●喫煙とインプラント
喫煙は様々な悪影響を全身に及ぼしますが、インプラントも例外ではありません。
喫煙は、インプラント手術後の歯肉の治りを遅くしたり、インプラントと骨がくっつくのを妨げます。また、インプラントを支える歯肉の抵抗力を弱らせ、インプラントが抜け落ちる原因にもなります。インプラント治療がうまくいかない原因のかなりの部分を喫煙が占めます。
インプラント治療を成功させるためには、できれば生涯にわたっての禁煙、最低でも治療中は禁煙することが大切です。
タバコ
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●喫煙者のインプラント失敗率
下記は喫煙とインプラントの関係についての世界的に有名な研究論文です。
全ての研究において、「タバコを吸っている人はインプラントの失敗率が高い」という結果となりました。研究によっては、タバコを吸っていない人に比べて3.7倍も失敗率が高まるという結果となりました。
特に下あごに比べると上あごのほうが骨が脆弱なため、タバコを吸っている人のインプラント失敗率が高い傾向がみられます。
インプラントの失敗率 ※文献1〜5を改変引用
研究論文 | 対象インプラント | インプラント失敗率 | 倍率 | |
非喫煙者 | 喫煙者 | |||
1 | 2194本 | 4.7% | 11.2% | 2.3倍 |
2 | 2188本 | 6.6% | 8.9% | 1.3倍 |
3 | 343本 | 2.3% | 8.7% | 3.7倍 |
4 | 2887本 | 5.9% | 8.8% | 1.4倍 |
5 | 329本 | 4.6% | 11.2% | 2.4倍 |
1.Brain CA, Moy PK. The association between the failure of dental implants
and cigarette smoking. Int J oral maxillofac impalnts 1993;8. 2.Morris
HF, Ochi S. Hydroxyapatite-coated implants: a case for their use, J. Oral
Maxillofac. Surg. 1998;56. 3.J.D. Jones, J. Lupori and J.E. Van Sickels
et al., A 5-year comparison of hydroxyapatite-coated titanium plasma-sprayed
and ... cylinder dental implants, Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol
Endod 1999;87. 4.Lambert PM, Morris HF, Ochi S. The influence of smoking
on 3-year clinical success of osseointegrated dental implants. Ann Periodontol
2000;5. 5.Geurs NC, Wang IC, Shulman LB, Jeffcoat MK: Retrospective radiographic
analysis of sinus graft and implant placement procedures from the Academy
of Oseointegration Consensus conference on sinus grafts. Int J Periodontics
Restorative Dent 2001;21.
●喫煙がインプラントに及ぼす影響
ニコチンによる血流阻害
タバコに含まれているニコチンは、歯肉の血流を悪くします。そのため、インプラントを支える歯肉に酸素や栄養が行き渡らず、細菌に対する抵抗力が弱まります。
一酸化炭素による酸素供給阻害
タバコによって発生する一酸化酸素によって、インプラントを支える歯肉に酸素や栄養が行き渡らず、細菌に対する抵抗力が弱まります。
ニコチンや一酸化炭素による歯肉の硬化
ニコチンや一酸化炭素によって、歯肉が硬くゴツゴツしてくるために、インプラントを支える歯肉の状態が悪化していても、表面に炎症が現れず、見逃してしまいがちになります。
白血球の活動を抑制
白血球は細菌と戦い、退治する役目を持っているのですが、タバコは白血球の機能を低下させる作用があります。その結果、細菌に対するインプラントを支える歯肉の防御機能が低下してしまいます。
新しい組織を作る細胞の増殖を抑制
タバコはインプラントを支える歯肉の回復に必要な細胞の増殖を妨げる働きがあります。
唾液の減少
唾液はタバコに含まれる有害物質を中和したり、細菌の増殖を抑える働きがあります。タバコによって唾液が減少するとインプラントを支える歯肉が悪化しやすくなります。
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免疫力の低下
タバコの中の有害物質により免疫力は衰え、炎症症状がでないままインプラントを支える歯肉の病状が進行していくために、気付いた時にはインプラントを除去しなければならないほど病状が進んでしまうこともあります。また、免疫力の低下により、治療しても症状が改善しにくくなります。
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