●帯状疱疹とは
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水ぼうそう(水痘)と同じウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)を原因として、神経に沿って痛み、赤い発疹や水ぶくれが帯状にあらわれる病気です。
子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが体内に潜伏し、加齢、ストレス、疲労、病気(悪性腫瘍、臓器移植、HIV陽性)で再活性化することで発症します。
高齢者がかかりやすい病気ですが、若い人が発症することもあります
帯状疱疹後神経痛(三叉神経ニューロパチー)における精密触覚検査(SWテスト)は、2018年に健康保険適応になりました。当クリニックは神奈川県の医療機関では最初に認可を得て、治療をおこなっています(受理番号:(精密触覚)第1号)。お気軽にお問い合わせください。
●帯状疱疹の患者数
成人の9割が水痘・帯状疱疹ウイルスに感染しているとされており、帯状疱疹は免疫力が低下すると発症するため、高齢になるにつれて発症率は高くなります。
国内では年に60万人ほどが発症し、患者数は増加しており1997年から2019年までの間に患者数は6割も増加、再発率は6%となっています。
年齢では70歳代が最も多く、60歳以上が半数を占め、80歳までに1/3の人が発症します。性別では女性が多く、年齢が高くなるほど女性の発症率が高くなります。
●帯状疱疹の症状
7〜8割の患者さんは、皮膚の症状の数日〜2週間前に神経に沿って体の左右どちらかにピリピリ、チクチク、ズキズキした痛みが生じます。痛みの部分の皮膚が帯状に赤くなり、やがて水ぶくれができます。
神経と皮膚の両方でウイルスが増殖して炎症がおきているため、皮膚の症状だけでなく強い痛みが生じます。痛みが始まってから水ぶくれが治るまでは3〜4週間ほどかかります。
一番多いのは肋間(ろっかん)神経のある胸から背中にかけてですが、三叉(さんさ)神経のある顔面に症状があらわれると、失明、難聴、耳鳴り、めまい、顔面神経麻痺、口内炎、味覚障害などがおきることもあります。
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●帯状疱疹による歯痛の特徴
三叉神経がウイルスによって破壊されて炎症をおこすと、複数の歯あるいは片あご全体に虫歯のような痛みが生じます。歯の痛みは7〜10日ほど続き、ピーク時にはチクチク、キリキリした激痛、眠れないほどの強い痛みが生じることも多くあります。
ウイルスは神経に沿って末端に移動するため、歯痛の部位は奥歯から前歯へと変化することもあります。末端にウイルスが到達すると、口内の粘膜に水ぶくれができます。
歯に激痛があらわれるため、歯の神経(抜髄)を除去するなどの治療がおこなわれることもあります。多くは無効であるものの、歯の神経の治療中に痛みがなくなるため歯の神経の炎症として処理されることがあります。
帯状疱疹による歯痛の特徴
異常がない歯に痛みが生じ痛みが増していく/ピーク時は激痛/痛みがでてから治まるまで7〜10日/診断が難しい/帯状疱疹後神経痛に移行することがある
三叉神経(眼神経、上顎神経、下顎神経)に沿ってウイルスが移動
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●帯状疱疹の治療
帯状疱疹の治療は皮膚科、歯科、口腔外科、ペインクリニックでおこないます。皮膚の症状発現後5日以内には治療を始めるべきとされ、治療開始時期が早いほど高い治療効果が期待でき重症化を防ぐことができます。
治療では、抗ウイルス薬のバラシクロビル(商品名:バルトレックス)、ファムシクロビル(ファムビル)、アメナメビル(アメナリーフ)が主に使用され、1週間の投与によりウイルスの増殖を防ぎます。ステロイド剤の投与により、急性期の症状を軽くできることもあります。
急性期の痛みにはアセトアミノフェン(カロナール)を第一選択として、ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)、トラマドール(トラムセット)などの鎮痛薬の投与のほか、神経の周囲に麻酔をする治療「神経ブロック(ブロック注射)」がおこなわれることもあります。
バルトレックス
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●帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹の皮膚症状がなくなり、治った後も痛みが続くことがあり、これを帯状疱疹後神経痛といいます。
50歳以上の患者さんの2割ほどが帯状疱疹後神経痛を発症し、長い人では10年以上も痛みが続きます。高齢者、女性が発症しやすく、激しい急性の痛みや皮膚症状が現れる前からの痛みが生じた人も発症しやすい傾向にあります。
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●帯状疱疹と歯の脱落、顎骨壊死
帯状疱疹が上あごや下あごに発症すると歯が抜け落ちたり(歯の脱落)、あごの骨が腐ってしまうことがあります(顎骨壊死)。
歯の脱落や顎骨壊死は下あご、帯状疱疹の発症から1ヶ月前後が多く、原因として免疫力の低下による歯肉の細菌感染、ウイルスによる血管の炎症により血の流れが悪くなる(閉塞性血管炎による血流障害)ことでおきるとされています。
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●帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹の予防にはワクチンが有効です。水ぼうそうにかかったことのある人は免疫を獲得していますが、年齢とともに弱くなるため、ワクチンを接種することで帯状疱疹を予防します。予防接種は完全に防ぐものではありませんが、発症しても軽傷ですむ傾向があります。
帯状疱疹ワクチンは2025年から65歳を対象に定期接種化、公費補助の対象となりました。接種費用の助成制度は市町村区により異なるものの、5年間の経過措置として70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳も対象、2025年度のみの特例として100歳以上も対象となりました。
アメリカでの調査では、ワクチンの接種によって帯状疱疹を発症する人は半分に、帯状疱疹後神経痛を発症した人は1/3に減りました。
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