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パッチテストとは
パッチテストとは、歯科治療に使用される金属に対応した絆創膏(ばんそうこう)を皮膚に貼り、どの金属にアレルギーがあるかを調べる検査です。
歯科材料、日常生活用品、食品の中に含まれる金、銀、銅、プラチナなどの金属について調べることができます。
パッチテスト
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●パッチテストの流れ
1)アレルギーの可能性のある金属に対応した絆創膏を背中に貼ります。
2)2日後に絆創膏を剥がします。金属アレルギーの有無を判定します。
3)3日後、7日後、場合によっては14日後にも、金属アレルギーの有無を判定します。
パッチテスト試薬 パッチテスト結果
【パッチテストの際の注意点】
金、パラジウムは、2割の人が1週間後のみに陽性反応があらわれたとの研究報告があります。一部の金属は1週間後に初めて陽性反応があらわれることから、可能であれば1週間後までの検査をおすすめします。ジャパニーズスタンダードアレルゲンとして4種類の金属のみを検査して来院される患者様がいますが、17種類の検査をおすすめします。
●当クリニックでおこなっているパッチテスト
当クリニックでは、金、銀、銅、亜鉛、水銀、ニッケル、クロムなど、19種類の金属のパッチテストをおこなっています。
パッチテストの金属
アルミニウム |
コバルト |
金 |
亜鉛 |
パラジウム |
マンガン |
銀 |
水銀 |
インジウム |
プラチナ |
銅 |
すず |
イリジウム |
ニッケル |
鉄 |
チタン |
クロム(3価) |
クロム(6価) |
タンタル |
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費用
1金属 300円 19種類 3800円
初診時は、原則としてパッチテストはおこなっておりませんのでご了承ください。また、歯科金属アレルギー治療の一環として、パッチテストをおこなっています。パッチテストのみの診療はできませんのでご了承ください。
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●当クリニックのパッチテストに対する考え
パッチテストは当クリニックでもおこなっておりますが、皮膚科(アレルギー科、内科)でのパッチテストをおすすめしています。
皮膚科でのパッチテストをおすすめしているのは、(1)皮膚疾患に関しては歯科よりも皮膚科のほうがより専門であること、(2)皮膚科への受診により金属アレルギーではない皮膚疾患であると診断されることがあること、(3)歯科でのパッチテストは健康保険適応外ですが、皮膚科でのパッチテストは健康保険が適応(検査費用が安く済む)になるからです。
当クリニックでパッチテストを実施されている方は、休診日が少なく、診療時間が長い(夜9時まで診療)ので通院しやすいためにおこなっているケースです。また、パッチテストの実施は、当クリニックで金属アレルギー治療(原因除去療法)をお受けになられる方に限らせていただいております。
なお、金属のパッチテストにつきましては、残念ながらおこなっている医療機関は、ごく一部に限られています。パッチテストをおこなっている医療機関が見つからない患者様も多いようです。症状を診させていただいた後に、医療機関をご紹介することも可能です。
●パッチテスト以外の検査方法 ※当クリニックではおこなっておりません。
1)内服誘発テスト(金属内服テスト)
微量の金属を飲み込んで症状をみる検査です。検査にあたっては、飲み込む金属の量が少ないと検査にならず、飲み込む金属の量が多すぎると胃腸などに症状がでてしまうほか、食べ物の中にも金属入っており、食事による影響を受けるため、難しい面が多くあります。
水銀など人体に影響の大きい金属は検査をすることができず、主にニッケル、クロム、コバルト、亜鉛、金に対して検査をおこないます。安全を期するため、入院をして検査をおこなうこともあります。
日本ではほとんど実施されていませんが、海外では北ヨーロッパを中心にかなりまとまった研究結果が発表されています。
2)リンパ球刺激試験(Lymphocyte stimulating test、LST)
血液の中にあるリンパ球に金属を加えて反応をみます。内服誘発テストとは異なり、採血するだけですので危険性はありません。2008年に健康保険が適応になりました。
パッチテストに比べると検査できる金属が限られます。現在までにコバルト、クロム、ニッケル、水銀など10種類ほどの金属の検査報告があります。
血液採取が1試薬あたり5mlと多いこと、また、金属アレルギーとは関係なくても、金属そのものにリンパ球を刺激する作用があり、誤って陽性反応がでてしまう欠点もあります。
ある歯科大学の研究者がおこなった調査では、金、パラジウム、コバルト、クロムの正確性は高いものの、水銀、ニッケル、亜鉛、スズは正確性に欠けるという結果となりました。
3)ELISA法 (Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay、イライザ法)
体内の抗原、抗体の濃度を調べる検査。特定の金属にアレルギーのある人におこなわれており、現在の検査技術は複数の金属アレルギー検査をおこなうには至っていません。
4)毛髪ミネラル検査
髪の毛から体内の金属量を測定する検査。体内の金属量を測定するだけで、金属アレルギーの有無はわかりません。また、基準値もあいまいで、金属アレルギー治療の検査としては科学的根拠に乏しいものとされています。
そのため、金属アレルギーの判定には適さないとされています。
5)O−リングテスト
指で輪をつくり、患者さんと歯科医師等の診断者が指の輪を引っ張り、輪が離れるかどうかで診断する検査。このとき、患者さんの空いた方の手で有害な金属等の物質を持つと、指の力が弱まりオーリングが離れるとされています。
アメリカ在住の日本人医師により1977年頃に考案され、日本でも診療に取り入れている医師、歯科医師もいます。正式には、バイデジタル・オーリングテスト(Bi-Digital
O-Ring Test)といいます。
オーリングテスト
※歯科金属アレルギー治療をご希望の方は、お手数ですが事前にご予約ください。
※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
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