金属床義歯は、入れ歯の主要部分を金属で作った入れ歯です。健康保険が適応されるプラスチックの入れ歯（レジン床義歯）に比べて丈夫な素材を使うため、違和感の少ない快適な入れ歯をつくることが可能です。



●金属床義歯の特徴

金属床義歯は健康保険が適応になるプラスチックの入れ歯（レジン床義歯）に比べると、薄い、違和感を感じにくい、食べ物の味を感じやすい、壊れにくい、歯に優しいといった特徴があります。


１）薄くて快適
金属床義歯の厚みは０．３〜０．５ｍｍ。健康保険適応のプラスチックの入れ歯に比べると厚みは４分の１以下。違和感が少なく、口の中が広く感じます。また、舌が動かしやすいため、入れ歯特有の話にくさが軽減されます。

　金属床義歯（左）とレジン床義歯（右）は厚みが大きく違います


２）食事がよりおいしくなります
健康保険適応のプラスチックの入れ歯に比べて金属床義歯は熱を伝えやすく、食べ物のおいしさの一つである温かさ、冷たさをより感じることができます。毎日の食事がよりおいしくなります。

　食べ物の温かさ、冷たさを感じやすくなります


３）丈夫で長持ち
プラスチックの入れ歯に比べて、割れたり壊れたりすることも少なく丈夫です。


４）残った歯にも優しい
部分入れ歯の場合は歯にバネを引っかけますが、金属床義歯はたわみにくいため、バネをかける歯に負担をあまりかけません。

　バネをかける歯にあまり負担をかけません

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５）衛生的
プラスチックよりも金属のほうが汚れがつきにくく、衛生的です。金属床義歯は、金属面が多いため、衛生的な入れ歯です。

　衛生的な入れ歯は口臭予防にもなります

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●金属床義歯の種類

金属床義歯は、コバルト、クロム、金（ゴールド）、白金（プラチナ）、チタンなどの金属を使用して作製されます。


１）コバルトクロム床義歯
金属の入れ歯としては最も歴史があり、最も多用されています。

長所
・金属を使った入れ歯のうち、チタンに匹敵する軽さがあります。
・たわみに最も強い材料です。
・金属なので食べ物の熱が早く伝わります。
・金属床義歯の中では費用負担が少ない。

短所
・チタン床義歯に比べてやや重い。

　コバルトクロム床義歯



２）ゴールド床義歯
金（ゴールド）や白金（プラチナ）を使用した入れ歯です。腐食による変色がおこらず、適合性もよく体に優しい入れ歯です。

長所
・体に優しい入れ歯です。
・輝きは他の金属では出せない美しさがあります。
・金属なので食べ物の熱が早く伝わります。

短所
・ 金属床義歯の中では最も高価。
・ チタン床義歯に比べてやや重い。

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３）チタン床義歯
チタンを使用した入れ歯です。非常に軽く、アレルギー反応をおこしにくいという特徴を持った入れ歯です。

長所
・最も軽く、薄いので装着感に優れます。
・体に優しい入れ歯です。
・金属なので、食べ物の熱が早く伝わります。

短所
・コバルトクロム床義歯に比べると費用がかかります。

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●健康保険適応の入れ歯との違い

	レジン床義歯	金属床義歯
主材料	プラスチック	金属
厚さ	厚い	薄い
違和感	大きい	少ない
熱の伝わり	ほとんどない	よく伝わる
味覚	あまりわからない	食べ物の熱さがよくわかる
強度	割れやすい	壊れにくい
たわみ	たわむ	たわまない
汚れ	つきやすい	つきにくい
健康保険	適応	適応外

　金属床義歯（部分入れ歯）



●金属床義歯の費用

金属床義歯の費用は、総入れ歯で２３〜４３万円、部分入れ歯で１５〜３５万円となります。


総入れ歯

種類	費用（税込）
コバルトクロム床義歯	２３万円
ゴールド床義歯	３３万円
チタン床義歯	４３万円

部分入れ歯

種類	費用（税込）
コバルトクロム床義歯	１８万円
ゴールド床義歯	２８万円
チタン床義歯	３８万円

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