ウイルスに負けない免疫力を高めていくには、食事やお口の健康維持のほか、睡眠も大切となります。十分な睡眠時間と質の高い睡眠をとっていく必要があります。
●睡眠時間と免疫力
ウイルスに対する免疫力は、睡眠中に強化されます。睡眠不足が続くと免疫細胞の機能が低下してウイルスに感染しやすくなります。その結果、体調が悪くなったり、発熱しやすくなります。睡眠不足の人は、2倍も風邪をひきやすいことが明らかにされています。
日本人は他の国と比較すると、睡眠時間が短いことで知られています。睡眠は免疫力を高めるうえで必須ですが、スマートフォン、ゲームなどによって睡眠時間は短くなる傾向にあります。
感染予防のためには、十分の睡眠時間を確保することが大切となります。
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●睡眠の質と免疫力
十分な睡眠時間をとっていても、睡眠の質が悪いと休息はとれません。免疫力を高めていくためには、質のよい睡眠も必要となります。
睡眠の質を悪くする要因として、就寝前のスマートフォンの利用やカフェイン飲料の摂取があります。これらは脳を活性化させて睡眠の質を悪くします。また、就寝前の喫煙は脳を活性化させて睡眠中の質を悪化させるほか、喫煙者は新型コロナウイルスに感染しやすく、感染したときの重症化、死亡リスクが高いことも知られています。
就寝前の飲酒は深い眠りを減らして、夜中に目覚める原因になります。WHO(世界保健機関)は新型コロナウイルス感染症拡大時の飲酒は感染リスクを高めるため、飲まないよう勧めています。
質のよい睡眠をとるためには、就寝前のスマートフォン、カフェイン飲料、タバコ、お酒には注意していく必要があります。
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●睡眠を妨げる病気
睡眠を妨げる代表的な病気として、睡眠時無呼吸症候群があります。いびきの悪化によって、睡眠中に呼吸が低下したり、呼吸が止まったりします。
睡眠時無呼吸症候群を発症すると浅い眠りが多くなり、細胞の修復や新陳代謝に関わる成長ホルモンの分泌など、深い眠りでおきる効果が得られにくくなります。
国内患者数は300万人とされているものの気付いていない人が多く、知らず知らずのうちに睡眠を妨げ、免疫力を低下させます。睡眠を妨げる病気の治療も大切となります。
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