人工透析と歯科治療 横浜・中川駅前歯科クリニック
人工透析と歯科治療
●人工透析と歯科治療

慢性腎臓病になると、虫歯は発生しやすくなり、歯周病は進行しやすくなります。また、ドライマウス(口腔乾燥症)、味覚障害など食べるうえで欠かせない機能が障害を受けることも多々あります。

人工透析を受けていても、ほとんどの歯科治療は全く問題なくできます。ただし、抜歯を中心とした出血を伴う処置は注意が必要となります。


人工透析をおこなっているときの歯科治療
虫歯  ほとんどの治療は問題なくできます。
歯周病 問題なく治療ができます。手術をおこなうときは出血、感染しやすいため注意が必要です。
入れ歯  ドライマウス(口腔乾燥症)
味覚障害 睡眠時無呼吸症候群
問題なく治療ができます。
抜歯 出血、感染しやすいため、注意が必要です。
インプラント 感染しやすいため、可能であれば入れ歯など他の治療にしたほうが無難です。

 人工透析

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人工透析と歯科疾患 歯周病と慢性腎臓病 入れ歯 ドライマウス 味覚障害 いびき・無呼吸症候群




歯科治療の問題点

人工透析を受けている患者さんの大半が、虫歯、歯周病など口の中に問題をもっています。しかしながら、「透析をしているので忙しくて時間がない」、「止血の問題があり通いづらい」といった理由により、治療をおこなわない患者さんも多くいます。

歯科医師側も、高血圧など他の病気をもっている患者さんが多い、出血や感染に対するリスクがあるといった理由により、人工透析を受けている患者さんの治療を苦手としていることがあります。そのため、歯科医院に受診しても治療を受けられないことがあります。

岐阜県の人工透析、歯科治療をおこなう医療機関がおこなった調査では、人工透析を受けている患者さんの約30%が「歯科治療を受けたくない」と思っており、人工透析を受けてから歯科治療に不便さを感じている患者さんも多くいました(下図)。※1


透析治療開始後に感じた歯科治療の不便さ※1
人工透析治療後に感じた歯科治療の不便さ
※人工透析をおこなっている患者さんの意識調査、単数回答

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●抜歯

抜歯の時期
抜歯の時期は、体内の老廃物が透析され全身状態が安定しているため、人工透析の翌日が理想です。

人工透析中は抗凝固薬(ヘパリン)が使用されますが、ヘパリンは人工透析後5時間ほどで肝臓で分解されるため、時間が経てば人工透析当日でも抜歯は可能です。ただし、人工透析による疲労もあるため、おすすめできません。


抜歯時の問題点
人工透析を受けている患者さんは、1)高血圧、心臓病、糖尿病など他の病気も有していることが多いこと、2)抗凝固薬(ワーファリンなど)や抗血小板薬(バイアスピリンなど)を服用していることが多く、抜歯時に出血しやすいこと、3)感染に対する抵抗力が弱く治りにくいことから、抜歯時に問題となることがあります。

抜歯ができないことはなく、抜歯時の出血、抜歯後の感染に注意すれば、ほとんどの抜歯は歯科医院でできます。かかりつけの医師、歯科医師に相談しながら抜歯をおこなっていく必要があります。

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抗凝固剤、抗血小板剤
以前は「血が止まりにくい」との考えから、抜歯時に抗凝固薬や抗血小板薬の服用を中止したり減量して抜歯をおこなっていましたが、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まることから、現在では服用したまま抜歯をおこなうことが多くなっています。

日本口腔外科学会、日本有病者歯科医療学会などの学会が作成した「科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン2010年版」では、薬を服用している原因となっている病気(腎不全など)が安定しているなどしていれば、抜歯時に抗凝固薬や抗血小板薬の服用を中止しなくても問題ないとしています。

同ガイドラインでは、抜歯時に抜歯時に抗凝固薬、抗血小板薬の服用を中止する危険性についても記述しています。抜歯時に抗凝固剤服用した人の1%が脳梗塞などを発症し、ほとんどが死亡したという研究報告もあります。抗血小板剤も同様に、中断すると脳梗塞、急性心筋梗塞のリスクが高まります。

科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン2010年版科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン2010年版



●インプラント

以前はできなかったインプラント治療も、現在ではできるようになりました。しかしながら、感染に対する抵抗力が弱いことから、治療にあたっては慎重におこなう必要があります。リスクを伴うことから、入れ歯など従来からある治療をおこなった方が無難といえます。

インプラントインプラント(あごの骨の中にチタン製の人工物を入れます)

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※1 毛利謙三、松岡哲平 透析患者は歯医者が苦手!?歯医者も透析患者が苦手!? 透析ケア16(3)66-70 2010


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