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TCH(歯列接触癖)とは
上下の歯の接触は、会話や食べ物を咬んだり、飲み込む時におきます。1日の接触時間の合計は平均17.5分とされています。何もしていないときは、上下の歯は接触していません。
しかしながら、パソコンで作業をしているとき、テレビを見ているとき、料理をつくっているときなど、何らかの作業をしているときに、気付かずに長時間にわたり上下の歯を接触させている人がいます。
この
何もしていないときに、無意識に上下の歯を接触させる癖を「TCH(Tooth Contacting Habit、ティーシーエイチ)」といいます。
スマートフォンの使用時など、TCHをしていることはよくあります
●TCHと歯ぎしり
歯ぎしりの種類の一つに「クレンチング」があります。クレンチングは、睡眠中あるいは起きているときに無意識にかみしめ、食いしばっている症状をいいます。
東京医科歯科大学の研究者らが、起きているときのクレンチングだけでなく、弱い歯の接触も含めた癖をTCHと名付け、2008年に発表しました。2011年以降、テレビや新聞などのマスメディアで報道され、多くの人に知られるようになりました。
テレビで度々放送
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TCHの保有割合
東京医科歯科大学の調査では、顎関節症の患者さん(542人)の77%、一般企業の会社員(2423人)の21%、中学生の11.4%(男性)、24.5%(女性)にTCHがみられました。
顎関節症の患者さんの8割、一般の人の2割程度にTCHがみられると推察されています。
中学生(女子)の調査では、関節雑音(あごがカクカクなど音がなる)人は2倍、開口障害(口が開きにくい)は7倍の確率でTCHがみられました。
中学生では女子に多く、顎関節症や開口障害が高い確率でみられます
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●TCHの問題点
強い咬みしめ、食いしばり(クレンチング)は長時間続けることは難しいのですが、弱い歯の接触は気付かずに続けていることが多くあります。気付かずに長時間にわたり上下の歯を接触し続けると、様々な問題がおきます。
少しでも歯と歯が接触すると筋肉は緊張し、血管は収縮して血流量は低下します。長時間にわたると筋肉は疲労します。そして、肩こり、あごの痛み、歯や舌の痛み、歯周病の悪化などの症状を引きおこします。
TCHがもたらす口の中の症状
歯周病の悪化/歯が削れる(咬耗)/歯の破折/
歯痛/舌や頬の粘膜を誤って咬む/つめものやさし歯が取れる、割れる/
入れ歯が痛む/咬み合わせの違和感/
口内炎/
ドライマウス(口腔乾燥症)/根の治療をしている歯の痛みが取れない/
舌痛症/
歯がしみる(知覚過敏)/歯が沈み込む/口が開きにくい(開口障害)
TCHがもたらす口以外の症状
肩こり/
あごの痛みや違和感(顎関節症)/頭痛/耳鳴り/腰痛
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TCHの診断
絶対、確実なTCHの診断方法はありませんが、歯、歯肉、頬、舌の状態を診査したり、問診などにより、蓋然性の高い診断は可能です。診断は5分ほどで簡単にできます。
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TCHの治療
TCHと思われる症状があっても、必ずしもTCHとは限りません。まずは歯科医院で診査、診断をおこない、そのうえで治療をおこなう必要があります。
TCHの改善方法は、歯科医院で指導を受けながら、上下の歯を接触させない癖をつけていきます。
パソコンやテレビにシールや「歯を離してリラックス」と書いた紙などを貼り、それを見たら上下の歯を接触していないかを確認するようにしていくのも一つの方法です。睡眠中の歯ぎしりとは異なり、患者さん自身で治していくことが可能です。
治療は歯科でおこないます
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