妊娠中の薬の服用 横浜・中川駅前歯科クリニック
妊娠中の薬の服用

妊娠中の歯科治療では、なるべく薬を服用しないようにします。ただし、歯の強い痛みが続いたり、歯肉が腫れたりするなどして、薬を服用しないことで母体に悪影響を及ぼす場合は、胎児への影響が少ない薬を最小限服用する必要があります。

胎児に対する薬の影響は、妊娠中の時期、薬の種類により異なります。胎児に奇形を発生させる可能性があったり、胎児の歯の色を変色させる薬もあるので注意が必要となります。

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●胎児の歯や口に影響を及ぼす薬

クラミジア感染症、リケッチア感染症、マイコプラズマ感染症などの感染症のほか、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎等の治療などに使用されるテトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン、ビブラマイシンほか)は注意が必要です。

妊娠中にテトラサイクリン系抗生物質を服用すると、胎児の歯の色が灰色、茶色、暗赤色、暗黄色など、変色歯になることがあります。また、歯の表層がうまくつくられないエナメル質形成不全になることもあります。

てんかんのけいれん発作を抑える薬である抗てんかん薬(フェノバールほか)は、胎児の唇に裂け目ができる口唇裂、上あごに裂け目ができる口蓋裂という病気を発症することがあります。

テトラサイクリンによる変色歯 変色歯 テトラサイクリン系抗生物質による変色歯

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●歯科医院で処方される薬

歯科治療で使用する薬の種類は限られ、使用頻度は多くありませんが、注意すべき薬はあります。


1)鎮痛薬  カロナールが第1選択
代表的な鎮痛薬であるボルタレンは妊娠中全期間において、ロキソニンは妊娠後期での服用は避けるようにします。服用によって、胎児の腎障害、動脈管の早期閉鎖、羊水減少などがおきることがあります。

ソランタールやポンタールも妊娠後期には服用しないほうが望ましいとされています。妊娠中の鎮痛薬は、歯科では主にカロナールが処方されます。

また、鎮痛薬と同時に服用することのある胃薬・サイトテックは、子宮を収縮させて流産をおこすことがあるので注意が必要です。

カロナール カロナール

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2)抗生物質  セフェム系、ペニシリン系が第1選択
抗生物質では、前述のテトラサイクリン系抗生物質だけでなく、アミノグリコシド系抗生物質(カナマイシンほか)は胎児に腎障害、聴覚障害がおきる可能性があるため、可能であれば避けるようにします。

ニューキノロン系抗生物質(クラビット、タリビットほか)やマクロライド系抗生物質のクラリスロマイシン(クラリス、クラリジット)は、動物実験で発育抑制、骨格異常、口蓋裂などがみられたことから避けたほうがよいとされていますが、問題ないとの意見もあります。

安全性が高いとされる抗生物質は、セフェム系抗生物質(フロモックス、メイアクトほか)、ペニシリン系抗生物質(サワシリンほか)とされています。また、マクロライド系抗生物質でもジスロマックは安全性が高いとされています。

フロモックス メイアクト フロモックス(左)とメイアクト(右)


3)抗ウイルス薬  ゾビラックス、バルトレックスは使用可
歯科では口唇ヘルペスに対してゾビラックス、バルトレックスが処方されることがありますが、安全性が高く、問題はないとされています。

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4)麻酔薬  リドカイン製剤の使用がおすすめ
歯科治療で使用する麻酔薬は胎盤を通過して胎児に届きますが、通常量であれば問題はないとされています。リドカイン製剤が主に使用されます。

麻酔を使用せず、痛みを我慢しながらの歯科治療は母体にストレスを与え、胎児に悪影響を及ぼすため、必要であれば麻酔を使用して歯科治療を受けた方がよいとされています。

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●気付かずに服薬してしまったとき

妊娠に気付かずに服用してしまった、「妊婦に禁忌」と書かれていたのに服用してしまった場合も、多くは胎児への影響はありません。禁忌と書かれていても、必ずしも危険性が高いわけではなく、禁忌としている理由も様々です。心配なときは、かかりつけの歯科医師や薬剤師に相談されるのがよいでしょう。

薬



●中川駅前歯科クリニックの取り組み

当クリニックでは、薬の処方は必要最少限にとどめております。必要以上に薬の処方をおこなうことはありません。また、薬の処方を希望されない患者様においては、薬の処方を無理におこなうことはありません。

歯科医師だけでなく薬剤師も在籍していますので、ご不明な点や心配なことがあれば、お気軽にご相談ください。

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