●口唇ヘルペスとは
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型を主な原因とする感染症で、唇やその周辺に水ぶくれができる病気です。感染力が強く、親子、夫婦間など密接な間柄で感染します。日本人の5〜7割が単純ヘルペスウイルス1型に感染し、10人に1人は口唇ヘルペスにかかったことがあるとされています。
子供の頃に感染し、風邪、疲労、睡眠不足、ストレス、多忙、月経、強い紫外線などで抵抗力が落ちるとウイルスが活性化して発症します。
口唇ヘルペス
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口唇ヘルペスの経過
口唇ヘルペスは再発と回復を繰り返します。単純ヘルペスウイルスに感染しても一度も発症しない人がいる一方で、1年に何度も発症する人も多くいます。
1) 初感染
多くの人は、子供の頃に単純ヘルペスウイルス1型に感染します。気付かないこともあります。
大人になってからの感染は症状が重いことが多く、再発を繰り返しやすい傾向があります。
2)潜伏感染
一度感染すると、単純ヘルペスウイルスは耳の近くにある「三叉(さんさ)神経節」に住み着きます。三叉神経節に潜伏している間は、症状はありません。
3)再発
抵抗力が落ちると単純ヘルペスウイルスが活性化して、神経に沿って移動して唇やその周辺に水ぶくれができます。痛がゆい状態が続き、水ぶくれが破れてかさぶたになると、1〜2週間で治ります。
●口唇ヘルペスの治療
口唇ヘルペスの治療は、歯科、口腔外科、皮膚科、耳鼻咽喉科、小児科でおこないます。潜伏するヘルペスウイルスを退治することはできませんが、抗ヘルペスウイルス薬を使用することで、ウイルスの増殖を抑えたり、症状を抑えたりすることはできます。
適切な処置をするのが早いほど、症状は軽くすみし、回復も早くなります。気付いたら早めに受診することが大切です。
口唇ヘルペスの治療で使用される主な薬
薬の名前(商品名) |
一般名 |
使用方法など |
アラセナ‐A軟膏 |
ビダラビン |
1日1〜4回塗布。使用しやすい。 |
ゾビラックス軟膏 |
アシクロビル |
1日数回、1週間塗布。使用しやすい。効果はアラセナとほぼ同じ。 |
ソラビックス |
1回1錠を1日5回服用。 |
バルトレックス |
バラシクロビル塩酸塩 |
1回1錠を1日2回。服用回数は少なく、効果が高いが高価。 |
アラセナ−A軟膏
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PIT療法(単純ヘルペス再発抑制療法)
1年に何度も再発する口唇ヘルペスで悩んでいる方も多くいます。PIT療法は次の再発に備えてあらかじめ受診して治療薬を処方してもらい、口唇ヘルペスの前兆を感じたらすぐに服用する治療です。
この治療により症状を軽くしたり、治るまでの期間を短縮できます。2019年にファムビル、2023年にアメナリーフが保険適応になりました。
ファムビルは前兆を感じてから6時間以内に4錠、12時間の間隔をあけて4錠を服用します。アメナリーフは前兆を感じてから6時間以内に1回だけ6錠を服用します。
●日常生活での注意事項
1)感染に注意します
感染力が強いため、口唇に触った後はすぐに手を洗います。口唇を触った手で目を触ると目に感染し、口唇に触れたタオルや食器をほかの人が触れると、その人が感染することがあります。マスクの着用も有効です。
新生児は免疫機能が未熟なため、アトピー性皮膚炎の人は皮膚のバリア機能が低下しているため、感染すると重症化しやすい傾向にあります。症状がでているときは、乳幼児との接触は避けるようにします。
2)水ぶくれは破らないようにします
水ぶくれの中の液体には単純ヘルペスウイルスが非常に多く、破ると感染が広がることがあるので注意します。
3)生活習慣に気を付けます
バランスの取れた食事、ストレスや過労を避ける、強い紫外線を避けるなど、生活習慣に気を付けます。
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