シェーグレン症候群の診断 横浜・中川駅前歯科クリニック
シェーグレン症候群の診断

シェーグレン症候群の診断基準

シェーグレン症候群の診断は、日本では厚生労働省が定めた診断基準が主に用いられます。下記4項目のうち2つ以上があてはまると、シェーグレン症候群と診断されます。


(1)生検病理組織検査で次のいずれかの陽性所見を認めること ドライマウス、ドライアイ

A)口唇腺組織で4mm²あたり1focus(導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤)以上

B)涙腺組織で4mm²あたり1focus(導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤)以上



(2)口腔検査で次のいずれかの陽性所見を認めること ドライマウス

A)唾液腺造影でStageⅠ以上の異常所見

B)唾液分泌量低下(ガム試験:10分間で10ml以下、またはサクソンテスト:2分間で2g以下)があり、かつ唾液腺シンチグラフィーにて機能低下の所見

唾液検査 唾液検査

関連するページ  ドライマウスの検査(唾液腺造影、ガム試験、サクソンテストほか)



(3)眼科検査で次のいずれかの陽性所見を認めること ドライアイ

A)シャーマー試験で5分間に5mm以下で、かつローズベンガル試験で陽性

B)シャーマー試験で5分間に5mm以下で、かつ蛍光色素試験で陽性



(4)血清検査で次のいずれかの陽性所見を認めること

A)抗Ro/SS-A抗体陽性   B)抗La/SS-B抗体陽性

血液検査 血液検査

赤字は当クリニックでおこなっている検査です。
※診断にあたっては、アメリカ・ヨーロッパ改定分類基準が用いられることもあります。


関連するページ シェーグレン症候群 シェーグレン症候群の治療 シェーグレン症候群 Q&A



生検病理組織検査
口唇腺(唾液腺)や涙腺のごく一部を採取して、顕微鏡で観察する方法。リンパ球浸潤 注1)があれば陽性と判定されます。涙腺は採取するのが難しいため、口唇腺を採取するのが一般的です。

生検病理組織検査 生検病理組織検査

注1)リンパ球浸潤:炎症のためリンパ球(白血球の一つ)が集まったもの。

関連するページ  ミクリッツ病(IgG4関連疾患、ミクリッツ病の診断)



シャーマー試験(シルマー試験、Schirmer test)
涙の量を測定する、ドライアイを調べる代表的な検査。細長い専用のろ紙を下まぶたに挟み込んで5分間おきます。ろ紙に涙で濡れた長さを測ります。

ドライアイの検査 シャ―マー試験



ローズベンガル試験
ローズベンガル液(赤い色素)という染色液を点眼して、角結膜の障害を調べる検査。涙液の分泌低下により角結膜が障害されると染色されます。



蛍光色素試験
フルオレセイン液(蛍光色素)という染色液を点眼して、角結膜の障害を調べる検査。涙液の分泌低下により角結膜が障害されると染色されます。



抗Ro/SS-A抗体、抗La/SS-B抗体
抗SS-A、抗SS-B抗体の「SS」は、シェーグレン症候群(Sjögren syndrome)の名称に由来します。血液検査でわかり、陽性反応が出るのは抗SS-A抗体で7割ほど、抗SS-B抗体で3割ほどです。

抗SS-A抗体は自己抗体 注1)のなかでは最も多く検出される抗体 注2)の一つです。シェーグレン症候群以外にも関節リウマチ、全身性エリトマトーデス、強皮症などで検出されることがあります。

抗SS-B抗体は単独で検出されることはまれで、抗SS-A抗体とともに検出されることが多い傾向があります。シェーグレン症候群に特徴的な抗体です。


シェーグレン症候群を含む全ての膠原病は、抗核抗体の陽性率は100%ではありません。抗核抗体が陰性であってもシェーグレン症候群と診断される方はいます。その他の膠原病においてもリウマチ性多発筋痛症、ベーチェット病、血管炎症候群、成人発症スティル病は抗核抗体は陰性が多く、診断の手助けにならないとされています。

注1)自己抗体(じここうたい):自分自身の組織や細胞を抗原(敵)とみなしてしまう抗体(防衛軍)。  注2)抗体(こうたい):毒素、ウイルス、細菌などの抗原(敵)が体内に入り込んだとき、それ(敵)を攻撃するために作られた物質(防衛軍)。



シェーグレン症候群の治療は、内科、膠原病内科、リウマチ科、眼科、皮膚科、小児科、歯科、口腔外科などでおこないます。当クリニックは、ドライマウス研究会、日本シェーグレン症候群学会に所属する歯科医師が在籍しています。


※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
  交通アクセス・駐車場案内図(横浜市都筑区、港北区など近隣よりご来院の方)
  青葉区・宮前区からのご来院(横浜市青葉区、川崎市宮前区からご来院の方)
  小田急線沿線からのご来院(東京都町田市、川崎市麻生区、多摩区などからご来院の方)
  横浜線沿線からのご来院(横浜市緑区、相模原市などからご来院の方)
  南武線沿線からのご来院(川崎市中原区、高津区などからご来院の方)
  広域路線図 広域道路地図(神奈川県、東京都からご来院の方)
  新幹線・飛行機でのご来院(神奈川県、東京都以外からご来院の方)




関連するページ  ドライマウス(口腔乾燥症)  シェーグレン症候群(Sjögren syndrome)