舌咽神経とは

頭と顔の感覚は、脳から直接でている左右12対の神経(脳神経)がつかさどっています。舌咽(ぜついん)神経は脳神経の一つで、舌やのどの感覚、唾液の分泌、味覚に関与しています。

神経分布 舌咽神経

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舌咽神経痛とは

舌咽神経痛は舌咽神経の障害によっておきる神経痛をいいます。性別では女性(男:女 1:1.5〜2)、年齢では50歳以上に多く、発症率は10万人あたり0.2〜0.7人程度(三叉神経痛の1/100)と推定されており、まれな病気です。三叉神経痛と同様の症状があり、1%の人は三叉神経痛と舌咽神経痛を合併するとされています。

鋭く強烈で、瞬間的な痛みがあります。発症初期は食事のときや飲み込むときに痛みが生じますが、片側のみの痛みのため、歯やあごの痛みと感じやすく、歯科に受診する人が多い傾向にあります。

なかなか診断がつかず、銀歯などのつめ物の交換がされたり、歯の神経を取ったり、時には抜歯に至ることもあります。


舌咽神経痛と鑑別が必要な病気、病態
虫歯顎関節症三叉神経痛/唾石症/シェーグレン症候群ファーストバイト症候群

痛み 歯やあごが痛むことがあります

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●舌咽神経痛の特徴

1)診断
あごを動かすと舌やのどが引っ張られ、痛みが出ます。そのため、大きく口を開けると痛み、ひどくなると痛みのために会話も困難になります。また、食べ物の刺激、飲み込むときの刺激によって痛みが出ることが多いため、食事がしにくくなります。

比較的まれな病気であること、痛みは顔の奥深くでおきるため分かりにくいこと、患者さん自身も歯の痛みと思いこんでいることが多いことから、病名が分からず診断がつきにくい傾向にあります。耳周辺が痛むことがあり、この場合は三叉神経痛との鑑別が困難になることがあります。


2)痛みの特徴
三叉神経痛と同じく、1回の痛みは短時間で発作的、電撃的で、針で刺したような痛みがあります。

痛みの特徴
数秒〜2分続く痛みを繰り返す/激痛/ズキンとするような、刺すような鋭い痛み/飲み込み、せき、会話、あくびで痛みがおきる



舌咽神経痛の原因

舌咽神経痛の原因は、主に加齢によって硬くなった血管が、舌咽神経を圧迫するためにおきると考えられています。三叉神経痛の原因と同じと考えられています。



●舌咽神経痛の治療

舌咽神経痛の治療は、抗けいれん剤であるカバマゼピン(テグレトールほか)による治療がおこなわれます。カルバマゼピンの服用は診断的な意味からも有効で、薬の服用によって効果があれば、舌咽神経痛か三叉神経痛のどちらかである可能性が高いといえます。

また、神経障害性疼痛の治療薬として使用されるプレガバリン(リリカ)、ガバペンチン(ガバペン)、デュロキセチン(サインバルタ)も症状改善のために使用されることがあります。

薬の服用で十分な効果が得られない場合は、手術がおこなわれます。手術では、舌咽神経を圧迫している血管を離し、血管が神経に接触しないようにします。効果が高いものの三叉神経痛の手術に比べると手術が難しく、手術後の経過はやや悪い傾向にあります。

舌咽神経を切断する手術がおこなわれることもありますが(神経切断術)、再発することが多く最近はあまりおこなわれていません。

高齢で手術ができない人などに対しては、放射線治療(ガンマナイフ)、ブロック注射(舌咽神経ブロック)、ステロイド療法などがおこなわれることがあります。

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