口腔ケアの効果 横浜・中川駅前歯科クリニック
口腔ケアの効果
歯科医師や歯科衛生士による口腔ケアは、口の中がきれいになるだけでなく、毎日を快適に過ごせたり、食べ物をおいしく食べることができる効果があります。他にも、虫歯や歯周病の予防、口臭予防、肺炎やインフルエンザの予防など、様々な効果があります。



●口の中や咽頭の細菌数が減少し、肺炎、インフルエンザ、風邪の予防になります※1

歯科医師などの専門家による口腔ケアは、口の中やのど(咽頭)の細菌数は大きく減少させます。

徳島大学、浜松医科大学の研究者らがおこなった調査では、歯科医師などの専門家が徹底した口腔ケアをおこなったところ、口の中やのどの細菌数は減り続け、5ヶ月後には開始前の1/10にまで減少したとのことです(下図)。

細菌数の減少は、肺炎(誤嚥性肺炎)、インフルエンザ、風邪の予防になります。

歯科医師らによる専門的口腔ケアの効果 口腔ケアの実施により、口の中の細菌数は激減

関連するページ
誤嚥性肺炎の予防(口腔ケアと肺炎予防について)

歯磨きでインフルエンザ予防(口腔ケアとインフルエンザ予防について)




●飲みこむまでの時間が短縮され、誤嚥の予防になります※2

高齢者や要介護者は、食べ物や唾液が食道ではなく、誤って気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」がおきることがあります。

誤嚥は肺炎の原因となり、肺炎に占める誤嚥性肺炎の割合は、70歳以上の70%以上、90歳以上の95%以上とされています。また、肺炎死亡の7割が誤嚥性肺炎とされています。

継続した口腔ケアをおこなうと、飲みこむ時間が短縮され、誤嚥の予防につながることが明らかにされています。誤嚥の予防は誤嚥性肺炎の予防にもなります。

下記研究では、歯科医師など専門家による口腔ケアによって、飲みこみ反射を促す物質(サブスタンスP、SP)が増加、飲みこむまでの時間(LSTR)が短縮されることが確認されました。

口腔ケアによる嚥下機能の変化 口腔ケアにより飲みこむ機能(嚥下機能)が改善

関連するページ  口腔ケア  口腔ケア Q&A  誤嚥性肺炎  誤嚥性肺炎 Q&A



栄養状態が改善されます※3、4

口腔ケアの一環として摂食嚥下訓練をおこなうと、口唇や舌などの口の機能が改善され、栄養状態の改善がはかれます。

低栄養の高齢者は多く、厚生労働省の調査では、施設で介護を受けている高齢者の4割、自宅で介護を受けている人の3割が低栄養(血清アルブミン値が、3.5g/dl以下)となっています。その多くが口の機能に問題があるとされています。

日本歯科大学の研究者らがおこなった調査では、口腔ケアの一環として歯科医師らが摂食嚥下訓練をおこなったところ、血清アルブミン値は上がり、栄養状態が改善されました(下図)。

血清アルブミンの推移 口腔ケアにより栄養状態が改善

関連するページ
摂食嚥下障害  摂食嚥下訓練  摂食嚥下障害 Q&A  摂食嚥下障害 セルフチェック




がん治療に伴う副作用が軽減されます

がん治療に伴って引きおこされる口の中の合併症としては、口内炎、口腔粘膜炎、ドライマウス(口腔乾燥症)、虫歯、歯周病、肺炎(誤嚥性肺炎)、口腔カンジダ症、感染症があります。口腔ケアによりこれらの症状が軽減されます。

関連するページ
がん治療前後の歯科治療  頭頸部がん治療に対する口腔ケアの効果
食道がん治療に対する口腔ケアの効果
  
自宅でがん治療中の方の訪問歯科診療



●認知症の症状の進行が抑制されます

認知症の高齢者が、歯科医師や歯科衛生士による専門的な口腔ケアをおこなうと、認知症の症状の進行抑制に効果があることが研究報告されています。

関連するページ  認知症の方の訪問歯科診療  歯周病と認知症



●入れ歯のケアにより、食事がおいしくなります※5、6

多くの高齢者、要介護者の方にとって、食べることは一番の楽しみです。

口腔ケアをおこない、入れ歯のケアをおこなうことは、食べ物がよく咬めるようになるだけでなく、味覚が改善されて食事はよりおいしくなり、楽しみが増え、豊かな生活を送ることができます。


要介護者の日常生活における関心事(楽しいことについて、複数回答可)
施設名 1位 2位 3位
特別養護老人ホーム
(入居者773名)
食事
(44.8%)
行事参加
(28.0%)
家族訪問
(25.3%)
老人保健施設
(入居者1324名)
食事
(44.8%)
家族訪問
(40.0%)
行事参加
(35.2%)
療養型病院
(入院患者50名)
食事
(55.1%)
家族訪問
(55.1%)
テレビ
(30.0%)


九州歯科大学などの研究者らがおこなった調査では、病院内で歯科衛生士による専門的な口腔ケアをおこなったところ、絶食の患者さんは激減し、口から食べることのできる患者さんが急増したとのことです。口から食べるためには、口腔ケアは必要不可欠なものとなっています。


病院内の摂食・嚥下チームによる専門的口腔ケア介入の効果
  口腔ケア前  口腔ケア後
 絶食の患者さんの割合 66.1% 17.0%
 口から食べることのできる患者さんの割合 33.9% 83.0%
 発熱の日数 2.7日 1.0日


口腔ケアと入れ歯の手入れ前(左)と後(右)
口腔ケアと入れ歯の手入れ前 口腔ケアと入れ歯の手入れ後 きざみ食から常食に変わり、顔の表情も変わりました

関連するページ  入れ歯  胃ろう(PEG)


※1 弘田克彦、米山武義、太田昌子、橋本賢二、三宅洋一郎 プロフェッショナル・オーラル・ヘルス・ケアを受けた高齢者の咽頭細菌数の変動 日本老年医学会雑誌34(2)125-129  ※2 Yoshino A, Ebihara T, Ebihara S, Fuji H, Sasaki H. Daily oral care and risk factors for pneumonia among elderly nursing home patients. JAMA. 2001 Nov 14;286(18):2235-6.  ※3 菊谷武、西脇恵、稲葉、石田雅、吉田雅昭、米山武義ほか 介護老人福祉施設における利用者の口腔機能が栄養改善に与える影響 日本老年医学会雑誌41: 396-401  ※4 松田朗 厚生省老人保健事業推進等補助金 「高齢者の栄養管理サービスに関する研究報告書  ※5 加藤順吉郎 福祉施設および老人病院等における住民利用者の意識実態調査分析結果 愛知医報1434 2‐14  ※6 黒川 英雄、木村ひとみ、諌山美鈴、高藤千鶴、中道敦子 NSTにおける摂食・嚥下障害チームの専門的口腔ケア介入の効果 日本歯科衛生学会雑誌 6(2)62-69 2012



関連するページ  訪問歯科  認知症