歯は全身の健康に大きく関与しています。歯を失うと、認知症や癌になるリスクが高まるほか、医療費も多くかかります。毎日の歯磨きだけでなく、定期的に歯科医院に通院することにより、歯の健康を維持していくことが大切です。
●
歯の本数
「しっかり歯をみがいているから、私は大丈夫」と思っている方は多いと思います。しかしながら、繰り返される虫歯の発生、歯周病の進行によって歯の状態が悪くなっていき、歯の本数は減少していきます。
歯は28本、親知らずを含めると32本ありますが、60歳は25本、70歳は21本、80歳は16本となっています。
歯の本数
※令和4年歯科疾患実態調査(厚生労働省)
関連するページ 定期検診 小児の定期検診
●
歯を失うと認知症にかかりやすくなります
咬むことにより脳(海馬)の神経細胞の活動が活発になり、認知症になりにくいことが知られています。
歯の本数が少ない人ほど認知症になりやすい傾向があります。
東北大学が70歳以上の高齢者1170人を対象におこなった調査では、健康な人は平均14.9本の歯が残っていたのに対し、認知症の疑いのある人は平均9.4本しか歯が残っていませんでした。
また、名古屋大学が平均年齢70歳代後半の人に対しておこなった調査では、アルツハイマー型認知症の人は、健康な高齢者に比べて1/3しか歯が残っていませんでした。同様の調査結果は、多くの研究機関から報告されています。
読売新聞
関連するページ 歯周病と認知症
●
歯を失うと癌になりやすくなります
愛知県がんセンターが、5000人の癌患者を含む16000人を対象におこなった調査では、
歯の本数の多い人ほど癌になるリスクが高いことがわかりました。
歯が0本の人は歯が21本以上ある人に比べると頭頚部癌(舌癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌)にかかるリスクが3倍、食道癌にかかるリスクは4.4倍も高いという結果となりました。
歯の本数が多く、よく咬めることは、癌予防にもつながります。
歯の本数と癌になるリスク(歯が21本以上ある人が癌になるリスクを1としたときのオッズ比)
※第68回日本癌学会学術集会ほか
関連するページ 卑弥呼の歯がいーぜ 〜かむことの大切さについて〜
●
歯を失うと心筋梗塞、脳梗塞などをおこしやすくなります
歯の本数が少ない人は高血圧、糖尿病、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞になるリスクが高い傾向にあります。
山梨県歯科医師会が高齢者12000人を対象におこなった調査では、歯が19本以下の人は、歯が20本以上残っている人に比べて、心筋梗塞・狭心症のリスクは1.7倍、脳梗塞のリスクは1.6倍も高いという結果となりました(下図)。
歯の少ない人が心筋梗塞などをおこすリスク(オッズ比)
※山梨県高齢者における歯の健康と医療費に関する実態調査
京都大学が10000人を対象に、年齢、喫煙の有無、血糖値など、動脈硬化に影響する要因を排除して、歯の本数と動脈硬化との関係を調べたところ、
失った歯の本数が多い人ほど動脈硬化をおこしやすいことが明らかにされました。
動脈硬化は血管が硬く、狭く、もろくなる病気で、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞の原因になります。
神奈川新聞
関連するページ 歯周病と全身とのかかわりについて
●
歯を失うと医療費がかかります
歯は全身の健康にも大きく関与しており、
歯の本数が多い人ほど医療費がかかる傾向にあります。
北海道歯科医師会が70歳以上の高齢者、レセプト(診療録)16.7万件を対象におこなった調査では、歯が20本以上ある人は、歯が0〜4本の人に比べて医療費が月額14730円も安く済むという結果となりました。
香川県が65歳以上の高齢者、レセプト(診療録)8.1万件を対象におこなった調査では、歯が20本以上ある人は、歯が0〜4本の人に比べて医療費が月額12199円も安く済むという結果(下図)となりました。
歯がたくさん残っている人のほうが健康に過ごせるだけでなく、医療費も安く済んでいるのです。
1ヶ月の医療費と歯の本数
※北海道歯科医師会の広報、香川県のホームページ
※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
交通アクセス・駐車場案内図(横浜市都筑区、港北区など近隣よりご来院の方)
青葉区・宮前区からのご来院(横浜市青葉区、川崎市宮前区からご来院の方)
小田急線沿線からのご来院(東京都町田市、川崎市麻生区、多摩区などからご来院の方)
横浜線沿線からのご来院(横浜市緑区、相模原市などからご来院の方)
南武線沿線からのご来院(川崎市中原区、高津区などからご来院の方)
広域路線図 広域道路地図(神奈川県、東京都からご来院の方)
新幹線・飛行機でのご来院(神奈川県、東京都以外からご来院の方)
関連するページ 歯科検診 予防歯科