●サルコイドーシスとは
サルコイドーシスは、皮膚、筋肉、肺、眼(緑内障)、心臓などに炎症ができ、肉のかたまりのような組織(肉芽腫)がつくられ、正常な機能が損なわれる病気です。全身のどの臓器にもおこり、発熱、疲れやすい、息切れといった症状のほか、咳、眼のかすみ、不整脈など発症した臓器に関連した症状があらわれます。
首や頬の腫れ、口内のできもの、ドライマウス(口腔乾燥症)を訴えて歯科医院に来院、その後の検査でサルコイドーシスと診断されることもあります。国内患者数は2.6万人、20~30歳代と50~60歳代に発症のピークがあります。
自然に治ることもあるため、治療をおこなわずに様子をみていくこともありますが、治療では炎症を抑えるためにステロイド薬による治療がおこなわれます。
当クリニックはサルコイドーシスを含む特定医療費(指定難病)助成制度の指定医療機関です。
関連するページ 白内障・緑内障の方の歯科診療
●サルコイドーシスと歯科
ドライマウス、口唇炎、顔面神経麻痺のほか、治療で使用される薬のため、虫歯や歯周病になりやすい、抜歯の際に感染しやすい、傷の治りが遅いなどの影響があります。
1)ドライマウス
唾液腺の機能障害がおきることがあり、機能障害によって唾液の分泌が減少する病気であるドライマウス(口腔乾燥症)を発症することがあります。ドライマウスを発症すると、食事や話がしくい、虫歯になりやすいなどの症状があらわれます。
関連するページ ドライマウス(口腔乾燥症)
2)口唇炎
口唇が腫れるものの、痛みはなく、ステロイド薬の服用などにより改善します。
関連するページ 口内炎・口唇炎
3)顔面神経麻痺
症状の一つとして神経に障害があり、顔面神経麻痺を発症することがまれにあります。顔の半分もしくは一部が動かせない、舌が痛い、食べ物の味がしない(味覚障害)、唾液が出ない(ドライマウス)などの症状があらわれます。顔面神経麻痺はステロイド治療により改善されます。
関連するページ ステロイド療法をお受けになられている方の歯科治療
4)虫歯、歯周病
サルコイドーシスの治療では、ステロイド薬による治療がおこなわれます。長期間使用していると虫歯になりやすく、歯周病が進行しやすい傾向にあります。そのため、歯科医院での定期的な歯のクリーニングなど、十分な予防処置が必要となります。
関連するページ 歯科検診 虫歯 歯周病
5)口腔カンジダ症
ステロイド薬の影響により、口内にカビが繁殖する病気「口腔カンジダ症」を発症しやすくなります。カンジダが繁殖すると、口の中がヒリヒリ痛む、食べ物を口にしたときに痛む(接触痛)、食べ物の味を感じにくい(味覚障害)などの症状があらわれます。薬の使用により治療をおこないます。
関連するページ 口腔カンジダ症 原因 治療 Q&A 味覚障害
6)抜歯、歯周外科手術、インプラント手術
ステロイド薬の影響により、抜歯後、手術後に感染しやすくなるほか、傷の治りが悪くなる傾向があります。そのため、これらの治療をおこなうときは、十分な感染予防が必要となります。
7)顎骨壊死
ステロイド薬を長期間使用していると骨折のリスクが高まるため、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の薬を使用することがあります。
骨粗鬆症の薬を使用しているときに抜歯などの出血を伴う治療をおこなったり、合わない入れ歯を使用していたり、口内が汚れていると、あごの骨が細菌に感染し、腐ってしまう病気「顎骨壊死(がっこつえし)」をおこすことがあります。
関連するページ
当クリニックではサルコイドーシスの方の歯科治療をおこなっています。サルコイドーシスの方の歯とお口の健康、歯科治療について、ご不明な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。
※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
交通アクセス・駐車場案内図(横浜市都筑区、港北区など近隣よりご来院の方)
青葉区・宮前区からのご来院(横浜市青葉区、川崎市宮前区からご来院の方)
小田急線沿線からのご来院(東京都町田市、川崎市麻生区、多摩区などからご来院の方)
横浜線沿線からのご来院(横浜市緑区、相模原市などからご来院の方)
南武線沿線からのご来院(川崎市中原区、高津区などからご来院の方)
広域路線図 広域道路地図(神奈川県、東京都からご来院の方)
新幹線・飛行機でのご来院(神奈川県、東京都以外からご来院の方)
関連するページ 糖尿病、腎臓病、認知症、がんなど全身のご病気をおもちの方の歯科治療