新しい歯周病の治療法(リグロス、エムドゲイン、GTR法) 横浜・中川駅前歯科
歯周病で失われた骨の再生治療

厚生労働省の統計によると、日本人成人の8割は歯周病にかかっています。歯周病治療の目的は、病気の進行を止め、もとの健康な歯肉にすることです。

軽症の歯周病であれば、歯の清掃(歯のクリーニング)をおこなうことで治すことができますが、中等度から重症の歯周病では手術が必要となることがあります。手術では、深い歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)を浅くし、歯周病菌に侵された歯肉を取り除くことにより、健康な歯肉にしていきます。

以前は、手術では歯周病で失われた歯槽骨(歯を支える骨)を回復させることは殆どできませんでしたが、1980年代以降にGTR法、エムドゲイン、リグロスといった歯周病の再生治療が開発され、失われた歯槽骨を回復させることが可能になりました。

診察 中等度から重症の歯周病では手術が必要になることがあります

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●新しい歯周病の治療法

日本では1990年代はGTR法が、2000年代以降はエムドゲインが最も多く使用されています。2016年の厚生労働省認可により、今後はリグロスの使用が増えていくと思われます。

中川駅前歯科クリニックでは、エムドゲイン、GTR法による歯周病手術をおこなっています(認定歯科医師在籍)。2017年4月に「リグロス」による歯周病手術を始めさせていただきました。お気軽にご相談いただけたらと思います。


1)リグロス  世界初の歯周組織再生剤
リグロス(一般名:トラフェルミン)は、繊維芽細胞増殖因子(傷を治したり、血管をつくる成長因子)の一つ「FGF−2(bFGF)」を使用した薬です。FGF−2は血管をつくり、歯肉に栄養を供給して、歯周病によって失われた歯槽骨(歯を支える骨)など、歯肉の組織を再生させます。

健康保険適応の治療で、歯周病の手術時にリグロスを歯槽骨に塗ることで、歯周病の症状が改善します。手術方法はエムドゲインとほぼ同じです。

臨床試験(下図)では、エムドゲイン、通常の歯周病手術(フラップ手術)に比べると歯槽骨の再生能力は高いとされていますが、それぞれ特徴があるため、適応症をみたうえで治療を進めていく必要があります。

リグロスは1990年代前半に大阪大学で研究が始まり、国内25施設で臨床試験をおこなった後、2016年9月に厚生労働省に認可、2016年12月に販売が開始されました。日本で開発された、世界で初めての歯周組織を再生させる薬です。


<市販直後調査の結果について>
2016年12月に販売が始まったリグロスは、2017年5月末まで市販直後調査(臨床試験の次の段階)が当院を含む医療機関でおこなわれました。5月末までに約1500名の患者様に使用され、副作用は0件との結果でした。


リグロス リグロス(科研製薬から販売)


骨の再生量の比較(手術36週間後の歯槽骨の平均増加量、mm)
歯周病手術の比較

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2)エムドゲイン  タンパク質(エムドゲインゲル)を塗ることで歯槽骨を再生
歯周組織再生誘導材料「エムドゲイン(エナメルマトリックスデリバティブ、EMD)」は、歯がつくられる時期に重要な役割を果たすタンパク質の一つ「エナメルマトリックスタンパク質」を使用した材料です。歯周病によって失われた歯槽骨(歯を支える骨)を再生させることができます。

1995年にスウェーデンで治療が始まり、日本では1998年に厚生労働省に認可され、2001年に改良型の「エムドゲインゲル」が認可されました。2015年までに世界で200万人以上に使用され、840以上のエムドゲインに関する研究論文が発表され、副作用の報告はなく、高い実績、研究成果、安全性があります。

歯周病の手術時にエムドゲインを歯槽骨に塗ることで、失われた骨を誘導し、歯槽骨の再生を可能にします。健康保険適応外の治療です。

エムドゲイン エムドゲイン(インプラント世界シェア1位のストローマン社から販売)


治療方法
エムドゲイン治療前 エムドゲイン治療前(レントゲン写真) エムドゲイン治療中 エムドゲイン治療後 エムドゲイン治療後(レントゲン写真)

1.治療前
歯周病により歯槽骨(歯を支える骨)が失われています。深い歯周ポケット(歯と歯肉との間の溝)があります。

2.治療中
GTR法は膜を入れることによって歯槽骨の再生を促しますが、エムドゲインはエムドゲインゲル(エナメルマトリックスタンパク)という薬剤を塗ることによって、歯槽骨の再生を促します。

3.治療後
歯槽骨が再生。歯周ポケットも浅くなりました。

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治療結果
以下は歯科大学付属病院を含む国内171施設でおこなった956症例の結果です。手術時間は1時間前後、多くの症例において手術後は歯周ポケットが浅くなり、歯のグラグラも改善しています。一方で、タバコを吸っている人は、治療成績は悪い傾向がみられます。


手術時間と歯のグラグラ度(動揺度)※1
エムドゲインの手術時間 歯の動揺度


総合評価※2と歯槽骨(歯を支える骨)の回復
エムドゲインの手術評価 歯槽骨の回復

※1 歯の動揺度(Millerの分類) しない:0度、生理的動揺(0.2mm以内) わずか:1度、頬舌的にわずかに動揺(0.2〜1mm) 少し:2度、頬舌的に中等度、近遠心的にわずかに動揺(1〜2mm) かなり:3度、頬舌的、近遠心的のみならず、歯軸方向にも動揺(2mm以上)  ※2 総合評価は歯科医師が検査を元に評価したもので、患者様の評価(自覚症状)とは異なります。

当クリニックはエムドゲイン認定歯科医師が在籍しています。

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3)GTR法(歯周組織再生誘導法)
  膜(メンブレン)を使用して歯槽骨を再生
GTR法(ジーティーアールほう、Guided Tissue Regeneration Technique)は、歯周病によって失われた歯槽骨(歯を支える骨)を再生させる治療方法です。

メンブレンという特殊な膜を使用することにより、歯槽骨が再生するためのスペースを確保、骨の再生を邪魔する歯肉の侵入をブロックすることにより、失われた歯槽骨を再生させます。

1982年にスウェーデンで治療が始まり、日本では1992年に「ゴアテックスGTRメンブレン」が厚生労働省に認可され、治療が始まりました。2008年からは健康保険が適応になり、厚生労働省が定める施設基準を満たした医療機関(2015年現在:歯科医院の10%が認可)では、健康保険でGTR法がおこなえるようになりました。メンブレンは、いくつかのメーカーから販売されています。

条件が良ければ歯槽骨をかなり再生させることが可能ですが、適応症が限られること、手術がリグロス、エムドゲインに比べると難しいという欠点があります。そのため、2000年代後半からは使用される機会が減りました。

コーケンティッシュガイド GTRメンブレン(いくつかのメーカーから販売)

当クリニックは厚生労働省が定める「歯周組織再生誘導手術」(GTR法)の施設基準を満たしており、当クリニックでのGTR法は健康保険が適応になります。また、ゴアテックス認定歯科医師が在籍しています。


治療方法
GTR法治療前  GTR法治療中  GTR法治療後

1.治療前
歯周病に歯周病により歯槽骨(歯を支える骨)が溶けています。深い歯周ポケット(歯と歯肉との間の溝)があります。

2.治療中
メンブレンという特殊な膜を使用することによって、歯槽骨の再生を促します。

3.治療後
歯槽骨が再生。歯周ポケットも浅くなりました。



再生できる歯槽骨の量には限界があるため、グラグラで今にも抜けそうな歯など、極めて重度に進行した歯周病 には、リグロス、エムドゲイン、GTR法は適応になりません。手術が適応になるかは、診査及び歯周病の検査をおこなう必要があります。



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