●
複合性局所疼痛症候群とは
複合性局所疼痛症候群(CRPS)は、反射性交感神経性萎縮症(RSD)、カウザルギーと呼ばれていた病気を統一し、1994年に国際疼痛学会によって定められた病気です。
怪我や手術などで組織が損傷して治った後も強い痛みが長期にわたって続く病気で、更年期以降の女性に多く、手足の骨折、脱臼後に発症することが多い傾向にあります。ワクチン接種による外傷によって発症した報告もあります。
強い痛みだけでなく、関節の動きが悪くなる、皮膚の変化(赤くなる、青白くなる、発赤)、爪の変化(曲がる、薄くなる、隆起する)、体毛の変化(増える、消失する)、汗の異常(過剰、過少、停止)、むくみ、ふるえ、筋力低下など、多彩な症状があらわれます。
●
複合性局所疼痛症候群の判定指標
2008年に厚生労働省CRPS研究班によって判定指標が定められました。下記をもとにして判定されます。
判定指標
A 病期のいずれかの時期に、以下の自覚症状のうち2項目以上該当すること。ただし、それぞれの項目内のいずれかの症状を満たせばよい。
1.皮膚・爪・毛のいずれかに萎縮性変化
2.関節可動域制限
3.持続性ないしは不釣合いな痛み、しびれたような針で刺すような痛み(患者が自発的に述べる)、知覚過敏
4.発汗の亢進ないしは低下
5.浮腫
B 診察時において、以下の他覚初見の項目を2項目以上該当すること。
1.皮膚・爪・毛のいずれかに萎縮性変化
2.関節可動域制限
3.アロディニア(触刺激ないしは熱刺激による)ないしは痛覚過敏(ピンプリック)
4.発汗の亢進ないしは低下
5.浮腫
|
●複合性局所疼痛症候群と歯科
歯科においても、インプラント手術、抜歯、歯や顔面の外傷による神経損傷などによって、複合性局所疼痛症候群もしくは複合性局所疼痛症候群の様な症状があらわれることがあります。
関連するページ 三叉神経損傷 インプラント手術による神経損傷
●
複合性局所疼痛症候群の治療
多様な症状があらわれ、難治性のため、複数の治療が長期にわたっておこなわれます。確立された治療はなく、症状に応じて運動療法、薬物療法(鎮痛薬、ステロイド薬、抗うつ薬、神経障害性疼痛治療薬ほか)、神経ブロック、カウンセリングなどがおこなわれます。
関連するページ 神経障害性疼痛 歯科治療後の神経障害性疼痛 神経障害性疼痛 Q&A
●
複合性局所疼痛症候群の治療をおこなう診療科
症状に応じて、歯科、麻酔科、ペインクリニック、整形外科などでおこないます。
※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
交通アクセス・駐車場案内図(横浜市都筑区、港北区など近隣よりご来院の方)
青葉区・宮前区からのご来院(横浜市青葉区、川崎市宮前区からご来院の方)
小田急線沿線からのご来院(東京都町田市、川崎市麻生区、多摩区などからご来院の方)
横浜線沿線からのご来院(横浜市緑区、相模原市などからご来院の方)
南武線沿線からのご来院(川崎市中原区、高津区などからご来院の方)
広域路線図 広域道路地図(神奈川県、東京都からご来院の方)
新幹線・飛行機でのご来院(神奈川県、東京都以外からご来院の方)
関連するページ 歯痛・顔面痛