●ドックベストセメントとは

従来の治療法では、虫歯が大きいと歯の神経の治療をする必要がありました。歯の神経の治療は痛みがでやすく、治療回数がかかるだけでなく、歯の神経を取った歯は弱くなり、歯が折れたり、歯の根の先に膿（うみ）がたまってしまうこともあります。

ドックベストセメント（Doc's Best Cement）はアメリカで開発されました。銅の入ったつめ物を虫歯の上に置き、虫歯菌を殺菌して歯を無菌化します。銅の殺菌力を利用しています。

歯を削る量を少なくでき（削らない虫歯治療）、痛みが少なく、治療回数も少なく、歯の神経の治療が必要ないという特徴があります。虫歯の治療だけでなく、歯の根の治療、知覚過敏治療にも使用されています。

３Mix法（スリーミックスほう）、カリソルブと同じコンセプトを持つ、歯を削る量を少なくできる虫歯治療です。当クリニックでは希望の申し出がある患者様に限り治療をおこなっています。

　ドックベストセメント

関連するページ　　３Mix法　カリソルブ　歯の根の治療におけるドックベストセメント　知覚過敏症


※名称について
ドックベストセメントは、ドックスベストセメント、ドッグベストセメントなどとも言います。日本で最初にドックベストセメントを導入した埼玉県開業の小峰一雄先生が「ドックベストセメント」という名称を使用してほしいという意向のため、ドックベストセメントという名称が広く使用されています。

※治療費用について
治療において初診料、つめ物費用等の健康保険の費用はかかりますが、ドックベストセメントの費用はかかりません。通常の虫歯治療よりも治療費が安く済むことが多く、高額な治療費はかかりませんのでご安心ください。



●ドックベストセメントの利点

治療の痛みが少ない。

歯を削る量を少なくできます（削らない虫歯治療）。

歯の神経（歯髄）を残すことができます。いわゆる「ひどい虫歯」にも適応となります。

治療費が安く、治療回数が少なく済みます。

歯を健康に長持ちさせることができます。


大きな虫歯があります　　セメントをつめます



●ドックベストセメントの欠点

削らない虫歯治療としては、 ３Mix法やカリソルブのほうが普及しています。

日本では認可されていないつめ物です。使用に否定的な意見をもつ歯科医師もいます。

治療後の経過観察が必要となります。

適応にならない虫歯もあります。

　抜歯が必要な虫歯など、適応にならないことがあります

関連するページ　　ドックベストセメントと３Mix法との違い　　ドックベストセメントの適応症



●神経まで達した大きな虫歯の治療法の比較

	従来の虫歯の治療	ドックベストセメント
治療回数	５回前後	２～３回
治療費	かかる	安く済む
治療中、治療後の痛み	生じやすい	生じにくい
歯の神経	除去する必要がある	残すことができる
虫歯	全部除去する	残す

※上記はおおよその目安です。虫歯の状態等によって治療内容は変わります。

関連するページ　　ドックベストセメント　Q＆A



●治療方法

１．歯の神経の近くまで達した大きな虫歯があります。通常の治療方法では、虫歯を取るには歯の神経も取らなければなりません。

２．虫歯をある程度取ります。歯の神経から２ｍｍまでの虫歯はわざと残します。

３．虫歯のうえを覆うようにドックベストセメントをのせます。虫歯菌は無菌化され、虫歯が進行することはなくなります。１～２年で虫歯は硬くなり、自然治癒します。

４．銀歯やセラミックスなどのつめ物をして治療は終了です。


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