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アトピー性皮膚炎とは、もって生まれた過敏な体質と弱い皮膚のために生じる、とてもかゆい慢性の皮膚の炎症ですが、子供では就学前、思春期から青年期のものでも20代の終りには多くの人が治ってしまいます。ただ慢性であるために、日常生活上多くのことに注意し、薬の副作用を防ぐ意味からも専門医の定期的診察を受けることをお勧めします。
1. アトピー性皮膚炎の患者さんは普通の人より過敏で皮膚が弱いため、意外なものにかぶれることがあります。そのため、出来る限り不必要な化学物質が体に付くことは避けましょう。例えば、入浴剤.柔軟剤.漂白剤、香料や色素の入った石鹸.シャンプー.リンス.化粧品などです。 代用としての石鹸.シャンプーとしては、ノブ.コラージュ.ニュートロジーナの乾燥肌用、アトピコ.ミノンD等があります。また、水仕事の際には出来るだけ手袋を用いるようにしてください。
2. アトピー性皮膚炎の原因の一つとされているダニ(室内塵の中に多い)の予防のためにも、自室には出来るだけ絨毯を敷かないようにしてください。最近の掃除機は吸引力が強化されてきており、その有効性が高まっています。布団はまめに干して、叩いて下さい。布団乾燥機もある程度有効であることが確認されています。身体に直接触れる寝具はタオルケットとし、まめに洗濯してください。また、ペットは出来るだけ飼わないようにしてください。
3. 皮膚についた汚れは、特に子供さんの場合は原因のひとつとなりますので、砂場遊びや粘土遊びの後は、顔.手足を石鹸で良く洗い、その後軟膏を塗りましょう。また、プールで泳いだ後もすぐにシャワーを浴び、軟膏をつけてください。
4. 生活環境にあるさまざまな皮膚付着物質を取り除き、細菌の繁殖を防ぎ、汗を落とすためにも、毎日石鹸で身体を洗ってください。そうしてその後に指定された軟膏処置を行ってください。
5. 化学繊維や毛羽立ったものは皮膚を刺激してかゆみを増しますのでこれを避け、地肌には木綿生地が触れるようにしましょう。毛髪の先端が額.眼瞼.首にあたらない髪型を工夫しましょう。止む得ない場合でも、自宅にいるときはヘアバンドを用いるなどの工夫をしてください。
6. 通気性の悪い衣服は汗がたまり、悪影響を及ぼしますので、通気性の良いものを着用しましょう。
7. 入浴はぬるめの湯加減にした方がかゆみが誘発されるのを防ぐことができます。
8. 日光浴は積極的に行ってください。その際、かいた汗はすぐにシャワーで落とすようにしてください。
9. 食事アレルギーが原因のひとつになることも、特に乳幼児の場合にあります。たとえば卵.牛乳.大豆等でアレルギーを起こすことがあります。小児期以降ではほとんど食事との関係はなくなりますが、もっとも大切なのは、それを食べたら皮膚炎がひどくなるか、また1〜2週間やめたら皮膚炎が良くなるかを確認することです。これらの試みで原因と考えられない場合には召し上がって一向に構いません。検査で陽性となったときは、その食物の量を少なめにし、できるだけ多くの種類の食物をバランス良く少しづつ摂るようにするとよいでしょう。乳幼児の場合には、卵.牛乳.大豆などを食べさせた後、2時間以内に皮膚症状(かゆみ.じんましん.赤み)のみならず、気道症状(咳.くしゃみ.ゼーゼー)や胃腸症状(嘔吐.腹痛.下痢)が出ないか確認してください。また、酒.コーヒー.香辛料はアレルギーとは無関係ですが、かゆみを増しますので控えてください。
10. 軟膏処置は、通常風呂上がりと朝の2回行ってください。
11. 内服薬は、この病気の”かゆみーひっかきー炎症”という悪循環を断ち切るためのものが主で、長期内服によっても副作用はまずありませんが、人によって眠気を催すことがありますので、そのような場合は申し出てください。 |
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