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ステロイドとは
ステロイドは腎臓の上にある副腎から作られる副腎皮質ホルモンの一つです。ステロイドは体の炎症、免疫力、アレルギーを抑える作用があるため、様々な病気の治療に使用されています。
代表的なステロイド薬としては、プレドニゾロン、プレドニンがあり、短期間の使用であれば問題ないことが多いものの、長期間の使用では歯科治療において注意が必要なことがあります。
ステロイドが長期間使用されることがある病気
喘息/
関節リウマチ/アトピー性皮膚炎/
シェーグレン症候群/
ミクリッツ病/
筋ジストロフィー/
ベーチェット病 /
サルコイドーシス/クッシング症候群/
全身性エリテマトーデス(SLE)/
IgA腎症/
ネフローゼ症候群/
クローン病/
多発性筋炎・皮膚筋炎/
潰瘍性大腸炎/
強皮症/
高安動脈炎(高安病)/
がん/
白血病/
再生不良性貧血/
特発性血小板減少性紫斑病/
天疱瘡/
顔面神経麻痺/
巨細胞性動脈炎/
群発頭痛/
光線過敏症
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虫歯、歯周病 虫歯になりやすく、歯周病が進行しやすい
ステロイドは免疫力を抑える作用があるため、長期間使用していると虫歯になりやすく、歯周病が進行しやすい傾向にあります。また、ステロイドには炎症を抑える作用があるため、歯周病が進行していても歯肉は腫れにくく、痛みがでにくく、自覚症状があらわれにくい傾向にあります。
毎日の歯みがきをしっかりおこなうだけでなく、定期的に歯科医院に通院して検診を受け、虫歯や歯周病の予防処置をおこなうことが大切となります。
関連するページ 歯科検診 虫歯 歯周病
●抜歯、歯周外科手術、インプラント手術 治療後に感染しやすい、傷の治りが遅い
ステロイドの長期使用は、抜歯、歯周病の外科手術、インプラント手術後に細菌感染をおこしやすく、傷を治りにくくさせます。そのため、治療前後に抗生物質を通常よりも長く服用したり、消毒を歯科医院で頻繁におこなうなどの対応がとられます。
医師と歯科医師が連携と取り、必要に応じてステロイドの増量(ステロイドカバー)をおこなってから、抜歯や手術をおこなうこともあります。
関連するページ インプラント
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副腎クリーゼ 歯科治療によるストレスが加わると発症することがある
副腎クリーゼ(急性副腎不全)とは、副腎の機能が大幅に低下した状態です。副腎クリーゼをおこすと、血圧低下、低血糖、高熱、けいれん、意識障害などの症状があらわれることがあり、生命に危険が及ぶこともあります。
ステロイドを長期、大量使用していた人が減量や中止をしたとき、副腎皮質ホルモンの分泌が減ったときに、歯科治療のストレスが加わると、副腎クリーゼがおきることがあります。
歯科治療前に決められたステロイドを服用することが、副腎クリーゼの予防となります。
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口腔カンジダ症 免疫力低下により、カビが繁殖する病気を発症しやすい
ステロイドは免疫力を低下させ、口内にカビが繁殖する病気「口腔カンジダ症」を発症しやすくなります。
カンジダが繁殖すると、口内がヒリヒリ痛む、食べ物を口にしたときに痛む(接触痛)、食べ物の味を感じにくい(味覚障害)などの症状があらわれます。自然に治ることもありますが、主に薬の使用よって口腔カンジダ症を改善、治していきます。
関連するページ 口腔カンジダ症 原因 治療 Q&A
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ステロイド性骨粗鬆症 あごの骨が腐ることがある
ステロイド薬は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の原因となります。長期間ステロイド薬による治療を受けている人の30〜50%に骨折がおきるとの研究報告もあります。
骨減少率は最初の数ヶ月は8〜12%、その後は年2〜4%の割合で減少するとされ、骨密度の減少を防ぎ、骨折のリスクを低下させるために骨粗鬆症の薬が使用されます。
骨粗鬆症の薬を使用しているときに、抜歯などの出血を伴う治療をおこなったり、合わない入れ歯を使用していたり、口内が汚れていると、あごの骨が細菌に感染し、腐ってしまう病気「顎骨壊死(がっこつえし)」をおこすことがあります。
顎骨壊死は合わない入れ歯の調整をおこなう、口内を清潔に保つ等により予防します。
関連するページ 骨粗鬆症と歯科治療 Q&A 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死 Q&A
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関連するページ 全身のご病気、障害、こころの病気をおもちの方の歯科治療