小児の顎関節症 横浜・中川駅前歯科クリニック

●小児の顎関節症

顎関節症(がくかんせつしょう)は、あごの関節の病気です。口を開けるとあごが痛い、口を大きく開けられない、口を開けるとあごがカクカク、ガクガク、ポキッと音がするなどの症状があります。

顎関節症の患者さんは小学生までは少ないものの、中学生、高校生と、年齢が上がるにつれて増えていきます。小児の顎関節症の発症率は、10%前後※1とされています。

性別では、小学生までは男女差はみられないものの、中学生以上では女子に多い傾向がみられます。

顎関節症 中学生以上では女子に多く、頬杖などの生活習慣が発症に関わることも

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●小児の顎関節症の特徴

小児の顎関節症の特徴は、1)歯並びやかみ合わせの発育に伴う変化と関係、2)頬杖、猫背などの生活習慣と関係、3)かみ合わせの調整などの歯を削る治療は必要ない、4)自然に治ることがある等の特徴があります。

カクカク、ガクガクなどの顎関節の音については、症状がよくなったり、悪くなったりを繰り返す傾向にあります。症状が重症化していくこともあるため、気付いたら早めに歯科医院に受診する必要があります。また、定期的に歯科医院で検診をおこなう必要があります。

歯科大学による大規模、かつ長期間にわたる調査※2では、口を開けると音がなる人は、14歳では11%、23歳では34%と、年齢が上がるにつれて増加していました。また、治る人、再発する人が高い頻度でみられました(下図)。


年齢と共に関節雑音は増加※2

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●顎関節症の症状の変化

小児の顎関節症の症状で最も多いのは、口を開けるとカクカク、コキコキなどの音がすることです(関節雑音、クリック音)。口を開けるとあごに痛みが出たり(顎関節痛)、口を大きく開けられないこともあります(開口障害)。年齢により下記の特徴があります。


幼児(3〜5歳) 口を開けると音がする。あごが痛い、口を大きく開けにくいといった症状はまれ。
小学生(6〜12歳)
中学生(13〜15歳) 口を開けると音がする。あごが痛むことがある。
高校生(16〜18歳) 口を開けると音がする、あごが痛む、口が開けにくいなど、成人と同じような症状がある。




進行性下顎頭吸収

進行性下顎頭吸収(しんこうせいかがくとうきゅうしゅう、PCR)は、下顎骨の一部である「下顎頭」が失われていく病気です。発症時期は10歳代、性別では女性が圧倒的に多く、顎関節症の症状があらわれます。

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●小児の顎関節症の治療

マウスピースの装着(スプリント療法)、薬の服用(薬物療法)、認知行動療法などの治療をおこないます。進行性下顎頭吸収以外では、外科手術がおこなわれることは、ほとんどありません。まれに矯正治療がおこなわれることがあります。

顎関節症は生活習慣による影響が大きいため、頬杖、猫背、指しゃぶり、爪をかむ癖など、顎関節症の症状を悪化させる要因があれば改善していきます。

 マウスピースによる治療

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●顎関節症治療の診療科

顎関節症の治療は何科にかかればよいか迷われる方は多くいますが、顎関節症の治療は主に歯科でおこなわれています。一般的な顎関節症の治療は、歯科医院でおこなわれています。外科手術は、歯科大学病院や病院の口腔外科でおこなわれています。



※1 高塚茂行、中川清昌、山本悦秀 小児の顎関節症 小児口腔外科20(2)125−130  ※2 M Kononen、A Waltimo、M Nystrom Does clicking in adolescence lead to painful temporomandibular joint locking? The Lancet, Volume347(9008)1080−1081


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