●混合性結合組織病とは
混合性結合組織病（ＭＣＴＤ）は、全身性エリテマトーデス（ＳＬＥ） 、強皮症 、多発性筋炎・皮膚筋炎の症状が混ざった病気として１９７２年に報告されました。女性が圧倒的に多く（男：女 １：１３～１６）、３０～４０歳代に発症し、国内患者数は１．１万人とされています。
冷たい、熱いといった刺激により指先が突然白く（あるいは紫色）になり、短時間でもとに戻る症状（レイノー症状）がおきるほか、手指の腫れ、関節炎、皮膚の硬化、筋力の低下などの症状があらわれます。
当クリニックでは混合性結合組織病の方の歯科治療をおこなっています。混合性結合組織病の方の歯とお口の健康、歯科治療について、ご不明な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。
当クリニックは混合性結合組織病を含む特定医療費（指定難病）助成制度の指定医療機関です。
関連するページ 全身性エリテマトーデス（ＳＬＥ） 強皮症 多発性筋炎・皮膚筋炎
●混合性組織結合病とお口の症状
混合性組織結合病を発症すると、虫歯になりやすい、口が開きにくい、口が渇くなどの症状があらわれます。
１）三叉神経障害
１０％の患者さんにみられ、主に下あごや上あごの感覚が鈍くなったり、ピリピリ、チクチクした痛み（神経障害性疼痛）、灼熱感、しびれのほか、舌の痛みやしびれ、味覚障害、発音障害などがみられることもあります。徐々に症状のある範囲は広がっていきます。
病気が診断される前、最初の症状としてあらわれることがあり、歯科受診をきっかけに病気がみつかることがあります。
関連するページ 神経障害性疼痛 味覚障害
２）開口障害、顎関節症
皮膚が硬くなるため、口が開きにくい症状があらわれます。口が開きにくいために、食べ物が食べにくかったり、歯みがきが不十分になったりします。あごの関節の痛み、あごがだるいといった顎関節症（がくかんせつしょう）の症状があらわれることがあります。
歯科治療も少々大変になります。当クリニックで診察させていただくと、奥歯の虫歯治療や入れ歯作製のための歯型とりで苦労されることが多い傾向にあります。
関連するページ 顎関節症
３）シェーグレン症候群
２５％の患者さんにみられ、唾液が少なくなり、口の渇きを感じやすくなるほか、食べ物が食べにくくなります。当クリニックで診察させていただくと、シェーグレン症候群を合併している患者様は、唾液の減少、開口障害などにより、虫歯が非常に多発しやすい傾向にあります。
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４）虫歯、歯周病
混合性組織結合病の治療では、炎症を抑えたり、硬くなった皮膚の改善のために、ステロイド薬や免疫抑制薬による治療がおこなわれます。これらの薬の長期間使用は、虫歯や歯周病の原因になることがあります。
そのため、歯科医院での定期的な歯のクリーニングなど、十分な予防処置が必要となります。
６％ほどの患者さんが免疫性血小板減少症を合併していたとの報告もあり、抜歯など出血を伴う歯科治療は注意が必要なこともあります。抜歯後の出血により、病気がみつかることもあります。
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５）口腔カンジダ症
ステロイド薬や免疫抑制薬の影響により、口腔カンジダ症を発症しやすくなります。カンジダが繁殖すると、口の中がヒリヒリ痛む、食べ物を口にしたときに痛む(接触痛）、食べ物の味を感じにくい（味覚障害）などの症状があらわれます。薬の使用により治療をおこないます。
関連するページ ステロイド療法をお受けになられている方の歯科治療
●歯科治療について
混合性結合組織病を発症すると、口が開きにくいために歯科治療が大変になることがあります。また、虫歯ができやすくなります。
そのため、虫歯ができてから歯科医院に通院するのではなく、虫歯をつくらないために、予防処置のために定期的に歯科医院に通院されるのがおすすめです。
歯とお口の健康、栄養、歯科治療などについてご不明な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。
関連するページ 食育・栄養
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