新型コロナウイルス感染症の予防には、お口の健康と並んで栄養も大切となります。
以下は、WHO(世界保健機関)が世界に向けて発信した「新型コロナウイルス感染症拡大時の成人のための栄養アドバイス」との提言を和訳(一部省略、改編)させていただいたものです。感染予防のご参考になれば幸いです。
新型コロナウイルス感染症拡大時の成人のための栄養アドバイス
新型コロナウイルス感染症の予防のためには、適切な栄養と水分補給が大切です。バランスのよい食事を摂ることは、免疫力アップにつながり、感染症のリスク低下につながります。
ビタミン、ミネラル、食物繊維、タンパク質、抗酸化物質を摂取するために、毎日新鮮な食物を食べるようにしましょう。また、十分な水分を摂取してください。糖分、塩分、脂肪分は避けることは、体重増加、肥満、心臓病、脳卒中、一部のがんのリスクを大幅に下げます。
1)毎日、新鮮で加工されていない食品を摂取しましょう
果物、野菜、豆類、ナッツ類、穀物(米、玄米、小麦、じゃがいもなど)、動物由来の食品(肉、魚、卵、牛乳など)を摂取しましょう。
1日の摂取量:果物2カップ(4人前)、野菜2.5カップ(5人前)、穀物180g、肉と豆160g(赤身の肉は週に1~2回、鶏肉は週に2~3回)。
おやつは糖分、塩分、脂肪分の多い食品ではなく、生野菜や新鮮な果物を選びましょう。
野菜や果物は過剰に調理しないようにしましょう。大切なビタミンが失われる可能性があります。
缶詰や乾燥野菜、乾燥果物(ドライフルーツ)を摂取する場合は、砂糖や塩を加えていないものを選んでください。
関連するページ 新型コロナウイルス感染症 飲酒(WHOからの提言)
2)毎日十分な水を飲みましょう
水は生命維持に不可欠です。血液中の栄養素などを運び、体温を調節し、老廃物を取り除き、関節では潤滑剤やクッションの役割を果たします。
毎日8~10カップの水を飲みます。
水が最良の選択ですが、レモンジュース(無糖、水で薄めて)、お茶、コーヒーなど、水を含む飲み物、フルーツジュース、野菜ジュースを飲むのも方法です。ただし、カフェイン摂取が多くならないように注意してください。砂糖添加のフルーツジュース、炭酸ジュースは避けてください。
関連するページ 成人のための健康的な食事(WHOからの提言)
3)適切な脂肪と油を摂取しましょう
飽和脂肪酸(脂肪の多い肉、バター、チーズなど)ではなく、不飽和脂肪酸(魚、アボカド、ナッツ、オリーブオイル、大豆、キャノーラ、コーンオイルなど)を摂取しましょう。
赤身の肉ではなく、低脂肪の白身の肉(鶏肉など)や魚を選択しましょう。
加工肉は脂肪と塩分が多いので避けてください。
可能であれば、牛乳や乳製品は低脂肪を選んでください。
工業的に生産されたトランス脂肪酸は避けてください。トランス脂肪酸は、加工食品、ファーストフード、スナック食品、フライ食品、冷凍ピザ、パイ、クッキー、マーガリンによく見られます。
砂糖と塩をあまり摂取しないようにしましょう。
食品を調理して準備するときは、塩や高塩分の調味料(醤油など)の量を制限してください。
1日の塩分摂取量を5g(小さじ1杯)未満に制限しましょう。
砂糖や塩分が多い食品(スナック菓子など)は避けてください。
ソフトドリンクやソーダ、砂糖を多く含むその他の飲料(フルーツジュース、濃縮果汁やシロップ、ヨーグルトドリンクなど)の摂取を制限しましょう。
クッキー、ケーキ、チョコレートなどの甘いおやつではなく、新鮮な果物を選んでください。
4)外食を避けましょう
家での食事は、他人との接触率が下がり、新型コロナウイルス感染症に感染する可能性が低くなります。自分とせきやくしゃみをしている人との間には、1m以上の距離を保つことをお勧めします。
レストランやカフェのような混雑した場所では、十分な距離を保つことができないことがあります。感染した人からの飛沫が、他のお客さんやスタッフに付着している可能性があります。また、多くの人が行き来しているため、手指などを十分に洗っているか、消毒されているかは分かりません。
5)カウンセリングと心理社会的サポート
適切な栄養と水分補給は健康と免疫力を向上させますが、魔法の方法ではありません。
新型コロナウイルス感染症の疑い、あるいは陽性が確認された方は、健康を維持するために心理的サポートや食事療法が必要になることがあります。 専門の医療スタッフ、カウンセラーによる支援のほか、地域の方々や友人、同僚の支援を受けてください。
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