コロナワクチン接種前後の歯科治療 横浜・中川駅前歯科クリニック
2021年2月から医療従事者、4月から高齢者を対象に新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。ワクチン接種前後の歯科治療においては、下記に注意していく必要があります。

新型コロナウイルス感染症について



コロナワクチン接種前の歯科治療

ワクチン接種は体調のよいときに受ける必要がありますが、通常の歯科治療はワクチン接種前においても受診を控える必要はありません。

一方で、歯肉に埋まっている親知らずの抜歯など身体への負担の大きな歯科治療は、負担の大きさによってワクチン接種前は避けるようにします。個別の対応についてはかかりつけの歯科医師にご相談ください。


ワクチン接種前は控えた方がよい歯科治療
歯肉に埋まっている親知らずの抜歯/歯周病の外科手術/インプラント手術/腫瘍、嚢胞摘出手術 ほか

ワクチン

関連するページ  新型コロナウイルス感染症に関する相談窓口、情報サイト(ワクチン接種)


コロナワクチン接種と口腔外科手術のタイミング(2021年6月追記)
2021年6月に日本口腔外科学会が「重要なお知らせ」として下記内容を発表しました。


親知らずの抜歯などの口腔外科手術は、手術後1週間以降に歯科医師が経過を確認したうえでワクチン接種が可能かを判断する。

ワクチン接種後であれば、接種後3日以上経過して副反応が軽ければ、抜歯などの口腔外科手術は可能。

ワクチン接種日には、口腔外科手術による抗生物質や痛み止めの薬は服用しないほうが望ましい。

緊急性のある手術はいつでもおこなうべき。




コロナワクチン接種後の歯科治療

ワクチンを接種してから1週間ほどは、副反応がみられることがあります。特にワクチン接種をした当日から翌日にかけては、副反応がみられやすい傾向があります。

現在のところ、日本で接種できるワクチンはファイザー製のワクチンのみとなっていますが、下図はファイザー製ワクチンの副反応の頻度です。2回目の接種後は副反応がみられやすい傾向があります。

歯科治療の予約をおこなう際は、ワクチン接種日当日から翌日にかけての予約は避け、可能であれば1週間ほどは予約は避けた方がよいでしょう。


副反応
CDC(アメリカ疾病予防管理センター). COVID-19 vaccine safety update.January 27, 2021

関連するページ  コロナワクチン接種と歯科診療 Q&A



コロナワクチン接種後に顔、口にあらわれる副反応

1.海外での報告
コロナワクチン接種後に顔、口にあらわれる副反応は極めてまれですが、急性末梢顔面神経麻痺(ベル麻痺)、顔、唇、舌の腫れが欧米を中心に報告されています。

1)急性末梢神経麻痺(ベル麻痺)
顔面神経が機能不全となり、顔の片側の神経が麻痺したり、筋肉が低下します。顔面が垂れ下がり、味覚障害もおきますが、治療をしなくても自然と治ることがほとんどとなっています。7.3万人のコロナワクチン接種で7例にあらわれたとの報告もあります。

2)顔面の腫れ、むくみ
顔面に美容注射を受けた人の腫れが報告されています。

3)そのほか
口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)、天疱瘡(てんぽうそう)を発症したとの報告があります。コロナワクチンに限らず、インフルエンザ、B型肝炎、帯状疱疹のワクチンを接種してから2週間以内の口腔扁平苔癬の発症が報告されています。


2.国内での報告
国内19190人のコロナワクチン接種の報告(2021年4月末現在、全てファイザー製)では、全て回復していますが3例の比較的重い副反応疑いの報告があります。そのほかに、口やのどの痛み(口腔咽頭痛)や不快感(口腔咽頭不快感)の報告がありました。

  1回目の接種後 2回目の接種後
口腔咽頭痛 166例(0.8%) 222例(1.2%)
口腔咽頭不快感 59例(0.1%)


症状 年齢
性別
経過
口内のアレルギー反応 不明 接種日に発症、5日後に回復 
三叉神経障害 40代
女性
接種翌日(2月23日)に発症、4月12日に回復
顔面神経麻痺 20代
女性
2月22日接種、3月9日発症、25日に回復



●ワクチン接種後の感染予防

ワクチン接種によって新型コロナウイルス感染症の感染リスクは大幅に低下しますが、全く感染しないわけではありません。

ワクチン接種後においても、これまでのマスク、手洗いと並んで、虫歯や歯周病の治療、歯のクリーニング(清掃)など、感染予防のための歯科治療は引き続き重要となります。

診察

関連するページ  第2波、第3波に対するお口の備え



コロナワクチン接種前後の歯科治療
(2021年10月13日更新)