インプラント学会がおこなった調査によると、インプラント手術後の重大なトラブルの39%は上顎洞(副鼻腔)の炎症とインプラントが上顎洞内に入ってしまうものでした。次いで多かったのが神経損傷で30%を占めました。
上顎洞のトラブルのほとんどが症状改善したのに対し、神経損傷(主に三叉神経損傷)は56%が症状改善せず、部位は全て下あごの奥歯のインプラント手術で、損傷した神経は下歯槽神経、オトガイ神経、舌神経の順に多くみられました。
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インプラント手術による神経損傷の原因
インプラント学会の調査では原因の65%はドリルで骨を削ったときに神経に近づき過ぎたり、当たったり、神経を圧迫してしまったことが原因となっています。次いでインプラントが神経に近づき過ぎたり、当たったり、神経を圧迫してしまったことが原因となっており9%を占めていました。
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インプラント手術による神経損傷の症状
インプラント手術で神経損傷がおきると、手術後から損傷を受けた部位の感覚が鈍くなったり、感覚が全くなくなります。しびれ、ビリビリした痛みが生じたり、少しあごを触っただけで痛みが生じるなど、神経障害性疼痛(三叉神経ニューロパチー)という症状があらわれることもあります。
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インプラント手術による神経損傷の検査、治療
三叉神経損傷、神経障害性疼痛(三叉神経ニューロパチー)に基づいた検査、治療がおこなわれます。かかりつけの歯科医院もしくは歯科大学病院や病院の麻酔科、口腔外科、ペインクリニックにて早い時期に検査、治療をおこなうことが大切です。
治療ではビタミン剤(ビタミンB12)、ステロイド剤(損傷1週間後から)、ATP製剤(アデノシン三リン酸)などの薬の服用のほか、ブロック注射、外科手術(神経修復術)などがおこなわれます。
治療には長い期間がかかることが多く、症状が完全には改善しないことが多い傾向があります。
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インプラントの除去について
インプラントが神経のなかに入り込んでいる場合はすぐにインプラントを除去することが推奨されていますが、早期の除去は「外傷性神経腫」という強い痛みをともなうことのある病変ができることがあるため、神経損傷1〜2ヶ月後に除去することもあります。
また、インプラントを除去せずに少し引き上げるだけで経過が良好なこともあります。これらの治療は歯科大学病院や病院の口腔外科でおこなうことが多い傾向があります。
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