歯科治療で使用される金属は、いくつもの金属を混ぜ合わせた合金です。細かな成分は製品によって異なります。
金属はインレー(部分的な金属のつめもの)やクラウン(金属で歯をかぶせたもの)に使用されるほか、入れ歯、インプラント、矯正装置、セメント(歯に金属をつける接着剤)などにも使用されています。
●歯科治療で使用する金属
金合金
保険適応外の金属です。金を主成分として、銀、銅、プラチナ、パラジウムなどを含有しています。金は他の金属とよく溶け合うため、極めて多くの金合金が作られています。
関連するページ ゴールド(金合金)
金銀パラジウム合金
歯科治療で最も使用されている、健康保険適応の金属です。銀を主成分とし、金、銅、亜鉛、パラジウム、インジウム、イリジウムなどを含有しています。
銀合金
健康保険適応の金属です。銀を主成分とし、亜鉛、スズ、パラジウム、インジウム、イリジウムなどを含有しています。強度が弱く短期間で酸化、腐食し、黒色に変色します。
アマルガム合金
健康保険適応の金属です。水銀が含まれている合金です。水銀といっても水俣病の原因となった水銀とは異なります。他に銀、スズ、銅などを含有しています。健康保険適応ですが、現在ではあまり使用されていません。
関連するページ アマルガム合金 アレルギーをおこしやすい金属
その他
白金加金、純チタン、チタン合金、ニッケルチタン合金、ニッケルクロム合金、コバルトクロム合金、ガリウム合金、アルミニウム合金などが使用されています。
関連するページ 矯正治療と金属アレルギー チタン
歯科金属の成分※1
合金名 |
金 |
銀 |
銅 |
プラチナ |
パラジウム |
亜鉛 |
ニッケル |
コバルト |
クロム |
スズ |
水銀 |
その他の成分 |
金合金 |
○ |
○ |
○ |
× |
△ |
△ |
× |
|
|
× |
|
インジウム
イリジウム
など |
金銀パラジウム合金 |
○ |
○ |
○ |
|
○ |
○ |
|
|
|
△ |
|
銀合金 |
× |
○ |
× |
× |
△ |
○ |
|
|
|
△ |
|
アマルガム合金 |
|
○ |
○ |
|
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|
|
|
○ |
○ |
|
ニッケルクロム合金 |
× |
|
△ |
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|
|
○ |
× |
○ |
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|
マンガンなど |
コバルトクロム合金 |
|
|
|
|
|
|
× |
○ |
○ |
|
|
○:90%以上の製品に含まれる △:40〜89%の製品に含まれる ×:1〜39%の製品に含まれる
●歯科金属の使われ方
最も使用頻度の高い金属である金銀パラジウム合金は、インレー(部分的なつめ物)、クラウン(金属で歯をかぶせたもの)、ブリッジに使用されています。銀合金は、インレーやクラウンのほか、ポスト(さし歯の土台)として使用されています。
歯科金属の分類と主な用途※1
合金名 |
主な用途 |
金合金 |
インレー(部分的なつめ物)/クラウン(金属で歯をかぶせたもの)/ブリッジ/メタルボンド(セラミックスのかぶせ物)/金属床(金属の入れ歯) |
金銀パラジウム合金 |
インレー/クラウン/ブリッジ |
銀合金 |
インレー/クラウン/ポスト(さし歯の土台) |
アマルガム合金 |
充填(つめ物) |
ニッケルクロム合金 |
クラウン/ブリッジ/メタルボンド/乳歯冠 |
コバルトクロム合金 |
矯正線/金属床 |
チタン合金 |
矯正線/インプラント/金属床 |
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●製品による違い
同じ合金であっても、製品によって含有している金属や組成は異なります。
例えば、金銀パラジウム合金は数十種類もの製品が販売されていますが、製品によって含有している金属や組成が大きく変わります。インジウムやスズが含有している製品もあれば、含有していない製品もあります。また、銀の割合も製品によって47〜58%と、ばらつきがあります。
主な金銀パラジウム合金※2
製品名 |
会社名 |
金 |
銀 |
銅 |
亜鉛 |
パラジウム |
イリジ゙ウム |
インジウム |
スズ |
ガリウム |
キャストウェルMC12% |
GC |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
○ |
|
|
キンパラE |
石福 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
|
|
パラゼット12 |
山本 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
○ |
トーワキンパラ12 |
トクヤマ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
○ |
○ |
|
金銀パラジウム合金の組成※1
金 |
銀 |
銅 |
パラジウム |
12〜20% |
47〜58% |
10〜18% |
20% |
※1 庄司昭伸(大阪回生病院皮膚科)、大島浩(大阪歯科大学):生活環境中の金属 アレルギーの臨床NO.311 ※2 メーカー公表資料による
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