●スリープスプリントの副作用※1

スリープスプリントの副作用は頻度は低く、軽微なものが多いため、治療を中断するほどのものはほとんどありません。京都大学の研究者がおこなった調査によると、9.4%の人に一時的な歯やあごの痛み、唾液が多く出るなどの副作用がみられました。

主な副作用としては、口が渇く、唾液が多く出る、歯が痛い、あごが痛いなどがありますが、起床後数分から1時間ほどで消失します。また、歯科医院でのスリープスプリントの調整により治ります。

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●スリープスプリントの使用によるかみ合わせの変化

スリープスプリントの長期使用により、ごく稀にかみ合わせが変化することが、2000年前後から欧米で報告されるようになってきました。

スリープスプリントは下あごを数ミリ前に移動させることにより、いびきや睡眠時無呼吸症候群の症状を改善させます。この時に下あごを前に出す時に戻ろうとする力が装置から歯並びに伝わります。

その結果、ごく稀ですが下の歯が外側に傾き、上の歯が内側に傾き、かんだ時に奥歯が開いた状態になることがあります。

全ての人に当てはまるわけではなく、装置の種類や調整方法、下あごの移動量、口の中の状態、定期検診の有無などにも左右されます。かみ合わせが変化しても違和感はなく、問題はありません。

睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療法である鼻にマスクをつける方法(CPAP)においても、長期使用によりごく稀に歯が動くことがあります。※2


治療前(50代男性) 治療後(50代男性)1    治療前(60代女性) 治療後(60代女性)

1.50代男性の2.3年後のかみ合わせの変化  2.60代女性の2.8年後のかみ合わせの変化 ※3
(下の歯が前に傾き、上の歯が内側に傾いた結果、かんだ時に奥歯が開いた状態になっています)



●スリープスプリントの副作用と対策

1.歯が痛い(歯痛)
スリープスプリントの装着中に、まれに歯が強く当たるために痛くなることがあります。多くは前歯に痛みがでます。歯科医院でスリープスプリントの調整をおこなうことにより、痛みはなくなります。

また、厚みの薄いスリープスプリント(2mmから1mmの厚みに変更)を使用したり、軟らかい材質でできたスリープスプリントに変更すると痛みはなくなります。


2.あごが痛い(顎関節痛)
スリープスプリント装着後に、あごが痛むことがまれにあります。大半が歯ぎしり(強い食いしばり)によるもので、多くは起床後数分から1時間ほどで治ります。痛む部位をマッサージするのも一つの方法です。

夕方、あるいは翌日になってもあごが痛い場合は、スリープスプリントの使用を数日間中止するか、歯科医院でスリープスプリントの調整をおこなうことにより痛みはなくなります。それでも治らない場合は、スリープスプリントの種類を変更します。

TRD  セラスノア あごの負担が少ないスリープスプリント

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3.かみ合わせの変化(咬合変化)
スリープスプリントを長期にわたって使用すると、かみ合わせの変化がごく稀にみられることがあります。適合のよいスリープスプリントを使用すること、定期的に歯科医院でスリープスプリントの検診をおこない、必要があれば新しいスリープスプリントに交換することが、かみ合わせの変化を防止します。

かみ合わせの変化は、スリープスプリントを装着しなくても加齢と共におきるため、ほとんどは問題ありませんが、歯科医院で定期的に検診を受ける必要があります。


4.息がしにくい
スリープスプリントの装着時に鼻づまりにより息がしにくい場合は、点鼻薬の使用や耳鼻科で治療をおこなうことにより息をしやすくします。

スリープスプリントに原因があると思われる場合は、スリープスプリントを調整する、あるいは上と下が別々になったスリープスプリント(上下分離型)にします。

サイレンサー  ハーベスト 息がしやすいスリープスプリント(上下分離型)


5.唾液が多く出る
上と下が一体となったスリープリプリント(上下一体型)は唾液が出やすい傾向にあります。上と下が別々になったスリープスプリント(上下分離型)にすると治ります。

スリープスプリント 上と下が一体となったスリープリプリント(上下一体型)


現在ご使用中のスリープスプリント(いびき用マウスピース)が合わない場合は、お気軽にご相談ください。


※1 Yoshida K. Effects of a mandibular advancement device for the treatment of sleep apnea syndrome and snoring on respiratory function and sleep quality. Cranio. 2000 Apr;18(2):98-105.  ※2 Li KK et al: An unreported risk in the use of home nasal continuous positive airway pressure and home nasal ventilation in children: Chest 2000, 117: 916-918  ※3 Rose EC et al:Occlusal side effects caused by a mandibular advancement appliance in patients with obstructive sleep apnea. Angle Orthod 2001. 71:452‐460.



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