●カプサイシンとは
カプサイシンはトウガラシなどに含まれる天然の辛味成分で、キムチ、カレー、ラー油を始めとする調味料に含まれます。カプサイシンは舌の神経を刺激して人は辛みを感じますが、食べ過ぎたときや感じやすい人は痛みとして感じることがあります。
少量のカプサイシンは口、食道、胃が刺激されて唾液がでて食欲が増しますが、大量のカプサイシンが体内に入ると胃腸などが荒れたり、咳や息切れがしたりします。体内に吸収されると身体が熱くなったり、汗がでたりします。
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トウガラシの辛さ
トウガラシの辛さを測る単位としてスゴヴィル値があります。スゴヴィル値の高いものは血圧が上がり意識を失ったり、不整脈により死に至ることもあるので、刺激に慣れていない子供は特に注意が必要となります。
2023年にアメリカで激辛チップスを食べた14歳が死亡した例があるほか、日本でも2019年に高校の文化祭でハバネロを混ぜたトマトジュースで9人が救急搬送、2024年にはブート・ジョロキアの入った激辛ポテトチップスを食べた高校生14人が口や胃の痛みを訴えて救急搬送された例もあります。
トウガラシの種類とスゴヴィル値
ペッパーX(世界一辛いトウガラシとギネス認定)269万/キャロライナ・リーバー220万/ブート・ジョロキア100万/ハバネロ10〜45万/スコッチ・ボネット10〜35万/鷹の爪(日本の代表的なトウガラシ)5万
●辛い食べ物(カプサイシン)が苦手な方の対処方法
1980年代に激辛ブームが始まり、現在では様々な料理が激辛になっています。一方で激辛料理が苦手な人も多くいます。下記は激辛料理が苦手な方の対処方法です。
1)水
辛みの成分であるカプサイシンは水に溶けにくいため、激辛料理を食べた後に水を飲むと辛み成分が拡散してしまって辛みがかえって強くなります。一方でカプサイシンは43度以上の熱で辛みが強くなるため、冷たい水を口に含んで口内を冷やしてから食べると辛さを感じにくくなります。
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2)温度
冷たい料理よりも熱い料理の方が辛さを強く感じるため、冷ましてから食べるようにすると辛さを感じにくくなります。
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3)乳製品
カプサイシンは油脂に溶けやすい性質で、乳製品の成分が舌に接触するカプサイシンを吸着することで辛さを感じにくくなります。料理にヨーグルトを加えたり、牛乳やラッシー、バニラアイスなどと一緒に食べるのも方法です。
4)調理方法
カプサイシンが舌に接触する面積が大きいほど辛さを感じやすくなるため、細かく切り過ぎないようにします。
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熱い食べ物が苦手な方の対処方法
猫舌のために鍋物など熱いものがなかなか食べられない方は多くいます。下記は熱い食べ物が苦手な方の対処方法です。
1)舌の使い方
猫舌の人とそうでない人との違いは舌の使い方にあります。舌先は熱さを感じやすく、舌の奥は熱さを感じにくい傾向があり、猫舌の人は舌を前に出して食べる傾向にあります。そのため、熱さをより感じやすくなります。一方で猫舌でない人は舌先を前歯の後ろに隠すようにして食べる傾向があります。
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2)食具の利用
スプーンやフォークなどを使用して舌の奥に食べ物を入れて食べるようにすると熱さを感じにくく食べることができます。猫舌で熱い飲み物が飲めない人は猫舌の人向けのタンブラーやマグカップが販売されていますので、これらを使用するのも方法です。