●睡眠時間は減少傾向※1
日本人の平均睡眠時間は、年々減少傾向にあります。NHKがおこなった調査によると、日本人の平日の平均睡眠時間は7時間15分で、30年前に比べると30分以上短くなっています。
男性よりも女性のほうが睡眠時間は短く、年齢では40〜50歳代の睡眠時間が最も短くなっています。
日本人の平均睡眠時間(単位:時間)※1
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●睡眠の状況※2
厚生労働省の調査によると、睡眠不足を感じている人は21%となっており、増加を続けています。特に30〜40歳代は睡眠不足を感じる人が多い傾向にあります。
睡眠で休養が十分にとれていない人の割合
●理想的な睡眠時間※3
かつて「理想的な睡眠時間は8時間」といわれてきましたが、これは医学的な根拠があるわけではなく、ただ単に多くの人の睡眠時間が8時間前後であったことから出された数字で、現在では否定されています。
アメリカで110万人を6年間にわたって調査した結果では、睡眠時間が1日7時間(6.5〜7.4時間)の人が最も死亡率が低く、6時間以下でも、8時間以上でも死亡率が高まる傾向が見られました(下図)。日本でも11万人を対象に10年にわたって調査した結果では、アメリカと同様の結果となりました
睡眠時間には個人差が大きく、性別、年齢、季節、生活環境、職業などによって異なります。3時間睡眠で十分な人もいれば、10時間以上の睡眠が必要な人もいます。有名な話として、フランスの皇帝・ナポレオンの睡眠時間は3時間、理論物理学者・アインシュタインの睡眠時間は10時間であったといわれています。
日照時間とも関係があり、春から夏にかけて短く、秋から冬にかけては睡眠時間は長くなります。日中に眠気がなく、しっかり活動していくための睡眠時間を確保していれば、睡眠時間が短くても問題ないといえます。
睡眠と死亡リスク
※睡眠時間6.5〜7.4時間の人の死亡リスクを1としたとき場合。睡眠時間は年齢のリスクを調整して計算。
●睡眠の年代別特徴
睡眠は年齢とともに変化します。一般に若い人は寝つきがよく、熟睡でき、睡眠時間は長い傾向にあります。それに対し、高齢者は寝つきが悪く、眠りは浅く、睡眠時間は短い傾向にあります。それぞれの睡眠の特徴を理解することが大切です。
年代 | 特徴 |
若者 | すぐに寝付く。睡眠時間が長い。 夜間の目覚めが少ない。 深い睡眠の割合が高い。 |
中年 | 睡眠時間が減少する。 ストレスなどから、不眠に悩まされる人が増加する。 ストレス、飲酒、睡眠時無呼吸症候群などで睡眠の質が低下。 |
高齢者 | 寝付くまでの時間が長くなる(なかなか寝れない)。 深い眠りが少なくなる。 浅い眠りが多く、途中で目覚める回数が増える。 睡眠時間が短くても、問題ないことが多い。 |