肺炎をおこしやすい方は、口の中や入れ歯が汚れている、虫歯が治療されずに放置されているなどの特徴があります。これらの問題を解決することは、肺炎の発症予防にもつながります。
●口の中が汚れている
口の中が汚れていると細菌が繁殖します。繁殖した細菌が肺に入ることにより、肺炎を発症します。口腔ケアをおこなうことにより、肺炎の予防がはかれます。
口の中の細菌(口の中が汚れている人は、1兆個以上の細菌がいます)
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●入れ歯が汚れていて、管理されていない
入れ歯のプラスチック面は細菌が付きやすく、汚れた入れ歯は細菌の温床となります。
口の中の細菌を減らすためにも、入れ歯の手入れはしっかりおこなっていく必要があります。
食べカスで汚れた入れ歯
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●虫歯が治療されずにそのままにされている、入れ歯を使用していない
虫歯の治療をおこなわないと、口の中は汚れて細菌が繁殖しやすくなります。また、入れ歯を使用していなかったり虫歯があると、しっかり食べたり、飲みこめないため、誤嚥をおこして肺炎を発症しやすくなります。
放置されたままの虫歯
※誤嚥(ごえん):食べ物や唾液が食道ではなく、誤って気管、肺に入ってしまうこと。
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●歯周病(歯槽膿漏)が進行していて、歯肉から血が出る
出血しやすい歯肉は、歯に歯石がついていたり、汚れていることが多く、細菌が繁殖しています。口腔ケアをおこなうことにより、細菌は減少して歯肉の炎症も治まり、出血しにくくなります。
歯石がついたままの歯
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●口臭がする
口臭がする口の中は、口の中が汚れ、細菌が繁殖していることがほとんどです。
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●口の機能が低下している
食べる障害(摂食障害)、飲みこむ障害(嚥下障害)があると、食べ物や唾液が気管に入りやすくなり、肺炎を発症しやすくなります。また、口の機能の低下は栄養状態を悪くし、抵抗力の低下から肺炎を発症しやすくなります。
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●むせがあり、飲みこみ反射、せき反射の機能が低下している
食べ物や唾液が気管に入ろうとすると、それを戻そうとする反射が働きます。この反射機能が低下すると誤嚥しやすくなり、肺炎を発症しやすくなります。摂食・嚥下訓練により、反射機能を高めていくことが可能なことがあります。
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