掌蹠膿疱症 Q&A 横浜・中川駅前歯科クリニック

掌蹠膿疱症 Q&A

Q.掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とはどのような病気ですか?

A.
手のひらや足の裏に膿(うみ)がたまる病気です。膿がかさぶたになり表層が剥がれ落ちてきます。症状は良くなったり悪くなったりを繰り返します。喫煙者に多い病気です。

掌蹠膿疱症の症状(手) 掌蹠膿疱症の症状(足) 掌蹠膿疱症

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Q.掌蹠膿疱症の患者さんは、全国にどのくらいいますか?

A.治療をおこなっている患者数は13.6万人とされ、治療をおこなっていない人も含めるとさらに患者数は多くなります。



Q.発症しやすい年齢、性別はありますか?

A.平均年齢は55歳、30〜50歳代に発症することが多く、女性(男:女 1:2)に多い病気です。



Q.掌蹠膿疱症は国の難病指定の病気ですか?

A.なかなか治らない病気ですが難病指定はされていません。



Q.掌蹠膿疱症の相談だけでもできますか?

A.できます。お気軽にご来院ください。



Q.掌蹠膿疱症の原因は何ですか?

A.
原因の8割が病巣感染(歯の根の病気、扁桃腺など)で、そのほかには金属アレルギーなどが原因のこともあります。



Q.病巣感染にはどのようなものがありますか?

A.最も多いのは歯と扁桃(のど)で、次いで副鼻腔(鼻の横にある空洞)、上咽頭(のど)となっています。歯の病巣では、歯の根の膿(根尖性歯周炎)、中等度以上の歯周病、親知らずの炎症があります。

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Q.ストレスで悪くなることはありますか?

A.
ストレスが誘因となって発症したり、症状が悪くなることがあります。



Q.発症や症状悪化にかかわる病気や状態はありますか?

A.病巣感染(歯、扁桃ほか)のほかに過敏性腸症候群、クローン病、セリアック病、喫煙があります。

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Q.発症に影響する病気はありますか?

A.発症に影響する病気として甲状腺炎(バセドウ病、橋本病)、糖尿病、脂質異常症、うつ病、アレルギー(鼻炎、喘息)、IgA血管炎があります。

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Q.胸が痛むのですが、掌蹠膿疱症が悪化して心臓が悪くなったのでしょうか?

A.掌蹠膿疱症の患者さんの10%に関節に炎症があり、はれたり、痛むことがあります。首に近い胸部だけでなく、腰、手、足の関節が痛むことがあります。骨が破壊され、骨折の原因になることもありますので、早めの対処が必要となります。



Q.足の皮がめくれ、痛くて歩けません。皮を取りたくなるのですが、取ってもよいでしょうか?

A.自分で皮を取ると皮膚が刺激されて症状が悪化しますので、皮を取らず保湿をはかることが大切です。



Q.他人に感染しますか?

A.
手足の水ぶくれや膿の中には細菌などの病原体は入っていませんので、他人が触っても決して感染することはありません。



Q.遺伝しますか?

A.遺伝しやすいという傾向はなく、妊娠や出産に影響することはありません。

母子 遺伝はありません


Q.歯科で診断をしてもらえますか?

A.
手足の湿疹(汗疱)、水虫(白癬)、炎症(乾癬)といった皮膚の病気であることもあるため、診断は皮膚科でおこないます。



Q.検査ではどのようことをするのでしょうか?

A.ダーモスコープ(拡大鏡を使用して水ぶくれを観察)、真菌検査(水虫でないかの検査)、血液検査、歯科検診(病巣感染の把握)、パッチテスト(金属アレルギー検査)、レントゲン検査(関節炎の状況を把握)などがおこなわれます。



Q.すぐに治りますか?

A.
早期に改善する人もいますが、多くは治るまでに3〜7年かかります。



Q.一生治らない病気でしょうか?

A.治るまでの期間はかかりますが、決して治らない病気ではありません。



Q.治療は皮膚科でおこなうのでしょうか?

A.
皮膚科のほか、症状に応じて歯科、口腔外科、耳鼻咽喉科、整形外科、内科で治療をおこないます。複数の科が連携して診療をおこないます。

歯のクリーニング 歯科でも治療をおこないます

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Q.どこの皮膚科に受診したらよいのかわかりません。

A.
当クリニックでは、症状を診させていただいた後に、適切な医療機関をご紹介させていただいております。お気軽にご相談ください。



Q.皮膚科の先生から歯科のレントゲン写真を持ってくるよういわれました。レントゲン写真をいただくことは可能ですか?

A.可能です。「掌蹠膿疱症の手引き2022」(日本皮膚科学会)では初診時におこなうこととして歯科に口内の状態、歯科治療の見通しなどを問い合わせすることを皮膚科医に求めています。

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Q.治療にはどのようなものがありますか?

A.
治療は皮膚に軟膏を塗ったり、歯の根の治療や扁桃摘出などの病巣感染の治療、金属アレルギー治療などがあります。

ハンドケア 手足に軟膏を塗ります


Q.どの治療をおこなえばよいでしょうか?

A.
人により症状が差があります。また、治療方法のなかには副作用が強いものもあります。かかりつけの医師、歯科医師と相談しながらすすめていくのがよいでしょう。

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Q.民間療法を試してみようと思います。

A.
民間療法は科学的根拠がなく、高額な費用がかかることからやめた方がよいでしょう。医科大学病院、歯科大学病院などでおこなっている、標準治療をお受けになられるのがよいかと思います。



Q.トレムフィアは効果がありますか?

A.トレムフィアは世界初の掌蹠膿疱症治療薬で、日本では2018年に使用が認可されました。一定の効果があるものの費用が高額なことから、禁煙、歯科治療などをおこなっても治らないときに治療を受けられるのがよいかと思います。



Q.トレムフィアは何科で治療をおこなっていますか?歯科でおこなっていますか?

A.主に皮膚科で治療をおこなっています。歯科では治療はおこなっていません。



Q.トレムフィアはどのような方法で治療をおこないますか?

A.初回、1ヶ月後、以後2ヶ月ごとに注射をします。



Q.トレムフィア以外の掌蹠膿疱症の新しい薬はありますか?

A.2022年7月にスキリージ、9月にルミセフという掌蹠膿疱症の遺伝子組み換え薬が厚生労働省に認可申請されたほか、臨床試験をおこなっている薬もあります。近い将来にはこれらの薬が使用できるようになります。(2023年1月現在)



Q.掌蹠膿疱症の開発中の薬の臨床試験に参加する予定です。書類を書いてもらうことは可能ですか?

A.可能です。お気軽にご相談ください。



Q.歯科ではどのような治療をおこなうのでしょうか?

A.
歯科では、病巣感染の治療として歯の根の治療、歯周病治療等をおこないます。金属アレルギー治療として、歯科金属の交換などをおこなうこともあります。

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Q.複数の治療を同時におこなわないほうがよいでしょうか?

A.症状にもよりますが、軟膏と歯科治療、扁桃の手術前後に歯科治療など、複数の治療を同時に進めても問題はありません。



Q.歯科で治療をおこなえば必ず治りますか?

A.
治ることもあれば治らないこともあります。病巣感染や金属アレルギーが原因と考えられる場合は7割ほどの人に効果があるようです。

診察 歯科治療


Q.歯科での治療だけで十分ですか?

A.掌蹠膿疱症の治療は歯科単独でおこなうのではなく、専門の歯科、口腔外科、皮膚科、耳鼻咽喉科、整形外科、内科が連携して治療をおこなうことが大切です。



Q.病巣感染の治療と金属アレルギー治療では、どちらの治療が効果がありますか?

A.歯の根の膿(根尖病巣)、歯周病治療などの病巣感染の治療のほうが効果が高く、治る人が多い傾向にあります。



Q.どこの歯科医院でも治療はできますか?

A.
残念ながら掌蹠膿疱症は歯科医師にはほとんど知られていない病気です。治療は限られたごく一部の歯科医院のみでおこなわれています。



Q.金属アレルギー治療で高額な費用がかかると言われ困っています。

A.健康保険が適応になる、費用の安いセラミックもあります。かかりつけの歯科医師にご相談ください。また、金属アレルギーが原因であることは少ないため、他の治療を優先していくのも方法です。

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Q.銀歯が原因で掌蹠膿疱症になることはありますか?

A.ありますが、掌蹠膿疱症の原因の数%となっており頻度は高くはありません。



Q.金属アレルギーがあります。銀歯を全てセラミックにすれば掌蹠膿疱症は治りますか?

A.金属アレルギーが掌蹠膿疱症の原因となっていることは高くはなく必ずしも治るとはいえません。



Q.地方に住んでいます。近所の掌蹠膿疱症の治療をおこなっている歯医者さんを紹介してください。

A.時々、同様のお問い合わせをいただきます。大変申し訳ないのですが、存じ上げておりません。歯科大学病院であれば対応できるかと思います。



Q.掌蹠膿疱症の症状が改善しても、歯のクリーニングは必要ですか?

A.必要です。原因の一つは細菌による病巣感染ですので、定期的に歯科で歯のクリーニングをおこなうことにより、口内の細菌数を増やさないことが大切です。

歯石 歯石

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Q.扁桃摘出は効果はありますか?

A.
扁桃摘出は耳鼻咽喉科でおこなわれ、効果の高い治療として広く認められています。有効率は60〜90%とされています。



Q.ビオチン療法は効果はありますか?

A.
一定の効果はあるようですが、以前に比べると治療はおこなわれなくなりました。



Q.日常生活で気を付けることはありますか?

A.禁煙、よい口内環境を保つこと、風邪や扁桃炎の予防、皮膚への刺激を避けること、規則正しい生活、ストレスをためないことが大切です。



Q.タバコはやめたほうがよいですか?

A.
患者さんのほとんどが喫煙者です。禁煙しても掌蹠膿疱症が治ることは少ないのですが、タバコは掌蹠膿疱症に関与しています。禁煙されることをおすすめします。

煙草 タバコは症状を悪化させます

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Q.SAPHO症候群は、どのような病気ですか?

A.
SAPHO(サホー)症候群は、掌蹠膿疱症の症状に加えて、関節や骨の炎症、重症のにきびなどの症状があらわれる病気です。

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Q.掌蹠膿疱症とSAPHO症候群は違う病気ですか?

A.違う病気という考えが多いものの、同じ病気であるという考えもあります。



Q.SAPHO症候群の患者さんは、全国にどのくらいいますか?

A.掌蹠膿疱症の患者さんの10〜30%がSAPHO症候群とされています。



Q.事前にメールで相談することはできますか?

A.メールにてご相談をお受けしています。お気軽にご相談ください。



当クリニックで掌蹠膿疱症の治療やご相談をご希望の方は、お手数ですが事前にご予約ください(電話番号:045-910-2277)。ご予約の際は、金属アレルギー治療希望とお伝えください。


※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
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