認知症になると、虫歯が進んでも痛みを訴えない、入れ歯をなくしてしまう、歯みがきが十分にできない、誤嚥性肺炎、窒息事故などの問題がおきやすくなります。

家族の支えが必要なほか、定期的に歯科医院に通院する、あるいは訪問歯科診療で自宅や施設に来てもらうことで、口内環境を整えていくことが大切となります。



●歯痛
歯が痛む、歯がしみる、歯肉がうずくなどの症状発現によって、歯科医院に受診する人は多くいます。認知症の方は、痛みを感じにくくなったり、痛みを言葉で表現しにくいため、本人や家族が気付かないうちに症状が悪化していることがあります。

最近何だか元気がない、食事のときに入れ歯を入れようとしない、食欲が落ちた、食事の介助を拒否するなど、日常生活のちょっとした変化が、口の中の問題を発見する手がかりとなります。

歯痛

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記憶障害
認知症になると、服の着がえ、食事、排泄など、身近な出来事における体験そのものを忘れてしまうことがあります。

記憶障害があると、歯みがきをしたことを忘れてしまう、入れ歯をしまった場所を忘れてしまう、入れ歯をなくしてしまうなどの症状があらわれます。ティッシュに入れ歯を包んでおいたのを忘れ、捨ててしまうこともあります。

歯ブラシ



●実行機能障害
実行機能とは、物事を順序立てて計画的におこなう能力のことをいいます。認知症になると、入れ歯を外して歯をみがく、歯ブラシに歯みがき粉をつけるといったことができなくなります。

対応としては、一つ一つの手順を確認してもらいながら進めていきます。同時に多数の指示を出すと混乱するため、時間はかかりますが、一つのことができたら新たな指示を一つ出すようにします。



手続き記憶の障害
手続き記憶とは、自転車に乗る、泳ぐ、ピアノを弾くなど、身体で覚えた記憶のことをいいます。認知症の症状が進んでも、手続き記憶は残りやすいといわれています。

歯ブラシを渡すと、身体で覚えている手順に従って歯をみがくことがありますが、虫歯の発生や歯周病の進行を防ぐほどはみがけていないため、家族や介護者の方が歯をみがかなければならないことがあります。

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意味記憶の障害
意味記憶に障害がおきると、ものや言葉の意味を忘れてしまいます。歯ブラシや入れ歯が何かを認識できなくなったり、入れ歯の上下、左右、表裏が認識できず、入れ歯を装着できなくなります。

本人任せにせず、歯みがきや入れ歯の装着を手伝ってあげるなどのお手伝いが必要となります。



誤嚥性肺炎
食べ物や唾液が食道ではなく、誤って気管に入ってしまうことを「誤嚥(ごえん)」といいます。
認知症になると免疫力の低下、口内の汚れから誤嚥を原因とする肺炎をおこしやすくなります。

誤嚥性肺炎の予防には、歯みがきをしっかりおこなうこと、入れ歯の清掃をおこなうこと、歯科医師や歯科衛生士による口腔ケアを定期的に受けることが大切です。

入れ歯

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窒息事故
認知機能が低下して食べる行動の調節ができなくなると、口いっぱいに食べ物を入れてしまったり、かまずに飲み込んでしまうなどして、窒息事故がおきることがあります。また、飲み込む機能(嚥下機能)が低下していることもあります。

食べ物を食べやすい大きさにする、軟らかく調理するなどの調理が必要となります。

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