線維筋痛症と歯科

線維筋痛症とは※1

線維筋痛症(せんいきんつうしょう)は、身体の広範囲な部位に原因不明の慢性的な痛み、こわばりが生じる病気です。激しい疲労感や倦怠感、手指のふるえ、耳鳴り、めまい、頭痛、うつ、不眠などの症状を伴うこともあります。

日本では人口の1.7%(都市部では2.2%)、約200万人の患者さんがいるとされます。女性が多く(男女比1:4〜5)、平均発症年齢は45歳前後となっています。患者数が多いにも関わらず、病気の存在が知られていないため、治療を受けている人は1万人以下とされています。



線維筋痛症の原因

原因は不明ですが、痛みの原因は「神経障害性疼痛」の一つとされています。精神的ストレス、出産、外傷、手術、ウイルス感染、HPVワクチンなどが発症に関わっているとされています。

関連するページ  神経障害性疼痛  歯科治療後の神経障害性疼痛



線維筋痛症の治療※1

神経障害性疼痛の治療に準じた「薬物療法」が中心となりますが、認知行動療法、運動療法が有効な方法としておこなわれています。

薬



●線維筋痛症と歯科疾患

線維筋痛症の患者さんはドライマウス(口腔乾燥症)、舌痛症、味覚障害、顎関節症(がくかんせつしょう)、嚥下障害(えんげしょうがい、飲み込み障害)、口内炎、SAPHO症候群など、歯科に関係する病気を発症しやすいとされています。

線維筋痛症の患者さんの70%がドライマウスを発症、67%が顎関節症(あごの痛み)、32%が舌痛症を発症するなど、線維筋痛症でない人に比べて明らかに高い発症率となっています(下図)。


歯科疾患の発症率※2
発症率

関連するページ  舌痛症  味覚障害  摂食・嚥下障害



●ドライマウス(口腔乾燥症)

線維筋痛症の患者さんの多くに、口内の乾燥症状があらわれます。これは口内環境に過敏になっているために、乾燥症状にも過敏になっていること、治療薬である抗うつ薬などの副作用による唾液の減少(薬剤性ドライマウス)が原因とされています。

また、口内に乾燥症状があらわれる病気「シェーグレン症候群」と線維筋痛症は、併存しやすいことが知られています。

水

関連するページ  ドライマウス(口腔乾燥症)  薬剤性ドライマウス  シェーグレン症候群



顎関節症

線維筋痛症の患者さんは、あごの痛みが生じやすく、線維筋痛症と顎関節症には密接な関わりがあります。あごの痛みは専門的な知識をもつ歯科医師による鑑別が必要で、あごの痛みが顎関節症、線維筋痛症のどちらを原因としているかで、治療方法が異なります。

関連するページ  顎関節症(がくかんせつしょう)



SAPHO症候群

胸の痛み(前胸部痛)、皮膚症状、関節症状があらわれる病気「SAPHO(サホー)症候群」と線維筋痛症は併発することがあり、SAPHO症候群の治療をおこなうことにより、線維筋痛症の症状が改善することがあります。

関連するページ  SAPHO症候群



線維筋痛症と歯科治療

歯科治療は痛み、音、においなど、ストレスがかかるため、歯科治療が線維筋痛症の症状悪化の原因となっていたり、親知らずの抜歯後、矯正治療後に線維筋痛症を発症することがあります。歯科治療時は、できる限りストレスがかからないように治療をおこなっていく必要があります。

一方で必要な歯科治療は避けるべきではなく、一例として根尖病巣(歯の根の膿)が原因で線維筋痛症の症状が悪化し、歯科治療によって症状が改善したとの報告もあります。

検診



※1 線維筋痛症診療ガイドライン2017(線維筋痛症学会)  ※2 Nelson L, Rhodudus J  Oral symptoms associated with fibromyalgia syndrome. J Rheumatol,30:1841−1845


※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
  交通アクセス・駐車場案内図(横浜市都筑区、港北区など近隣よりご来院の方)
  青葉区・宮前区からのご来院(横浜市青葉区、川崎市宮前区からご来院の方)
  小田急線沿線からのご来院(東京都町田市、川崎市麻生区、多摩区などからご来院の方)
  横浜線沿線からのご来院(横浜市緑区、相模原市などからご来院の方)
  南武線沿線からのご来院(川崎市中原区、高津区などからご来院の方)
  広域路線図 広域道路地図(神奈川県、東京都からご来院の方)
  新幹線・飛行機でのご来院(神奈川県、東京都以外からご来院の方)




関連するページ  歯痛・顔面痛  顎関節症


線維筋痛症と歯科 横浜・中川駅前歯科クリニック