口腔扁平苔癬 横浜・中川駅前歯科クリニック

口腔扁平苔癬

口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)とは

扁平苔癬とは、皮膚と口の粘膜における角化異常を伴う慢性の病気です。口腔扁平苔癬は、扁平苔癬が口の中に限局したものをいいます。

口腔扁平苔癬の発症頻度は、研究論文によりばらつきがありますが0.5〜1%程度、性別では女性が多く、年齢は40〜70歳代、特に50〜60歳代に多くみられます。

発症部位の大半は頬(ほお)の粘膜で、特に銀歯や入れ歯の金属バネなど、金属に接する部位に多く発症します。その他、歯肉、口蓋(口の天井)、口唇、舌に発症することもあります。多くが左右両側に発症します。

幅1〜2mmほどの網状の模様が多く、赤くなったり、ただれたりすることもあります。網状の模様は、時間の経過とともに形状を変えます。

自覚症状としては接触痛が最も多く、食べ物が当たると痛い、舌を少し動かすだけで痛い、触ると痛いので歯をみがけないといった症状が現れます。そのほかの症状としては、口の中の荒れや出血、灼熱感、味覚障害(味覚異常)、摂食障害(痛くて食べられない)などがあります。


口腔扁平苔癬の概要
※1−4

医療機関  対象患者数 概要
東京医科
歯科大学
135人 女性が78%。60歳代が最も多く、次いで50歳代が多かった。主訴は接触痛が27%、灼熱感が15%、痛みのための摂食障害が12%。
発症部位は頬粘膜が30%、歯肉と頬の境界が24%、歯肉が23%。78%が両側に発症。
大阪大学
歯学部
167人 女性が72%。50歳代が最も多く、次いで60歳代が多かった。発症部位は頬粘膜が71%、歯肉が14%、舌が7%。
岡山大学
歯学部
62人 女性が60%。60歳代が最も多く、次いで50歳代が多かった。主訴は接触痛が30%が最も多かった。発症部位は頬粘膜が66%、下顎歯肉が16%、口唇と舌が各9%。
明海大学
歯学部
23人 女性が70%。50歳代が最も多く、次いで60歳代が多かった。発症部位は頬粘膜が35%、歯肉が20%、口唇が10%、舌が8%。
当院 36人 女性が88%。60歳代が最も多く、次いで50歳代が多かった。医科の医療機関で治らなかった患者様が、金属アレルギーの治療を希望しての来院が多い。主訴は接触痛が最も多く、発症部位は歯科金属に接した頬粘膜と歯肉が多い。


口腔扁平苔癬 頬の粘膜にできた口腔扁平苔癬(白くなっている部分)

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口腔扁平苔癬の原因

原因は不明とされていますが、金属アレルギー、口内の汚れ、ガルバニー電流(口内の金属間に生じる電流)、喫煙、ストレス、C型肝炎ウイルス、薬剤アレルギー、移植片対宿主病(GVHD)、ビタミンA欠乏などが原因、あるいは症状を悪化させる因子と考えられています。

金属アレルギーは口腔扁平苔癬の発症に大きく関与しているとされ、口腔扁平苔癬は銀歯や入れ歯の金属バネなど金属に接する部位に発症することが多く、金属を除去すると完治、あるいは症状が改善することがあることがよくあります。歯科金属のなかでは、アマルガム合金(水銀が含まれた銀歯)に接する部位の発症率が高い傾向があります。

口内の汚れやガルバニー電流は、銀歯などの金属が腐食して溶け出す要因となるため、金属アレルギーに間接的に関与しており、喫煙やストレスは免疫力を低下させるため、口腔扁平苔癬の症状を悪化させる要因となっているとされています。C型肝炎ウイルス感染者に口腔扁平苔癬の患者さんが多いことから、C型肝炎ウイルスも口腔扁平苔癬の発症に何らかの関わりがあると考えられています。

薬剤アレルギーでは、非ステロイド性抗炎症薬(ステロイドではない抗炎症剤、鎮痛・解熱剤)、経口血糖降下薬、β遮断薬(血圧の薬)、利尿薬などが報告されています。


歯科用アマルガム アマルガム合金

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口腔扁平苔癬の検査と診断

口腔扁平苔癬は、がん、白板症や紅板症といった前がん病変(がんになる可能性のある病変)との鑑別が必要なことがあります。そのほか、口腔カンジダ症、舌痛症(ぜっつうしょう)、口腔灼熱症候群(バーニングマウス症候群)、天疱瘡(てんぽうそう)、類天疱瘡といった病気との鑑別が必要なこともあります。

検査は、発症部位の組織を切り取り、顕微鏡などを使用して調べます(病理組織検査)。病院の口腔外科や皮膚科などの医療機関でおこないます。

金属アレルギーの検査(パッチテスト)は、歯科治療に使用される金属に対応した絆創膏(ばんそうこう)を皮膚に貼り、どの金属にアレルギーがあるかを調べます。主に皮膚科でおこないます。


病理組織検査病理組織検査  パッチテストパッチテスト

当クリニックでは口腔扁平苔癬の病理組織検査はおこなっておりません。検査をおこなっている医療機関がお分かりにならない場合は、症状を診させていただいた後に、適切な医療機関をご紹介させていただくことも可能です。

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口腔扁平苔癬と口腔がん 口腔がん検診 
口腔カンジダ症 舌痛症 口腔灼熱症候群



●口腔扁平苔癬の治療

口腔扁平苔癬の治療は、薬による治療のほか、金属の交換、歯の清掃、歯の形態修正などがおこなわれます。難治性のため、治療は長期に渡ることがあります。

自覚症状がなければ、治療をおこなわずに経過観察をしていくこともあります。治療をおこなわなかったときに自然に治る割合(自然治癒率)は、2〜3%程度とされています。

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口腔扁平苔癬の診療科

口腔扁平苔癬は一部の歯科、口腔外科、皮膚科、耳鼻咽喉科などで治療をおこなっています。

ご相談 お気軽にご相談ください

当クリニックで口腔扁平苔癬の治療やご相談をご希望の方は、お手数ですが事前にご予約ください(電話番号:045−910−2277)。ご予約の際は、金属アレルギー治療希望とお伝えください。


※1 ITO Daisuke、SATO Masaru Clinical Study on 135 Cases of Oral Lichen Planus  Journal of Japanese Society for Oral Mucous Membrane 15(1)22-28  ※2 吉川文弘、椿本有利子、森山知是、墨哲郎、菅原利夫、作田正義 過去10年間に当科を受診した口腔粘膜疾患678例の臨床的検討 日本口腔科学会雜誌 46(3)244-250  ※3 IWATA Masahiro、NISHIJIMA Yutaka、NISHIJIMA Katsumi Clinical Evaluation of Oral Lichen Planus  Journal of Japanese Society for Oral Mucous Membrane 2(2)95-101  ※4 SHIGEMATSU HISAO、NOGUCHI KAZUHISA Clinical Investigation of Oral Lichen Planus  Japanese journal of oral diagnosis/oral medicine 12(2)347-352



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