●
喘息とは
喘息(ぜんそく)とは、炎症によって気道が狭くなる病気です。炎症がおきているため気道は狭く、空気が通りにくくなっています。そのため、正常であれば何ともないホコリ、タバコ、アレルギー物質、強い臭い、ストレスなどの刺激でも気道が狭くなり、呼吸をすることが難しくなり、せき、息苦しさなどの症状がおきます。
排気ガスや工場排煙による大気汚染、食品や住宅建材の化学物質、過労やストレスの増加、清潔すぎる環境などにより、喘息の患者数は増加しています。
2017年に厚生労働省がおこなった調査では、治療を受けている患者数は111万人にもなり、治療を受けていない患者数を含めると450万人以上ともされています。
関連するページ 喘息と歯科治療 Q&A タバコ
●
歯科治療で注意すること
喘息があっても歯科治療は受けることはできますが、下記に注意する必要があります。また、
喘息であることや要望を伝えることが大切となります。
1)治療時期、時間帯
発作をおこす時期や時間帯は歯科治療は避け、体調のよい時期に受けるようにします。一般的には発作は秋、春、冬、夏の順に多く、季節の変わり目も多い傾向があります。また、1日のうちでは午前2時頃から早朝にかけての発作が多い傾向にあります。
喘息治療薬を服用している場合は服用を忘れず、必要に応じて歯科治療時は発作治療薬を持参するようにします。
2)診療室環境
ほこり、入れ歯や銀歯の削りカスなどで発作をおこすことがあるため、診療室内の換気を十分おこない、口腔外バキューム(吸引装置)を使用するなど、きれいな診療室での治療が望ましいといえます。
治療に使用する材料や薬の臭いにより、発作がおきることもあります。受診の際には喘息であることを伝え、喘息に配慮した治療をしてもらうようにします。
関連するページ 口腔外バキューム
3)治療時
長時間の治療、痛み、診療台を横に倒しての診療は、発作の原因となることがあります。治療時は我慢せずに、歯科医師や歯科衛生士に要望を伝えることも大切となります。
局所麻酔薬は不整脈がおきる可能性があるため、エピネフリンが入っていない使用することもあります。発作時にテオドール(テオフィリン)を使用している場合は、中毒症状があらわれるため、クラリス、クラリジットなどの一部の抗生物質は服用できません。
●
鎮痛薬
アスピリン喘息は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)といわれる鎮痛薬を服用するとおきる気管支喘息です。30歳以上で発症しやすく、成人喘息患者の10%前後にみられます。
アスピリン喘息があると治療時に処方されるロキソニン、ボルタレンといった多くの鎮痛薬は非ステロイド性抗炎症薬のため、服用ができません。
全ての鎮痛薬が服用できないわけではなく、立効散(漢方薬)、キョーリンAP2、カロナールなどは比較的安全性が高く、治療時の鎮痛薬として処方されます。
関連するページ 歯痛に効く市販の鎮痛剤 歯科医院で処方される鎮痛剤
●
口腔カンジダ症
吸入ステロイド薬は炎症を抑え、気道を広げる作用があるため、喘息の治療薬として常用されます。一方で吸入ステロイド薬の使用は、口内にカビが繁殖する病気「口腔カンジダ症」の原因となります。
吸入後に口内に残った薬をうがいによって洗い流せば問題はありませんが、うがいをおこなわなかったとき、うがいをしていても疲れなどで免疫力が低下したときに、口腔カンジダ症を発症します。
口腔カンジダ症を発症すると、口の中がヒリヒリ痛む、食べ物を口にしたときに痛む(接触痛)、食べ物の味を感じにくい(味覚障害)などの症状があらわれます。
自然に治ることもありますが、歯科医院での歯のクリーニング(歯の清掃)、薬の使用によって口腔カンジダ症を改善、治していきます。
関連するページ ステロイド療法 口腔カンジダ症 原因 治療 Q&A
当クリニックでは、喘息の方の歯科治療に対応しています。また、薬剤師が在籍して服薬指導(服薬相談)をおこなっています。ご不明な点等がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
交通アクセス・駐車場案内図(横浜市都筑区、港北区など近隣よりご来院の方)
青葉区・宮前区からのご来院(横浜市青葉区、川崎市宮前区からご来院の方)
小田急線沿線からのご来院(東京都町田市、川崎市麻生区、多摩区などからご来院の方)
横浜線沿線からのご来院(横浜市緑区、相模原市などからご来院の方)
南武線沿線からのご来院(川崎市中原区、高津区などからご来院の方)
広域路線図 広域道路地図(神奈川県、東京都からご来院の方)
新幹線・飛行機でのご来院(神奈川県、東京都以外からご来院の方)
関連するページ 全身のご病気、障害、こころの病気をおもちの方の歯科治療