インプラントの手術方法には、手術回数により1回法と2回法という2つの方法があります。手術が1回だけで済むのならばそれにこしたことはないのですが、1回法、2回法にはそれぞれ利点と欠点があり、どちらの方法がよいというわけではありません。当クリニックでは症状に応じて2つの方法を使い分けておこなっています。



1回法

1回法は、インプラント埋入時にインプラント上部を歯肉の上に出します。ストローマン社(ストローマンインプラント)が1974年に開発しました。

以前は1回法の経過はよくないとも言われていましたが、現在では問題ないとされています。2回手術をする必要がないという利点があります。


骨に穴を開けます1 インプラント上部を歯肉の上にだします2 土台をつけます

(1)ドリルで骨に穴を開けます。
(2)インプラントを埋入します。インプラントの上部は歯肉の上にあります。
(3)当時、もしくは後日に土台をつけます。


利点
1回だけの手術なので、負担が軽く済みます。

手術時間、治療回数を減らすことが可能です。

症状によってはインプラントを埋入したその日に、仮歯が入り食事をすることも可能です。


欠点
インプラントを埋入する部分の骨がしっかりある必要があります。

骨の量が少なく、骨移植などの手術を併用した場合は感染のリスクが高くなります。

インプラントと骨がくっつくまでの間に力がかかり、悪影響を及ぼすことがあります。

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2回法

2回法は、インプラント埋入時に歯肉をかぶせて数週間待ちます。1965年にブローネマルク教授(ブローネマルクインプラント)によって開発されました。

インプラントと骨がくっつくのを待った後に、歯肉の下に埋まっているインプラント上部を歯肉の上にだします。1回法に比べて感染のリスクが低いという利点があります。


骨に穴を開けます1 インプラントは歯肉に覆われています2 インプラントを歯肉の上にだします

(1)ドリルで骨に穴を開けます。
(2)インプラントを埋入します。インプラントは歯肉の下にあります。
(3)後日に2回目の手術をおこない、インプラント上部を歯肉の上にだします。


利点
ほとんど全てのケースで適用できます。

骨とくっつくまでの間はインプラントが歯肉の下にあるため、感染のリスクが低い。


欠点
2回手術をおこなわなければならないため、負担が大きくなります。

手術時間、治療回数が増えます。



●当クリニックでは

当クリニックでは、状態に合わせて1回法と2回法の適した方法を選択しています。通常1回法でおこないますが、歯を抜いたと同時にインプラントを埋入する場合(抜歯即時インプラント)、骨の量が不足していて骨移植や骨を増大させる治療(GBR法)が必要な場合などは2回法でおこなっています。

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