舌痛症の治療 横浜・中川駅前歯科クリニック

舌の痛み(ヒリヒリなども含む)に関する情報や研究は少なく、治療をおこなっている医療機関はほとんどありません。医療機関に受診しても「異常はないです」、「気のせいです」と言われて、治療が終了となることも多いようです。

治療はどこの専門医療機関でも長期間かかることが多く、短期間にすぐに結果を求めるのではなく、あせらず長い目で根気よく治療を続けていくことが大切です。口腔灼熱症候群(バーニングマウス症候群)の治療も同様となります。舌の痛みの治療としては下記があります。



つめ物や入れ歯の改善、歯の鋭縁の研磨  歯科(主な診療科)
とがった歯やつめ物に舌が当たると傷つき、痛みの原因となります。銀歯やさし歯を装着した直後から舌痛を発症することも多くあります。

舌に直接触れる部位の歯やつめ物に問題があれば、磨いたり、つめ物の交換をしていきます。ただし、「歯がとがっているので、磨いて欲しい」、「つめ物が悪いので代えて欲しい」と訴えて来院される患者様のほとんどは問題ありません。

むしろ、歯を磨いたり、つめ物の交換によって、症状がかえって悪化することが多いため、治療は慎重におこなう必要があります。

銀歯 金属アレルギーが原因として大金をつぎ込む方がいますが、できれば避けて下さい

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●歯の清掃(歯のクリーニング、PMTC)  歯科
歯の表面に歯垢(しこう)や歯石が付着してザラザラしていると、舌を傷つけることになります。また、口の中が汚れているとカンジダ(カビの一種)が繁殖し、口腔カンジダ症を発症します。口腔カンジダ症は、舌痛の原因の一つとなっています。

歯の清掃(クリーニング、PMTC)をおこない、口の中の細菌を減らし、歯の表面をツルツルにしていきます。

歯石 舌の前歯に着いた歯石が舌を傷つけることもあります

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マウスピース、保護床の装着  歯科
舌に痛みがあると、気になって盛んに舌を動かしてしまうことがあります。不必要、不自然な動きは舌を傷つけ、舌の痛みの原因となることがあります。

不必要、不自然な舌の動きを止めるのはもちろんですが、マウスピース(プロテクター)を作製して歯に装着することにより、舌が歯に触れるの防ぎ、舌が傷つくのを防ぎます。マウスピースは通常下の歯に装着しますが、上の歯が気になる時は上の歯に装着します。

入れ歯のようなプラスチックでできた「保護床(ほごしょう)」を装着することもあります。

プロテクターマウスピース(プロテクター)  舌保護床舌保護床



●ドライマウス(口腔乾燥症)  歯科、耳鼻咽喉科
唾液には粘膜を保護する作用があります。唾液が減少すると舌が傷つき、痛むことがあります。

舌痛を訴えて来院される患者様の多くがドライマウスを合併しており、ドライマウスの治療により舌痛を治していくこともあります。味覚障害を合併していることもあり、味覚障害の治療を同時におこなうこともあります。

水 自分では気付かないうちに、ドライマウスになっていることがよくあります

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●口腔カンジダ症  歯科、内科
カンジダ(カビの一種)による舌炎が原因で、舌痛を発症することがあります。

アムホテリシンB(ファンギソン)、ミコナゾール(フロリードゲル経口用)、イトラコナゾールなどの抗真菌薬を服用するとともに、歯みがきをしっかりおこない、歯科医院で歯の清掃(クリーニング、PMTC)をおこなって口の中をきれいにすると、舌痛が改善されることがあります。

カンジダ カンジダ(カンジダ・アルビカンス)

※カンジダ菌の検査について
口腔カンジダ症であっても、通常の綿棒を使用した検査では、陽性になることは少ない傾向があります。そのため、検査で陰性でも、口腔カンジダ症の治療により舌痛症が治る人が多くいます。


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抗うつ剤 向精神薬 神経障害性疼痛治療薬  歯科、心療内科、内科
舌痛症の治療では、抗うつ薬、向精神薬、神経障害性疼痛治療薬による治療がおこなわれます。うつ病など精神的な病気にかかっていなくても、効果があるとされています。当クリニックを含め、国内外の医療機関で舌痛の治療に多用されています。

治療では、抗うつ薬(トリプタノール、リボトリールほか)、神経障害性疼痛治療薬(リリカ、タリージェほか)などが使用されます。ただ単に薬を服用するのではなく、カウンセリングや認知行動療法をあわせておこないます。

薬 薬の服用

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漢方薬  歯科、心療内科、内科
舌痛症では、漢方薬による治療もおこなわれています。舌痛に有効な漢方薬としては、柴朴湯(さいぼくとう)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、立効散(りっこうさん)、小柴胡湯(しょうさいことう)などがあります。服用期間は1〜3ヶ月ほど、長いときは1年ほど服用します。

漢方薬 漢方薬(十全大補湯)

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●ラフチジン  内科
ラフチジン(プロテカジン)は胃潰瘍の薬ですが、舌痛に効果があることが知られています。海外では舌痛の治療に多く使用され、舌痛の原因の一つとなっている舌の血流障害を改善し、痛みを和らげる作用があります。漢方薬も同様の効果をもつものがあります。



カプサイシンクリーム  耳鼻咽喉科、内科
唐辛子に含まれる辛み成分であるカプサイシンは一時的に灼熱感や痛み与えますが、くり返し刺激が加えられることで痛みが感じにくくなるとされています。



ビタミン剤  歯科、耳鼻咽喉科、内科
肌荒れと同じように、ビタミン不足になると舌を含む口の中の粘膜は荒れ、舌が痛むことがあります。頻度は少ないものの、がんによる胃切除後、慢性胃炎によるビタミンB12不足による舌痛などに効果があります。

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  耳鼻咽喉科、内科
鉄の不足がひどくなると、舌は赤く平らになり痛みを生じます。また、口角に炎症がおきたり、食べ物が飲み込みにくくなります。

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亜鉛  歯科、耳鼻咽喉科、内科
亜鉛が不足すると味覚を感じにくくなったり、皮膚や粘膜の傷の治りが悪くなったりします。舌痛の患者さんは味覚障害を併せもつことが多く、舌痛は亜鉛の不足によって発症するとも考えられています。頻度は少ないものの、亜鉛の服用によって症状が改善されることがあります。

アエンダM 亜鉛製剤(アエンダM)  プロマック 亜鉛を含む薬(プロマック)

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神経ブロック  ペインクリニック、麻酔科(歯科)
難治性の舌痛、舌の広範囲に痛みがある場合は、神経ブロックがおこなわれることもあります。ブロック注射ともいわれ、主にペインクリニックでおこなわれます。

数回〜20回ほど注射をおこなうことで、痛みのために緊張状態にあった神経の活動が抑えられ、血管が広がって血の流れがよくなり筋肉の緊張も和らぐことで、舌の痛みが改善します。



金属アレルギー治療  歯科
口内の銀歯やさし歯などの歯科金属が原因となり、舌が痛むことがあるとされています。

セラミックスなど、金属を使用しない材料に交換することで、舌の痛みが治るとされていますが、否定的な意見が多く症状が改善しないことが多いので、治療は慎重におこなう必要があります。

治療には多額の費用がかかることがあるため、最初におこなう治療としてはおすすめできません。これまでに「銀歯を150万円かけてセラミックスに代えたけど治らなかった」、「舌痛症の治療として、銀歯の歯を抜いてインプラントにしたが治らなかった」等の患者様が、当クリニックに来院されています。

関連するページ  歯科金属アレルギー



●カウンセリング 認知行動療法 運動療法 心療内科、内科、歯科
カウンセリングを受けたり、自身の行動パターンを変えたり、運動をおこなうことによって、舌の痛みを改善します。2010年代になって注目されてきた治療で、短期間での改善は望めませんが、他の治療と併用することで効果があります。

カウンセリング カウンセリング

関連するページ  痛みの改善のための運動療法



●服用している薬の変更
コレステロール、花粉症の薬など、副作用に「舌痛」との記載がある薬はあります。可能であれば、かかりつけの医師、薬剤師と相談のうえ薬の変更、減量をおこなうのも方法です。

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その他
生活リズムの乱れ、多忙、ストレスが舌の痛みの原因となることがあります。規則正しく、ゆとりのある生活を送ったり、家に閉じ込まらずに外出したり、運動を取り入れていくことも大切です。また、うつ病などの精神的な病気があるときは、病気の治療をおこなうことも大切です。

消炎作用のあるアズノールうがい液(アズレンスルホン酸ナトリウム)の使用が効果的であることもあります

異なった金属が口の中にあると、唾液が電解質となって電位差が発生し、電流が生じることがあります。これを「ガルバニー電流」といい、極めてまれですが舌の痛みの原因となることがあります。

アズノールうがい液 アズノールうがい液

関連するページ  ガルバニー電流



※舌痛症の治療を目的として来院される患者様へ
診療時間を十分に確保して診させていただくため、お手数ですがご来院前に電話(電話番号:045-910-2277)にてご予約ください。




※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
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