身の回りの放射線には、どのようなものがあるのでしょうか?

私達の身の回りには、自然界からの放射線が存在しています。目には見えませんが、私達の体は常に食物や地面など自然界からの放射線を受けています。

その量は、日本では年間1.1mSv※1です。日本国内でも、住む場所によって年間0.3mSv前後違います。花崗岩(かこうがん、ウランやトリウムなどの放射性物質を多く含む)を含んだ地層が多い西日本のほうが、放射線量が多い傾向にあります。花崗岩の敷石の道路の両側に立派なビルの立ち並ぶ銀座通りは、海上に比べてガンマ線が4倍も多くなっています。

外国では年間10mSv※1にもなるところもあります。世界の平均は、年間1.2mSv※1です。

その他に、日本人は医療で年間約2.3mSvの放射線を受けます。また、地上に比べて上空は放射線量が多いため、飛行機の中では地上に比べて放射線量は多くなります。例えば、東京からニューヨークまで飛行機で往復すると、0.2mSvの放射線を受けます。トンネルの中もトンネルの外に比べると放射線量は多くなります。

意外なところでは、微量の放射線は温泉として利用されています。ラジウム温泉、ラドン温泉がこれにあたります。ラジウム温泉、ラドン温泉は、有馬温泉(兵庫)、三朝温泉(鳥取)、玉川温泉(秋田県) など日本各地にあります。


花崗岩 花崗岩(西日本のほうが花崗岩が多いため、放射線量が多い傾向にあります)

※1 ラドンガス吸入を除く

※mSv(ミリシーベルト)とは
放射線があたった時の人体への影響の度合いを表す単位です。大きな量を表す単位なので、通常Sv(シーベルト)の1000分の1のmSvが使われています。

※μSv(マイクロシーベルト)とは
mSv(ミリシーベルト)の1000分の一の値。1mSvは1000μSvとなります。



日本人が1年間に受ける放射線量(平均値)
  放射線量   放射線量
自然 1.1mSV
(1100μSv)
食物から 0.4mSv
大地から 0.4mSv
宇宙から(宇宙線) 0.3mSv
人工
放射線
2.3mSV
(2300μSv)
医療(レントゲン写真など) 2.3mSv
原子力施設 0.001mSv以下
放射性落下物(過去の大気圏核実験) 0.01mSv
呼吸(ラドンガスの吸入による) 0.4mSv

玉川温泉 秋田・玉川温泉(癌に効くとされ、多くのがん患者さんが温泉を訪れます)

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歯のレントゲン写真は、どのくらいの放射線量なのでしょうか?

レントゲンの機種や撮影する部位にもよりますが、歯科医院で撮影する小さなレントゲン写真の放射線量は1枚あたり0.01〜0.02mSv、口全体を撮影する大きなレントゲン写真の放射線量は1枚あたり0.02〜0.03mSvです。

これは、集団検診で撮影する胃のレントゲン写真1枚(約4.1mSv)のおよそ100〜400分の一、自然界から1年間に受ける放射線のおよそ40〜100分の一程度です。このことから、歯科医院で撮影するレントゲン写真の安全性は高いといえます。


パノラマエックス線撮影法 パノラマエックス線撮影法   口内法エックス線撮影 口内法エックス線撮影


放射線量の目安
(単位:mSv、ミリシーベルト)
方法・部位など 放射線量
歯科(口内法エックス線撮影、小さなレントゲン写真) 0.01〜0.02
歯科(パノラマエックス線撮影法、大きなレントゲン写真) 0.02〜0.03
CT撮影(頭部) 0.49
CT撮影(胸部) 6.8
集団検診での胃のレントゲン写真 4.1
胃のレントゲン写真 2.7
東京・ニューヨーク間を飛行機で往復したときの放射線量 0.2
日本人が1年間に自然界から受ける放射線量 1.1
ガラパリ(ブラジル)の人が1年間に自然界から受ける放射線量 10
※独立行政法人・放射線医学総合研究所の測定による。歯科はメーカーの測定による。


※放射線の人体への影響について
500mSvの放射線を一度に浴びた時に末梢血のリンパ球は減少し、1000mSvの放射線を一度に浴びると10%の人に嘔吐があります。一度に7000mSvの放射線を浴びると死に至るとされています。



パノラマ(大きな歯科レントゲン写真)の放射線量を1としたときの放射線量
パノラマ(大きな歯科レントゲン写真)の放射線量を1としたときの放射線量※2 福島第1原子力発電所で爆発事故がおきた5日後に横浜で観測された放射線量(1時間)

レントゲン写真撮影装置は、被曝量が最小レベルの機種を導入しています。従来のレントゲン写真に比べると、1/5〜1/10の線量での撮影が可能です。



レントゲン写真を撮影時のエプロンは、どのような効果があるのでしょうか?

レントゲン写真を撮影する時に用いるエプロンには鉛が入っています。撮影時に鉛でできたエプロンをかけることによって、肺、胃、腸、卵巣などは、放射線による被爆をほぼゼロにすることができます。

エプロン以外にも、レントゲン室の壁やドアの中には鉛が入っており、外部に放射線が漏れないように工夫がされています。

ご説明 ご不明な点などがありましたら、お気軽にお尋ねください



●レントゲン写真を撮影した後に妊娠に気付いたら‥

妊娠初期を含めた全期間を通じて、歯科医院で撮影するレントゲン写真は安全と考えて差し支えありません。歯科医院で撮影するレントゲン写真の放射線量は極めて低いうえに、撮影する部位も腹部ではなく歯であり、しかも腹部は鉛の入ったエプロンで守られているからです。

奇形や精神発達遅延が現れるのに必要な放射線量は250mSv以上です。母体内の胎児がこれを超える放射線を受けた場合でなければ、これらの障害は発生しません。つまり、歯のレントゲン写真を数万枚、エプロンなしで一度に撮影しないと異常はおこらないことになります。

ただし、妊娠に気付いたらレントゲン写真の撮影は最低限にとどめるべきでしょう。

妊娠 妊娠時にレントゲン写真を撮影しても胎児への影響はありません

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