●生活習慣と歯周病
歯を失う最も大きな原因である歯周病。歯周病は細菌による感染症ですので、発症や進行には「歯肉の免疫力」と「歯周病菌」が関係しています。
「歯肉の免疫力」とは、歯肉の歯周病菌に対する防御機能のことをいいます。高齢になるにつれ、様々な要因によって防御機能が低下して、歯肉は衰えていきます。
口の中で「歯肉の免疫力」と「歯周病菌」とのバランスが安定していれば、歯肉は健康な状態を維持できます。
しかしながら、「歯肉の免疫力」が変わらなくても「歯周病菌」が増加すれば、バランスは崩れ歯周病は発症、進行していきます。
口の中の歯周病菌を増やさないためには、毎日しっかり歯をみがいたり、歯科医院での歯周病の予防処置(クリーニングなど)や治療をおこなうことが大切です。
歯周病菌を減少させる要因
しっかりした正しい歯磨き/きれいな歯並び/正しい食生活/歯科医院での歯周病の予防処置(PMTC、歯のクリーニング)や治療
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「歯周病菌」が増加しなくても、「歯肉の免疫力」が低下すれば歯周病は発症、進行していきます。
歯肉の免疫力を低下させる原因としては、ストレス、タバコ、食生活などの生活習慣が密接に関わりあっています。糖尿病、骨粗鬆症、心臓病といった病気とも関係があります。
心身ともに健康に過ごすことは、「歯肉の免疫力」をつけ、歯周病を防ぐことにもつながります。
歯肉の免疫力を低下させる要因
タバコ/誤った食生活/不規則な生活/ストレス/年齢/遺伝/口呼吸/歯軋り/飲酒/全身の病気(糖尿病、腎臓病、癌、骨粗鬆症)/悪い歯並び/薬の副作用/不十分な睡眠/ドライマウス(口腔乾燥症)
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歯周病と全身とのかかわりについて タバコ 歯ぎしり ドライマウス 糖尿病 慢性腎臓病
歯周病を予防していくためには、口の中の清掃によって「歯周病菌」を増やさないだけでなく、生活習慣に注意して「歯肉の免疫力」を上げていくことが大切です。
●歯周病を進行させるリスク要因※1、2
大阪大学の研究グル―プがおこなった調査によると、ストレスのある人はない人に比べると1.5倍、喫煙者は喫煙していない人に比べると2.3倍、睡眠時間が短い人や長い人(睡眠時間7〜8時間以外)は2.1倍、40歳以上の人は40歳未満の人に比べると1.2倍も歯周病が進行するリスクが高いという結果となりました。
歯周病を進行させるリスク(オッズ比)
お酒をよく飲む人は、あまりお酒を飲まない人に比べると歯周病が進行しやすい傾向にあります。特にお酒に弱い人(主に飲むと顔が赤くなる人)は歯周病が進行しやすい傾向があります。
大阪大学の研究グループが調べたところ、お酒に弱い遺伝子をもつ人がお酒をよく飲むと、あまりお酒を飲まない人に比べて4.28倍も歯周病が進行するリスクが高いという結果となりました。
飲酒による歯周病進行のリスク(オッズ比)
※お酒をよく飲む人:1日1.5合程度の日本酒に該当する量を飲む人
※1 Kibayashi M, Tanaka M, Nishida N, Kuboniwa M, Kataoka K, Nagata H, Nakayama K, Morimoto K, Shizukuishi S. Longitudinal study of the association between smoking as a periodontitis risk and salivary biomarkers related to periodontitis. J Periodontol. 2007 May;78(5):859-67. ※2 Nishida N, Tanaka M, Sekine S, Takeshita T, Nakayama K, Morimoto K, Shizukuishi S. Association of ALDH2 genotypes with periodontitis progression. J Dent Res. 2010 Feb;89(2):138-42. Epub 2009 Dec 30.
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