天疱瘡(てんぽうそう)とは

天疱瘡は、皮膚に水ぶくれ(水泡)ができる病気です。最初に口内の粘膜に水ぶくれができることが多く、そのため歯科を受診する人が多い傾向にあります。

大きなただれができる尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)、小さな水ぶくれができて剥がれ落ちる落葉性天疱瘡(らくようせいてんぽうそう)、そのほかに紅班性天疱瘡(こうはんせいてんぽうそう)、増殖性天疱瘡、薬剤性天疱瘡などがあります。

ステロイド薬が使用されるようになって致死率が改善された病気ですが、今でも最も多い尋常性天疱瘡の場合で致死率は5~10%となっており、命にかかわる病気となっています。

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天疱瘡の患者像

日本国内には3000~4000人の患者さんがいるとされています。

厚生労働省がおこなった2503人の患者さんの分析結果によると、女性に多く(男:女=1:1.5)、年齢は60歳代が最も多く、発症年齢は50歳代が最も多いという結果でした。

天疱瘡の種類では、尋常性天疱瘡が最も多く65%を占め、次いで落葉性天疱瘡が23%、紅班性天疱瘡が4%、増殖性天疱瘡が2%でした。



天疱瘡の症状

1)尋常性天疱瘡
天疱瘡の中では最も多く、口の中の粘膜が広範囲にただれ、痛みがあり、食事が十分にできないことがあります。全身が赤くなったり、水ぶくれがたくさんでき、重いやけどをしたようになり、皮膚から大量の水分が失われたり、感染をおこすことがあります。

50%以上の人は口の中の粘膜が最初の症状となっているため、歯科医院に受診する人も多く、口腔扁平苔癬、ヘルペス、ベーチェット病、クローン病などとの鑑別が必要となります。4週間以上続く口の中の粘膜の病変は、天疱瘡を疑う必要があるとされています。

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2)落葉性天疱瘡
全身に水ぶくれができたり、ただれたりしますが、口の中の粘膜は問題が生じることはほとんどありません。


3)紅班性天疱瘡
落葉性天疱瘡の局所型。顔が左右対称に赤くなります(蝶形紅斑)。



天疱瘡の診断基準

天疱瘡の診断は下記が使用されます。診断は皮膚科、耳鼻咽喉科などの医療機関でおこないます。


(1)臨床的診断項目
1.皮膚に多発する,破れやすい弛緩性水疱
2.水疱に続発する進行性,難治性のびらん,あるいは鱗屑痂皮性局面
3.口腔粘膜を含む可視粘膜部の非感染性水疱,あるいはびらん
4.ニコルスキー現象陽性

(2)病理組織学的診断項目
表皮細胞間接着障害(棘融解acantholysis)による表皮内水疱を認める。

(3)免疫学的診断項目
1.病変部ないし外見上正常な皮膚・粘膜部の細胞膜(間)部にIgG(ときに補体)の沈着を直接蛍光抗体法により認める。

2.血清中に抗表皮細胞膜(間)IgG自己抗体(抗デスモグレインIgG自己抗体)を間接蛍光抗体法あるいはELISA法により同定する。

[判定及び診断]
1.(1)項目のうち少なくとも1項目と(2)項目を満たし、かつ(3)項目のうち少なくとも
1項目を満たす症例を天疱瘡とする。

2.(1)項目のうち2項目以上を満たし、(3)項目の1、2を満たす症例を天疱瘡とする。




天疱瘡の治療

何も治療しなければ高率で死亡する病気のため、治りにくい口内炎や身体に水ぶくれができた時は、医療機関に受診することが大切です。

治療は主にステロイド薬を使用します。尋常性天疱瘡は落葉性天疱瘡に比べると治りにくく、経過が悪い傾向にあります。ステロイド薬が使用される前は、尋常性天疱瘡の致死率は90%以上でしたが、ステロイド薬の使用により致死率は大幅に低下しました。そのほか、免疫抑制剤の使用、血漿交換療法がおこなわれます。

中等症、重症の天疱瘡は、最初の段階で治療を強めにおこない、病気の勢いを押さえる必要があるため、入院が必要となります。入院期間は1~3ヶ月ほどかかります。

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当クリニックでは、口内炎の治療をおこなっています。難治性口内炎で天疱瘡の疑いのある場合は、適切な医療機関をご紹介させて頂いております。



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