親知らずは前から8番目に生えてくる歯です。第3大臼歯、智歯、知歯とも言います。通常は20歳前後に生えてきます。40〜50歳頃に歯肉が下がるなどして、生えてきたと感じることもあります。生えてこない人も多くいます。
昔は寿命が短かったため、親が子供の歯(親知らず)が生えてくるのを知らずに亡くなったため、「親知らず」という名前が付けられたと言われてます。英語では「wisdom tooth」(智歯)と言います。これは、これは物事の分別がつく年頃になってから生えてくる歯であることが名前の由来と言われています。
また、失った歯の部分に親知らずを移植したり、歯の銀行に親知らずを預けて将来使用することもできます。最近では再生医療に親知らずを使用する研究もおこなわれています。
歯の銀行(ティースバンク) 当クリニックで実施
歯の銀行は、2004年に広島大学で開発されました。凍結保存した親知らずを、虫歯や歯周病などで歯を失った時に自分の口の中に戻して、歯として機能させる方法です。
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人工多能性幹細胞(iPS細胞)
2010年、産業技術総合研究所は親知らずの細胞(歯胚)からさまざまな組織の細胞になるとされる「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を作ることに成功しました。
矯正治療のために抜歯に至った親知らずの細胞を3年間冷凍保存。京都大学・山中伸弥教授が見出した遺伝子を導入することで、これまでおこなわれていた皮膚の細胞から作る方法よりも100倍以上効率が良く、できたiPS細胞から腸や軟骨、神経、心筋の細胞ができることも確認されました。
長期間冷凍保存された細胞でも問題なく使用でき、これまで抜歯時に捨てられていた親知らずが、将来多くの人に利用される可能性があります。
歯の神経の再生
大きな虫歯ができると、歯の神経(歯髄)を取ることがあります。神経のない歯は虫歯になりやすく、割れやすく、歯の寿命は短くなります。親知らずから取り出した細胞(歯髄幹細胞)を6週間培養、神経のない歯に移植すると、1ヶ月ほどで神経が再生されます。
愛知学院大学歯学部と国立長寿医療研究センターの研究グループは、この技術を確立し、動物実験では既に成功しています。2012年10月に厚生労働省に臨床実験が承認され、2013年からは人での応用が始まります。
●親知らずが原因となるトラブル
親知らずは下あごでは斜めに生えたり、真横に生えたり、上あごでは歯並びから外れて外側を向いて生えてくることもあります。そのため、虫歯、腫れ、痛みなどの原因となることがあります。
しかしながら、毎日の歯みがきをしっかりおこない、定期的に歯科医院で歯の清掃(クリーニング、PMTC)をおこなう等により、ほとんどのトラブルは回避することができます。
虫歯
最も奥に生えてくるため、きちんと生えてこないことも多いため、汚れがたまりやすく、歯ブラシにが届きにくく虫歯になることがあります。また、親知らずの虫歯が原因で手前の歯(第2大臼歯)に虫歯ができてしまうこともあります。
虫歯になりやすい親知らず
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腫れ、痛み
完全に生えていない親知らずは汚れがたまりやすく、細菌が繁殖しやすいため、腫れたり痛みができることがあります。一時的に口が開きにくくなったり、食べ物を飲み込みにくくなることもあります。
腫れやすい親知らず
歯並び
真横に生えてきた親知らずは、他の歯を押して前歯の歯並びが悪くなることが稀にあります。昔は親知らずが押して歯並びが悪くなると盛んに言われていましたが、これを実証する研究論文は「0」に近く、現在では否定する意見も多くあります。
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