●上顎洞(じょうがくどう)とは
鼻の横や上にある空洞を副鼻腔(ふくびくう)といい、副鼻腔は左右2対で合計8つあり、鼻とつながっています。
副鼻腔は目と目の間にある篩骨洞(しこつどう)、その奥にある蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、鼻の上の頭にある前頭洞(ぜんとうどう)、鼻の横にある上顎洞(じょうがくどう)の4つがあります。
上顎洞は副鼻腔の中では最も大きな空洞で、吸った空気の加湿や加温、骨の重さの軽量化などの役割があるとされています。副鼻腔の中では最も膿がたまりやすく、副鼻腔炎を発症しやすい構造になっています。
副鼻腔
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●上顎洞性歯痛(じょうがくどうせいしつう)とは
上顎洞性歯痛は、上顎洞の病気が原因おきる歯の痛みで、急性の上顎洞炎(副鼻腔炎、蓄膿症)が多い傾向があります。
急性の上顎洞炎では、上顎洞からの痛みが伝わったり、炎症が波及するため、歯に痛みが生じます。11〜2月に歯痛として歯科に来院することが多く、上顎洞炎の18%に歯の痛みがあり、上あご奥歯(上顎小臼歯、大臼歯部)に痛みが生じやすい傾向があります。慢性の上顎洞炎では鼻づまりはおきますが、歯の痛みはおきないとされています。
上顎洞癌の最初の症状として上あご奥歯の歯の痛みがあり、全体の36%にもなります。
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●上顎洞性歯痛の特徴
上顎洞内部の圧力が高まることによって生じた痛みが、上の奥歯の持続的な鈍い痛みや冷水痛(知覚過敏)として伝わります。上の奥歯は上顎洞に近く、炎症が直接歯に伝わると、かむと数本の歯に痛みが生じたり、かみしめたときに違和感が生じることもあります。
数日かけて少しずつ痛みが強くなり、夜間に痛みが増し、冷やすと痛みが軽くなる傾向があります。片側であることが多いものの、両側に痛みが生じることもあります。頬の感覚が鈍くなることがあれば上顎洞癌の可能性があるため注意が必要です。
上の奥歯に痛みが生じます
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●上顎洞性歯痛の治療
歯科では、痛みの原因が虫歯や歯周病など歯科に関する病気でないかを診査します。上顎洞性歯痛が疑われる場合は主に耳鼻咽喉科での治療となります。
上顎洞炎であれば、耳鼻咽喉科で治療をおこないます。アジスロマイシン(商品名:ジスロマックほか)などの抗生物質を服用します。上顎洞癌であれば、口腔外科、耳鼻咽喉科にて手術、放射線治療、抗がん剤による治療がおこなわれます。
上顎洞に関しては歯科と耳鼻咽喉科は関係が深く、上顎洞炎(副鼻腔炎)と思って耳鼻咽喉科に受診したものの歯が原因と言われて歯科に受診する人も多くいます。
歯の痛みがあるときは、速やかに医療機関を受診します
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