糖尿病は、尿に糖がでることからつけられた病気です。糖尿病になると、血液中のブドウ糖の量を示す「血糖値」が高くなり、全身にさまざまな病気をもたらします。
過食、肥満、運動不足、ストレスなど生活習慣の変化により、糖尿病にかかっている人は増加しています。一方で、自分が糖尿病にかかっていることに気付かない人も多くいます。
厚生労働省の調査では、
糖尿病の患者数は1000万人以上とされています。加齢とともに患者数は増加し、糖尿病が強く疑われる人は
日本人男性の18%、女性の9%にもなります。
糖尿病が強く疑われる人の割合※1
●
糖尿病と歯周病※2
神経障害、網膜症、腎症は糖尿病の3大合併症のほか、心疾患、脳卒中、
歯周病が代表的な合併症となっています。
糖尿病の人は歯周病にかかりやすく、糖尿病の症状が悪いほど歯周病の症状も悪化、歯周病の治療をおこなうと糖尿病の症状が改善することが明らかにされています。
糖尿病にかかっている人は、歯周病の症状が悪化するほど、糖尿病の合併症(心疾患、腎症)などで死亡する割合が高まることが明らかにされています。
糖尿病患者における死亡率
※1000人あたりの死亡者数
関連するページ 糖尿病と歯科 Q&A 歯周病治療と糖尿病
●糖尿病が歯肉に及ぼす影響※3
歯周病と糖尿病はお互いに症状を悪化させあいます。代表的な研究
※2によると、糖尿病の人は糖尿病でない人に比べると、2.6倍も歯周病にかかりやすいとのことです。糖尿病が歯肉に及ぼす影響としては下記があげられます。
1)唾液の減少
糖尿病にかっている人の30%前後が、唾液が少ないドライマウス(口腔乾燥症)になっていると
されています。唾液の減少は歯周病を悪化させる原因になります。
関連するページ 唾液の働き ドライマウス(口腔乾燥症)
2)口の中の糖の増加
糖尿病によって血糖値が高くなると、唾液や歯肉のブドウ糖の量も増えます。細菌にとってブドウ糖は非常に利用しやすい栄養源です。結果として細菌の活動は活発化し、歯肉に悪影響を及ぼします。
3)白血球機能の低下
白血球は歯周病菌と戦い、退治する役目を持っています。糖尿病の進行により白血球の機能が低下すると、歯周病菌に対する歯肉の防御機能も低下して、歯周病が悪化しやすくなります。
関連するページ 歯周病菌ってどんな菌?
4)血行不良
糖尿病が進行すると、末端の小さな血管の血液の通り道が細くなり、血行不良がおきて、歯肉への栄養補給や修復機能が低下します。
5)コラーゲンの合成障害
コラーゲンは歯肉の主要な構成成分ですが、糖尿病により血糖値が高くなると、コラーゲンがつくられるのが妨げられ、歯肉の破壊が進むことがあります。
※1 2018年国民健康・栄養調査(厚生労働省)、2017年患者調査(厚生労働省) ※2 Saremi A, Nelson RG, Tulloch-Reid
M, Hanson RL, Sievers ML, Taylor GW, Shlossman M, Bennett PH, Genco R,
Knowler WC. Periodontal disease and mortality in type 2 diabetes. Diabetes
Care.;28(1):27-32. ※3 Nelson RG, Shlossman M, Budding LM, Pettitt DJ,
Saad MF, Genco RJ, Knowler WC : Periodontal disease and NIDDM in Pima Indians.
Diabetes Care,13:835-840.
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