●アレルギーとは

私たちの体は、外部からウイルスや細菌が侵入してきたときに、退治しようとする力を持っています。この力を「免疫」といいます。免疫は、時として人体には害のない物質に対して働いてしまうことがあります。これが「アレルギー」です。

厚生労働省の調査※１によると、何らかのアレルギー症状をもつ人は３５％にもなり、しかも年々増え続けているといわれています。

　花粉症の原因「スギ花粉」

※１　厚生労働省保健福祉動向調査



●アレルギーの分類

アレルギーは４つに分類されます。このうち、金属アレルギー、花粉症、アトピー性皮膚炎など主なアレルギー疾患は�T型と�W型に分類されます。

型	名称	反応のおこり方	主な疾患・症状
�T型	即時型 アナフィラキシー型	身体に侵入した異物（抗原、アレルゲン）に対して、身体がそれに対抗する抗体を作り出して反応。 異物に対して適切な攻撃であれば、適切な生体防御として問題ありませんが、やたらに攻撃してしまい、生体防御の範囲を逸脱してしてしまった反応です。	アトピー性皮膚炎 気管支ぜんそく 食物アレルギー 花粉症 ﾗﾃｯｸｽｱﾚﾙｷﾞｰ
�U型	細胞傷害型 細胞融解型	異物に対して作られた抗体が赤血球、白血球などを破壊。	不適合輸血 重症筋無力症
�V型	免疫複合体型 アルサス型	異物と抗体が血液中を循環し、腎臓、肺などに炎症をおこします。	全身性ｴﾘﾄﾏﾄｰﾃﾞｽ 慢性関節リウマチ
�W型	遅延型 細胞免疫型 ツベルクリン型	異物がTリンパ球（異物を認識する特殊な細胞）に作用して炎症がおきます。	金属アレルギー アトピー性皮膚炎 接触性皮膚炎

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●アレルギーの症状

アレルギーが引き起こされると、かゆみや皮膚の赤味や発疹、鼻水、くしゃみ、涙目、咳といった不快な症状がでてきます。


主な症状
皮膚のかゆみ／カサカサ／ジクジク／赤み／腫れ／鼻水／くしゃみ／涙目／咳　ほか



●アレルギーの原因

アレルギーを引き起こす物質を「アレルゲン」といいます。アレルゲンとしては、食べ物、衣類、化粧品、薬、ペット、アクセサリー、口の中の金属、花粉、ダニ、ハウスダストなど、様々なものが知られています。どのアレルゲンに反応するかは、人によって異なります。


主なアレルギー

花粉症	スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみや鼻みずなどの症状を起こす病気です。現在、日本人の２０％が花粉症ともいわれています。
アトピー性皮膚炎	子供の時期に始まることが多く、よくなったり、悪くなったりをくり返す続く皮膚炎。原因ははっきり解明されていませんが、食べ物、ダニ、ハウスダストなどのアレルギーが一因と考えられています。
金属アレルギー	食器などの金属製品、アクセサリー、口の中の金属との接触によって引き起こされるアレルギーです。

　　　　アレルギーの原因



日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会の調査によると、接触することによってアレルギーを引きおこす物質としてはニッケル、クロム、コバルト、ウルシオールなどが上位となっています。毎回の調査で金属が上位にあげられています。


アレルギーをおこしやすい物質

調査年	１９９３年	２０００年	２００９年
１	コバルト（１７．３％）	ニッケル（１５．５％）	ニッケル（１１．６％）
２	ニッケル（１３．５％）	コバルト（１４．５％）	ウルシオール（１０．３％）
３	ウルシオール（９．３％）	クロム（１０．６％）	ﾊﾟﾗﾌｪﾆﾚﾝｼﾞｱﾐﾝ（７．０％）
４	クロム	ウルシオール	クロム
５	水銀	水銀	コバルト

※日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会ジャパニーズスタンダードアレルゲンの統計による。赤字は金属。



●アレルギーの治療

日常生活からアレルゲンを取り除いたり、薬物治療をおこないます。



●アレルギーの診療科

症状に応じて皮膚科、アレルギー科、内科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科での治療となります。



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