2022年10月から酸など歯や歯肉に有害な物質を扱う事業場(全事業場の1.6%)は、6か月以内ごとの歯牙酸蝕症健診(特殊歯科健診)が法律で義務付けられています。未実施の企業様におかれましてはご相談をお受けしています。ご不明な点等がありましたら、メールもしくはお電話(045-910-2277)にてお気軽にお問い合わせ下さい。
歯牙酸蝕症健診全般(下記)
事業場で実施する歯牙酸蝕症健診 Q&A
●歯牙酸蝕症健診(特殊歯科健診)とは
作業現場では約7万種類の化学物質が取り扱われ年々増加しています。
塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、フッ化水素、黄りんなど、歯や歯肉に有害なガス、蒸気、粉じんを発散する職場で働く人は、歯が溶ける病気「歯牙酸蝕症(しがさんしょくしょう)」を発症しやすい傾向にあります。
メッキ工場、バッテリー(蓄電池)工場、化学工場、肥料工場、火薬工場、硫黄鉱山などでの酸蝕症の発生頻度が特に高く、以前は発生率は20〜40%とされていました。現在では産業医、産業歯科医の助言等によって職場環境が改善され、酸蝕症の発生率は下がる傾向にあります。
酸蝕症の発生率が高い職場は、健康管理をおこなうため、
6ヶ月以内ごとに歯科医師による健康診断をおこなうことが法律で義務付けられています。
当クリニックには日本歯科医師会認定産業歯科医が在籍しています。ご不明な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。
2022年10月から酸など歯や歯肉に有害な物質を扱う全ての事業場(全事業場の1.6%)は、6か月以内ごとの歯牙酸蝕症健診(特殊歯科健診)が法律で義務付けられています。未実施の企業様におかれましてはご相談をお受けしています。
関連するページ 酸蝕歯(さんしょくし) 酸蝕歯 Q&A
●職場での歯牙酸蝕症の状況
口の開き方、唾液の分泌量、歯並びや口唇の状態などにより、同じ職場にいながら酸蝕を受けやすい人と受けにくい人がいます。多くは前歯に発症します。
厚生労働省によると、酸等の取扱い業務は化学工業、窯業・土石製品製造業、非金属製品製造業に多く見られます。酸を使用する職場であれば歯牙酸蝕症を発症する可能性があり、食品会社社員、ワインテイスターなど試飲、試食をする職業は、高い頻度で酸蝕症を発症します。
早い人で数ヶ月の勤務で発症しますが、多くは5〜6年以上の勤務で歯牙酸蝕症が明らかになります。排気装置の改善、防毒マスク(酸性ガス用)の使用など、作業環境の整備によって発症率を下げることはできます。
かんきつ類、お酒、コーラなど酸性の強い飲食物の摂取、
胃食道逆流症(逆流性食道炎)、
摂食障害などの病気等、職場以外でおきる歯牙酸蝕症もあります。
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歯牙酸蝕症健診(特殊歯科健診)の関連法規
歯牙酸蝕症健診(特殊歯科健診)は、下記の
法律により義務付けられています。また、健診記録は5年間の保存義務があります。
1)労働安全衛生法 第66条第3項
事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、
歯科医師による健康診断を行わなければならない。
2)労働安全衛生法施行令 第22条第3項
法第66条第3項の政令で定める有害な業務は、
塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、フッ化水素、黄りんその他、歯またはその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務とする。
3)労働安全衛生規則 第48条
事業者は、令第22条第3項の業務に常時従事する労働者に対し、その雇い入れの際、当該業務への配置換えの際及び当該業務についた後
6ヶ月以内ごとに1回、定期的に、歯科医師による健康診断を行わなければならない。
●歯牙酸蝕症健診(特殊歯科健診)の実施率
2020年に厚生労働省が10.1万事業場を対象におこなった調査では、
歯牙酸蝕症健診の実施が必要な事業場は全体の1.6%でした。
法律で健診が必要にも関わらず、健診をおこなっていた事業場は全体の31.5%でした。従業員50人以上の事業場では55.6%が実施していましたが、従業員50人未満の事業場では22.5%しか実施していませんでした。
実施率向上のため、厚生労働省では2020年12月に「有害な業務における歯科医師による健康診断等の実施の徹底について」との通知を都道府県に発出、
2022年10月からは法令改正により労働者50人未満の事業場においても健康診断結果の報告を労働基準監督署に提出することが義務となりました。
歯科健康診断結果報告の法令改正(概要)
法令改正により、歯科健康診断を行った事業者は、労働者数にかかわらず(これまでは50人以上)歯科健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署に提出することが義務になります。
現行の「定期健康診断結果報告書(安衛則様式第6号)」から歯科健康診断に係る記載欄を削除し、新たに「有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書(様式第6号の2)」が作成されるなど、所要の改正が行われます。
法令は2022年10月1日に施行されました。
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関連するページ(外部サイト) 労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について
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酸蝕症の診断基準
酸蝕歯(酸蝕症)の診断は下記基準をもとに歯科医師によりおこなわれます。第1〜2度は自分では分かりにくいものの、症状が進み第3〜4度になると自分でも分かるようになります。
疑問型(E0)
酸蝕症以外の症状の可能性があり、今後も経過をみていく必要のあるもの。
第1度(E1)
欠けた部分が表層(エナメル質)にとどまるもの。
第2度(E2)
欠けた部分が歯の内面(象牙質)に達したもの。労災保険給付の対象。
第3度(E3)
欠けた部分が歯の神経(歯髄)もしくは歯の神経近くまで及んだもの。労災保険給付の対象。
第4度(E4)
欠けた部分が歯の上部(歯冠部)まで達したもの。労災保険給付の対象。
関連するページ 酸蝕歯セルフチェック表
●
職場の酸による全身と歯の症状
現在ではほとんどないものの、管理されていない職場環境では下記の酸により様々な症状(全身の症状/歯と口の症状)があらわれます。下記は一例です。
塩酸(眼、のどの刺激や痛み せき/歯牙酸蝕症、口内炎)
硝酸(眼、のどの刺激や痛み 接触した皮膚の変色/歯牙酸蝕症、口内炎、火傷)
硫酸(皮膚、粘膜の火傷 せき/歯牙酸蝕症、口内炎)
亜硫酸(眼、鼻、のどの刺激 せき/歯牙酸蝕症、味覚障害、嗅覚障害)
フッ化水素(眼、のどの痛み 粘膜の火傷/歯痛、歯の変色、歯肉炎、口内炎)
黄りん(食欲不振/口臭、顎骨壊死、あごの痛み、歯の動揺(グラグラ))
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労働災害として認定されたことのある歯科症状
労働災害(労災)として認定されたことのある物質(歯科症状)は様々で、一例として下記があります。
有機水銀(口周囲の知覚障害、発音障害)/黄リン(歯痛、顎骨壊死)/塩素(歯牙酸蝕症)/塩化メチル(言語障害、嘔吐)/臭化メチル(同)/マンガン(言語障害)/トリクロルエチレン(三叉神経障害)/アルシン(口臭)/亜鉛(のどの渇き、金属味)/クロム(歯の根の炎症)
ほか
●当クリニックでの歯牙酸蝕症健診(特殊歯科健診)の概要
中川駅前歯科クリニックでは、歯牙酸蝕症健診(特殊歯科健診)をおこなっています。日本歯科医師会認定産業歯科医が在籍しています。
事前にお電話(電話番号:
045-910-2277)にてお申し込みください。
健診は当クリニックでおこないます。歯科医師が歯牙酸蝕症の有無、状態を確認します。健診時間は15分程度です。
健診費用は1人3000円(税込)となります。
交通アクセスは、横浜市営地下鉄線で横浜駅より25分、新横浜駅より15分、東急田園都市線(あざみ野駅乗り換え)で渋谷駅より25分です。
事業場で実施する歯牙酸蝕症健診については
こちらをご参照ください。
関連するページ 歯牙酸蝕症健診(企業様向け) 歯牙酸蝕症健診 Q&A
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歯牙酸蝕症健診(特殊歯科健診)後に事業者が取り組むこと
歯科医師による健診後に事業者は下記の取り組みをおこなう必要があります。
1)健康診断結果の記録
健康診断個人票を作成し、5年間保存しなければなりません。(安衛法第66条第3項)
2)健康診断の結果についての歯科医師からの意見聴取
健康診断の結果、所見のある労働者について、労働者の健康を保持するために必要な措置について、歯科医師の意見を聞かなければなりません。(安衛法第66条第4項)
3)健康診断実施後の措置
上記による歯科医師の意見を勘案し必要があると認めるときは、作業の転換、労働時間の短縮等の適切な措置を講じなければなりません。(安衛法第66条第5項)
4)健康診断の結果の労働者への通知
健康診断結果は労働者に通知しなければなりません。(安衛法第66条第6項)
5)健康診断の結果の所轄労働基準監督署長への報告
労働者を使用する事業者は遅滞なく安衛則様式第6号(定期健康診断結果報告)により健康診断の結果を、所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。(安衛法100条)
※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
交通アクセス・駐車場案内図(横浜市都筑区、港北区など近隣よりご来院の方)
青葉区・宮前区からのご来院(横浜市青葉区、川崎市宮前区からご来院の方)
小田急線沿線からのご来院(東京都町田市、川崎市麻生区、多摩区などからご来院の方)
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関連するページ 酸蝕症 歯科検診