中川駅前歯科クリニックには、月に30人ほどの患者様が舌の痛みや違和感を訴えて、新たに来院されます。

以下は舌の痛みや違和感を訴えて来院された患者様4000人の統計です。舌痛症に関する情報は少なく、お困りの方も多いようです。下記治療データが、舌の痛みや違和感でお困りの方の参考になれば幸いです。



来院された患者様数(初診のみ)
来院された患者様
舌の痛みや違和感の治療を目的として、新たに来院された患者様の人数。初診の患者様のみで、再診の患者様(一度でも当クリニックに来院された患者様)は含めません。

舌の痛みや違和感の治療を目的として来院された初診の患者様の数です。

2019年
芸能人の方の舌がん報道(2月)によって、2〜7月に来院される患者様が急増しました。

2020年
新型コロナウイルス感染症に対する不安感、恐怖感を一因として、4〜8月に舌の痛み、違和感の相談、治療で来院される患者様が急増しました。

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●性別(女性の割合)※1、2、3
性別 女性の割合

患者様の8割前後は女性となっています。男性に比べると女性のほうが痛みに弱く、ストレスを感じやすく、舌の痛みや違和感を感じやすい傾向にあります。

※当クリニック及び比較対象にした医療機関※1、2、3
中川駅前歯科:舌の痛み、違和感を主訴に来院された患者様4000人  福岡歯科大学病院:福岡歯科大学医科歯科総合病院で舌痛症と診断された180人  三重大学病院:三重大学医学部附属病院歯科・口腔外科で舌痛症と診断された100人  関西医科大学病院:関西医科大学香里病院耳鼻咽喉科に舌の痛み、違和感を主訴に来院し、視診的に原因が認められない55人


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●年齢※1、2
年齢 来院者の年齢

中高年が多く、特に50歳以上の女性が多いのは、更年期が舌の痛みや違和感に何らかの形で関わっているのではないかと考えられています。



住所
住所 来院者のお住まい

横浜市内からの来院が最も多く、次いで川崎市からの来院となっています。北は北海道から南は沖縄まで、神奈川県外からの来院が2割となっており、飛行機や新幹線を利用して来院される患者様もいます。

遠方からの来院が多いのは、治療をおこなう医療機関が殆どないためです。


※遠方からのご来院について
治療は長い期間がかかることがあります。遠方からの通院は治療の継続が困難なため、可能であれば近隣の医療機関を受診されることをおすすめいたします。
飛行機、新幹線で来院される患者様もいますが、治療の継続が困難な患者様に対しては、舌の状態を診させていただき、検査をおこない、病状や治療方法等をご説明させていただき、1回の来院で終了とさせていただいています。

※これまでに舌の痛みの治療を目的として来院された患者様のお住い(2023年9月現在)
北海道/青森県/秋田県/岩手県/宮城県/山形県/福島県/茨城県/栃木県/群馬県/埼玉県/千葉県/東京都/神奈川県/山梨県/新潟県/富山県/石川県/福井県/長野県/静岡県/愛知県/滋賀県/京都府/大阪府/兵庫県/岡山県/山口県/福岡県/長崎県/大分県/鹿児島県/沖縄県  中国/アメリカ/ドイツ


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受診した医療機関数
受診した医療機関数 医療機関数

当クリニックの受診前に舌の痛みや違和感のために受診した医療機関数は、1〜2施設が49%、3施設以上が20%でした。

いくつもの医療機関を受診している患者様が多いのは、「舌は専門外で診てもらえなかった」が最も多く、次いで「症状を訴えても問題ないと言われた」、「様子を見ましょうと言われた」、「治らなかった」が多い理由となっています。

治療は長期間かかることが多い傾向にありますが、短期間での治療効果、治療結果を求めて、受診する医療機関を次々と変えていく患者様も少数ですがいました。


※複数の医療機関での治療の同時進行について
舌の痛みや違和感の治療を2〜4施設の医療機関で同時に進めている患者様がいますが、同時に進めると、どの治療が効果があったか分からず、どの治療も中途半端になり、治らないことが多いため、当クリニックではおすすめしておりません。一つの医療機関でしっかり治療をおこない、どうしても治らないときに転院されることをおすすめします。

※複数の医療機関で治療を同時におこなっていた患者様の一例

舌痛症治療として、心療内科で抗うつ薬での治療、ペインクリニックでブロック注射による治療、鍼灸院ではり治療を継続中に当クリニックに来院。

舌痛症治療として、歯科医院にてセラミックスによるかみ合わせ治療中。舌の症状が改善しないため、内科、漢方外来でも治療を始める。当クリニックにも来院。


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受診した診療科  ※複数回答
受診した診療科 医療機関

当クリニックの受診前に歯科(口腔外科を含む)に最も多く受診されていました。次いで耳鼻咽喉科、内科、心療内科に受診されていました。

その他では、精神科、婦人科、皮膚科、整形外科、脳神経外科、ペインクリニック、漢方外来、鍼灸院などに受診されていました。


※当クリニック受診前の歯科治療について
当クリニックの受診前に金属アレルギー、咬み合わせ、歯並びが舌の痛みや違和感の原因と言われ、セラミックス治療、インプラント治療、矯正治療などをおこない、高額の歯科治療費をかけたにも関わらず、治らずに来院される患者様がいます。3%以上の患者様は50万円以上に費用を、5名の患者様は300万円以上の費用をかけていました。
高額の費用をかけた患者様は60〜70歳代の女性が多く、「舌の痛みが治らないのに焦り、治療をしてしまった。後悔している」とお話しされます。高額の費用がかかる治療を受ける前は、代用できる費用の安い治療はないか、自院もしくは学会での研究発表などでその治療で治った例があるかなど、担当の歯科医師としっかり話をされることをおすすめします。


※多額の費用をかけていた患者様の一例

舌の痛みの原因は咬み合わせと金属アレルギーとのことで、ほぼ全ての歯をセラミックスのかぶせ物(オールセラミックス)に。治療後も舌の痛みが続いているほか、治療後から咬み合わせの違和感が続くとのことで当クリニックに来院。 ※治療費 300万円以上

舌の痛みの原因は、歯の状態が悪いからとのことで、いくつかの歯を抜歯。インプラントを数本入れたほか、半数の歯をセラミックスのかぶせ物(オールセラミックス)に交換。治療後も舌の痛みが続いているほか、治療後から咬み合わせるとカチカチ音が鳴って気持ちが悪い、歯が治療前よりも内側に入っているため舌の置き場がない、舌を咬んでしまうとのことで当クリニックに来院。 ※治療費 300万円以上

舌の痛みの原因は金属アレルギーと電磁波とのことで、15本の歯を銀歯からセラミックスに交換したものの改善せず、当クリニックに来院。 ※治療費 150万円ほど

舌の痛みの原因は歯並びが悪いためとのことで、3年間の治療期間をかけて矯正治療をおこなったものの改善せず、当クリニックに来院。 ※治療費 100万円ほど


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●発症した時期
発症時期 発症した時期

15%の患者様が、歯科治療後に舌の痛みや違和感を発症していました。さし歯などのつめ物装着後の発症が最も多く、次いでインプラント治療後、抜歯後に発症した患者様が多いという結果でした。

その他では、少数であるものの歯石の除去後、ホワイトニング後、麻酔後、咬み合わせの治療後、歯の根の治療後など、様々な歯科治療を原因として発症していました。

つめ物装着後の発症では、性別ではほぼ全てが女性、年齢では50〜60歳代が圧倒的に多い傾向がみられました。また、部位は下の奥歯(下顎臼歯部)、保険外診療(セラミックスの装着など)後の発症が多く、健康保険診療(銀歯の装着など)後の発症は少ない傾向がみられました。

歯科治療に問題はないものの、多くの患者様が担当した歯科医師や歯科衛生士の手技が悪かったと考えていました。



ストレスの有無
ストレスの有無 ストレスの有無

舌痛症の発症には、精神的要因も大きいとされています。3割の患者様が日常生活において大きなストレスを感じていました。身内の不幸(死去など)、自身の大きな病気(がんなど)、家庭や会社での強いストレスをきっかけとして、発症した患者様も多くいました。

抗うつ剤、精神安定剤、睡眠薬を服用している患者様も多くいました。


※強いストレスを感じていた患者様の一例

夫、両親、子供、兄弟など身内の死去/ペットの病気、死/自身の病気(がん、手術後など)/身内の病気、介護/うつ病/身内や知人の舌がん/TV放送(舌がんについて)/流産/不妊治療の断念/息子の結婚/子供の教育/子供の反抗期/夫の定年退職(夫が家にずっといる)/DV/パワ―ハラスメント/禁煙/就職、転職、退職、職場内での移動/不眠症/コロナによる外出自粛、感染への恐怖




口腔乾燥症(ドライマウス)※2、3
口腔乾燥症

4割の患者様が口が渇く等の口腔乾燥症の症状を自覚していました。ストレスを原因とする口腔乾燥症が最も多く、ストレスにより唾液の減少が、舌の痛みや違和感の一因と思われました。

舌痛症、口腔乾燥症、味覚障害は同時に発症することがあり、「食べ物の味が感じにくくなった」、「口の中が苦い」などの味覚障害の症状をもつ患者様もいました。

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●舌の症状  ※複数回答
舌の症状 舌の症状

症状では「舌がヒリヒリする」が最も多く、次いで舌に痛みがある、舌がしみる、舌が熱を帯びている(灼熱感)でした。

大半の患者様は、食事中は症状がない、あるいは軽減されると感じていました。食事中や物事に集中している時は症状は軽くなり、何もしていない時は症状が悪化する傾向があります。



発症部位  ※複数回答
発症部位 発症部位

発症部位は舌全体、舌尖(舌の先端)、舌側縁が多い傾向がみられました。精神的なストレスを原因とした患者様は舌尖や舌側縁がやや多い傾向があり、口腔乾燥症や口腔カンジダ症を原因とした患者様は舌全体が多い傾向がありました。

舌だけでなく、頬、歯肉、口唇などにも、舌と同様の症状がある患者様が多くみられました。



治療について
舌の痛みや違和感の治療においては、日本国内の医学、歯学の学会で1990年以降に発表された関連する研究論文の多くを入手し、研究データをもとに治療をおこなっています。科学的根拠のない民間療法的な治療はおこなっていません。研究論文においては、随時最新の研究論文の収集を続けています。

治療内容については、患者様の症状に応じて、カウンセリング、投薬、歯のクリーニング(PMTC)、マウスピースの作製等の治療をおこなっています。薬の服用が主となります。



●治療効果
8割以上の患者様から完全に治った、症状が改善した、気が楽になった等のご意見をいただいています。

舌の強い痛みとヒリヒリ感、歯肉の灼熱感があり、3つの医療機関を受診しても治らず、症状悪化のため夜も寝れなかった患者様が、1週間の漢方薬の服用で劇的に改善、完治した例もあります。また、10年以上にわたって舌のしびれ、ヒリヒリ感があり、5つ以上の医療機関を受診しても治らなかった患者様が、3週間のビタミン薬の服用でほぼ完治した例もあります。

上記は最も顕著に改善した一例ですが、一般的には数ヶ月から1〜2年の期間を経て治していきます。

一方で治らなかった患者様もいます。治らなかった患者様は、1)遠方から来院される患者様(より深刻な症状をお持ちの傾向があります)、2)発症してからの期間が長い患者様(5年以上、逆に3ヶ月以内は治りやすい)、3)いくつもの医療機関で本格的な舌痛症の治療をおこなったにも関わらず治らなかった患者様、4)重度の精神疾患を併発している患者様が多い傾向がありました。また、治療が長期にわたることも多いため、通院を諦めた患者様もいました。

舌の痛みや違和感を訴えて来院したものの、原因が白板症(はくばんしょう、前がん病変)、乳頭腫(良性腫瘍)、舌がん、口腔内セネストパチーだった患者様もいました。

関連するページ  舌がん  口腔内セネストパチー  歯のクリーニング(PMTC)



※舌痛症の治療を目的として来院される患者様へ
診療時間を十分に確保して診させていただくため、お手数ですがご来院前に電話(電話番号:045-910-2277)にてご予約ください。



※1 名和照晃、稲村達哉、岸本麻子、松本あゆみ、井野素子、井野千代徳、山下敏夫 舌痛症とその治療 耳鼻と臨床42(3)223-227  ※2 中瀬実、田中礼子、野村城二、川原田裕子、西井宏世、田川俊郎 舌痛症の臨床統計的検討 日本口腔科学会雑誌45(3)311-315   ※3 田中昭彦、多田剛之、和田孝介、池邉哲郎、大関悟 当科における舌痛症の臨床的検討 福岡歯科大学学会雑誌33(1)60



※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
  交通アクセス・駐車場案内図(横浜市都筑区、港北区など近隣よりご来院の方)
  青葉区・宮前区からのご来院(横浜市青葉区、川崎市宮前区からご来院の方)
  小田急線沿線からのご来院(東京都町田市、川崎市麻生区、多摩区などからご来院の方)
  横浜線沿線からのご来院(横浜市緑区、相模原市などからご来院の方)
  南武線沿線からのご来院(川崎市中原区、高津区などからご来院の方)
  広域路線図 広域道路地図(神奈川県、東京都からご来院の方)
  新幹線・飛行機でのご来院(神奈川県、東京都以外からご来院の方)



関連するページ  舌痛症(舌の痛み、違和感)


治療データ(舌痛症)
治療データ(舌痛症) 横浜・中川駅前歯科クリニック