新型コロナウイルス感染症 緊急性のある診療、緊急性のない診療
感染拡大を受けて、2020年4月7日に新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が、神奈川県、東京都など7都府県に発令されました。

これを受けて、歯科医療機関で診療を受けようか迷われている人もいます。歯科治療は不要不急の外出にあたらず、緊急事態宣言下で治療をおこなっても問題はありませんが、緊急性の有無が受診の判断材料の一つになるかと思います。

緊急性の有無については、患者様個人や歯科医療機関の見解によって分かれますが、下記が一つの参考になればと思います。

新型コロナウイルス感染症について 学会提言 ウイルス感染に対抗する方法

歯科診療 Q&A


緊急性のある歯科診療

1)2週間以上治らない口内炎、舌の痛み
治らない口内炎や舌の痛みは、舌がんを始めとする口腔がんの可能性があります。がんは進行していきますので、早めの受診が必要となります。

関連するページ  舌がん  口腔がん検診  口内炎・口唇炎


2)外傷
転んで歯やあごをぶつけたなど、歯が欠けたり、折れたり、あごの骨が折れている可能性がある場合は、一刻も早い対応が必要となります。

関連するページ  子供の歯の怪我  怪我で歯が抜け落ちたとき  乳幼児の歯みがき中の事故


3)痛み、腫れ
歯、歯肉、あごが痛い、腫れたなどの症状がある場合も、早めの受診が必要となります。痛みや腫れがあると免疫力は低下して、感染症にかかりやすくなります。

関連するページ  顎関節症


4)誤飲
乳幼児や認知症高齢者は、誤ってタバコ、電池などを飲み込んでしまうことがあります。気付いたときは、一刻も早い対応が必要となります。

関連するページ  子供が誤飲してしまったら  認知症


5)周術期口腔機能管理
がん治療など、手術前後の歯のクリーニング(口腔ケア)を始めとする歯科治療は、手術後の合併症の発症を抑え、入院期間を短縮し、ときには命を救います。

関連するページ  周術期口腔機能管理(手術前の歯科治療)の効果と流れ Q&A



比較的緊急性のある歯科診療

1)進行性の虫歯
虫歯は放置しておくと進行していき、かむ機能が失われたり、痛みがでることがあります。免疫機能を低下させないためにも、可能であれば早めの治療が必要となります。

関連するページ  虫歯


2)中等度から重度の歯周病
進行した歯周病では、治療をおこなわないと歯肉が腫れたり、痛みがでることがあります。また、ウイルスに感染しやすくなったり、肺炎の原因になるなど、全身の健康にも影響を及ぼします。

関連するページ  歯周病と全身とのかかわりについて



3)入れ歯の紛失、破損
歯のない人にとって、しっかり食事をとるためには入れ歯は欠かせません。入れ歯がなくて十分な栄養が摂取できないと、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなります。

関連するページ  入れ歯


4)虫歯になりやすい人、中等度から重度の歯周病の人の定期検診
長期間にわたって定期検診を延期すると、虫歯が新たに発生したり、歯周病の症状が進んでしまうこともあります。機会をみて、感染予防も兼ねて定期検診を受けるようにしましょう。

口腔ケア

関連するページ(外部サイト あさイチ(NHK) 2020年4月20日放送)
口腔ケアで新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを減らせる(You Tube)




比較的緊急性のない歯科診療

1)症状が安定した人の定期検診(歯のクリーニング)
虫歯になりにくい人、歯周病の症状が軽症な人の定期検診は、延期をしても問題ないことが多いものの、感染予防も兼ねて、機会をみて定期検診を受けるようにしましょう。

関連するページ  歯科検診


2)軽度の歯周病
軽度の歯周病の治療であれば、治療を延期しても問題がないことが多いものの、感染予防も兼ねて、機会をみて歯周病の治療を受けるようにしましょう。



緊急性のないことが多い歯科診療

1)審美・美容歯科治療
ホワイトニング、歯のマニキュア、セラミックのさし歯などの美容目的の治療は、特段の事情がない限りは急ぐ必要はなく、状況によっては延期した方がよいでしょう。


3)症状のない親知らずの抜歯
急いで抜歯しなくても問題がないことが多く、状況によっては延期した方がよいでしょう。

関連するページ  親知らず


3)歯科相談
簡単な相談であればメール相談をご利用ください。痛み、腫れなどの症状がない治療の相談は、状況によっては来院しての相談は延期した方がよいでしょう。

関連するページ  お問い合わせ・ご相談(メール相談)


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