute、NCI)の分類(Common Terminology
Criteria for Adverse Events、CTCAE)が広く使用されています。
グレード1からグレード5までの5つに分類されます。
通常の抗がん剤を使用したときは30〜40%、大量の抗がん剤を使用したときは70〜90%、顔や首周囲への放射線治療をおこなったときはほぼ100%の割合で口腔粘膜炎を発症します。
●グレード1 粘膜の紅斑
頬や舌など、口の中の粘膜が赤みをおびて、むくみます。ヒリヒリしたり、少し痛みが出ることもありますが、食事への影響はほとんどありません。
対象方法としては、口腔粘膜炎ができる前から、うがい薬(ハチアズレなど)でうがいを頻繁におこなうようにします。
うがい薬(粉を溶かして使用)
関連するページ 抗がん剤による口内炎(口腔粘膜炎)
●グレード2 斑状潰瘍または偽膜
まだら状の潰瘍もしくは偽膜ができます。粘膜の赤みが強くなり、ジーンとした痛みを伴うこともあります。食事は不自由になり、食べやすいように加工した食品なら何とか食べられる状態です。
対処方法としては、麻酔薬入りのうがい薬を使用してうがいをしたり、モルヒネなどの痛み止めの薬を使用します。
グレード1 グレード2
※潰瘍(かいよう)とは
体の組織の表面が炎症をおこしてくずれ、内部の組織にまでその傷が及ぶこと。
※偽膜(ぎまく)とは
正常な組織としての構造をもたない膜。繊維組織、膿(うみ)などが固まってできます。
関連するページ がん治療における口腔の緩和ケア
●グレード3 融合した潰瘍または偽膜、わずかな外傷で出血
まだら状の潰瘍や偽膜が合わさり、わずかな刺激でも出血します。粘膜の赤みは強く、痛みが強くなります。口の粘膜に白く、薄い偽膜をのせた潰瘍ができます。
グレード3以上は重症の口腔粘膜炎とされます。頭頸部がんの治療は重症化しやすく、30〜60%の患者さんがグレード3以上の口腔粘膜炎を発症します。
関連するページ 頭頸部がん治療に対する口腔ケアの効果
●グレード4 組織の壊死、顕著な自然出血、生命を脅かす
組織は死んでしまい、出血も多く、生命を脅かす段階。この状態はそれほど多くはないものの、感染が全身に広がるリスクも高まります。
グレード3 グレード4
●グレード5 死亡
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