健康保険適応の矯正治療 横浜・中川駅前歯科
健康保険適応の矯正治療

矯正治療をおこなう方のほとんどは、健康保険適応外で治療をおこなっています。しかしながら、一定の条件を満たせば、矯正治療は健康保険適応となります。



●特定の病気によるもの

厚生労働省が定める下記の病気を原因とする不正咬合は、矯正治療が健康保険適応となります。ただし、不正咬合以外に歩行困難、呼吸困難、難聴など全身の病気をもっていることが多く、矯正治療をおこなう人はあまりいません。

顎変形症(がくへんけいしょう)、唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)など、66の病気が認められており、健康保険で矯正治療がおこなわれます。


健康保険の矯正治療が適応になる病気
顎変形症/唇顎口蓋裂/鎖骨頭蓋骨異骨症/第1・第2鰓弓症候群/クルーゾン症候群/トリチャーコリンズ症候群/ダウン症候群筋ジストロフィー/軟骨形成不全症/骨形成不全症エーラスダンロス症候群/ラッセルシルバー症候群/ターナー症候群/尖頭合指症/外胚葉異形成症/ロンベルグ症候群/先天性ミオパチー/顔面半側肥大症/神経線維腫症/エリス・ヴァン・クレベルド症候群/ピエールロバン症候群/基底細胞母斑症候群/ベックウィズ・ヴィードマン症候群/ヌーナン症候群マルファン症候群/顔面裂/6歯以上の先天性部分無歯症 ほか

保険適応の矯正治療は使用できる材料に制限があり、マウスピース矯正(マウスピースを使用した新しい矯正治療)は使用できません。



●手術をおこなう矯正治療

著しい出っ歯(上顎前突)や受け口(反対咬合、下顎前突)などでは、通常の矯正治療だけでは、効果が期待できないことがあります。そのようなときは手術をおこないます。

手術はあごの成長が止まってからおこなうため16歳以上となります。「顎変形症」と診断されると手術及び手術前後の矯正治療は健康保険適応となります。


1)適応例
著しい出っ歯(上顎前突)や受け口(反対咬合、下顎前突)

上下の歯がかみ合わない不正咬合(開咬)

顔が曲がっている不正咬合(交叉咬合)


2)利点
ワイヤーを使用した通常の矯正治療よりも、大きな治療効果が得られます。

難しいケースにおいても、治療が可能となることがあります。

多くのケースにおいて健康保険が適応になります。


3)欠点
手術の際には、入院が必要となります。また、あごの骨を切る必要があります。

手術をおこなっているのは、ごく一部の病院のみとなっています。

手術前後のワイヤーを使用した矯正治療は金属製の装置(メタルブラケット)に限られます。透明の装置(クリアブラケット)や裏側からおこなう装置は、健康保険が適応になりません。

受け口(反対咬合、下顎前突)の手術により、睡眠中に呼吸が止まる病気「睡眠時無呼吸症候群」(国内患者数2200万人)を発症することがあります。

関連するページ  矯正装置の種類  いびきと睡眠時無呼吸症候群


4)治療の流れ
(1)ワイヤーを使用した矯正治療をおこない、歯並びをある程度整えます(6か月〜1年半)。

(2)2週間入院して、上あごや下あごの骨を切るなどの手術をおこないます。

(3)ワイヤーを使用した矯正治療をおこない、きれいな歯並びにします(6か月〜1年半)。


5)治療費用
矯正治療費は20〜30万円、手術費用(入院費用も含める)は20〜30万円ほどとなります。



●顎変形症の手術内容

日本顎変形症学会が、大学病院口腔外科(63施設)、大学病院矯正歯科(29施設)を含む189の施設に対しておこなった調査では、下記の結果となりました。


1)手術前の症状
手術前の症状は、下顎前突(かがくぜんとつ、受け口、反対咬合)が68%と圧倒的に多いという結果となりました。一方で、上顎前突(じょうがくぜんとつ、出っ歯)の割合は8%と低いものとなっています。

手術前の症状手術前の症状(症例数)


2)手術内容
手術では、下あごや上あごの骨を正しい位置に戻します。下顎枝矢状分割術が71%と圧倒的に多く、次いでルフォーT型骨切り術が27%、下顎枝垂直骨切り術が13%となっています。一部はいくつかの手術を併用しておこなわれました。

手術内容手術内容(症例数)


3)手術時間
手術時間は、下あごのみでは平均2時間43分、上下のあごの手術では平均4時間45分でした。



●顎変形症の手術方法

1)下顎枝矢状分割術
下あごの骨を内側、外側の2層に分割して後方(あるいは前方)に移動させる方法です。他の治療方法に比べると手術が容易であることから最も多く用いられます(1)。


2)ルフォーT型骨切り術
上あごの骨の成長が悪いために受け口になっている場合は、上あごの骨を切り取って前に出すことで改善させます(2)。


3)下顎枝垂直骨切り術
下あごの奥歯の一部を抜歯した後、抜歯した部位の骨を切り取って後方に移動させる方法です。歯の本数が少なくなること、下あごの神経や切り取る周辺の歯を痛めやすいため、難しい手術といえます(3)。

下顎枝矢状分割術1    ルフォーT型骨切り術2    下顎枝垂直骨切り術



健康保険適応の矯正治療は当クリニックではおこなっていませんが、ご相談、手術をおこなう医療機関のご紹介はおこなっております。ご来院の際にお気軽にお問い合わせください。



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