これまでは、新型コロナウイルスは口、鼻から体内に入った後に、気道、肺に移動して肺炎をおこすと考えられていた。 しかしながら、歯周ポケットに多数の新型コロナウイルスが見つかること、感染者の肺のレントゲン写真などから、新型コロナウイルスは歯肉の血管から侵入して肺に移動するのではないか。 歯周病菌が歯肉の血管から入り心臓発作をおこすことは知られており、歯周病治療をおこなったり、口内を清潔にしていくことが、新型コロナウイルスの歯肉への侵入を防ぎ、感染予防につながることが期待できる。 口腔―血管―肺の感染経路モデル Lloyd-Jones G The COVID-19 Pathway: A Proposed Oral-Vascular-Pulmonary Route of SARS-CoV-2 Infection and the Importance of Oral Healthcare Measures. J Oral Med and Dent Res. 2(1):1-25. |
追記)2021年5月5日
カタール大学(カタール)、マギル大学(カナダ)、マドリード大学(スペイン)の研究者が、2021年1月にヨーロッパ歯周病学会の学会誌「Journal
of Clinical Periodontology」に発表した研究論文の要旨です。学会では動画を2021年4月に公開して警鐘を鳴らしています。
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追記)2020年12月17日
サンデー毎日(2020年12月20日号)では、「トラベルより、イートよりGoTo歯医者!」との特集を組み、新型コロナウイルスの感染予防のために、歯科医院に通院することを呼びかけました。
イギリス、スイスなどで発表された研究論文をもとにした記事で、同様の内容は多数のメディアから報道されています。
追記)2020年7月24日
イギリス・ケンブリッジ大学の研究者らが、2020年6月末に「ブリティッシュ デンタル ジャーナル」に発表した研究論文の要旨です。新型コロナウイルス感染症については未知な面が多々あるものの、同様の研究論文は2020年夏頃から世界で発表され始めています。
1918年に大流行したスペイン風邪(新型インフルエンザ)も2009年に流行した新型インフルエンザも、主な死因はウイルスではなく細菌感染だった。新型コロナウイルス感染症による死亡リスクの増加には、口内細菌や歯周病も関与する。 合併症には肺炎、血栓、敗血症、急性呼吸窮迫症候群があり、これらの合併症は歯周病菌などの細菌が関与する。重症の新型コロナウイルス感染症患者は細菌感染している。 重症の新型コロナウイルス感染症患者の肺には、口内細菌が多数存在しており(下図)、口内を清潔、健康にすることは合併症のリスクも下げる可能性がある。 Could there be a link between oral hygiene and the severity of SARS-CoV-2 infections? British Dental Journal volume 228,971–975 2020 |