口腔がんの予防方法 横浜・中川駅前歯科クリニック
口腔がんの予防方法
●口腔潜在的悪性疾患

国際連合(国連)の専門機関である世界保健機関(WHO)は、「がん」になりやすい病気をまとめ、2017年に「口腔潜在的悪性疾患(OPDM)」と命名しました。

これは診断を強化、広く周知することで「がん」になることを防ぎ、「がん」になったときの早期発見を目的としています。口腔潜在的悪性疾患には下記の病気があります。


1)白板症(はくばんしょう)
白い病変で、50〜70歳代、男性に多く、舌、歯肉、口腔底(口の底)などに発症します。がん化率は3〜16%とされています。喫煙者が8割以上、喫煙者は非喫煙者に比べて6倍なりやすいとされています。

喫煙、飲酒、虫歯、年齢(50歳以上)、性別(女性)、発症からの期間、がんの経験(特に食道がん、頭頚部がん)などを考慮して手術をおこなうかを決めます。

白板症

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2)紅板症(こうはんしょう)
紅い病変で、50〜60歳代に多く、舌、口蓋(口の天井)、口腔底、頬の粘膜などに発症します。がん化率は10〜50%とされ、白板症に比べてがんを発症しやすい傾向にあります。白板症に比べてがんを発症しやすい傾向にあり、既にがん化していることもあります。


3)扁平苔癬(へんぺいたいせん)
白や紅い病変で、50〜60歳代、女性に多く、頬の粘膜、歯肉に発症します。がん化率は0.5〜2%とされています。

口腔扁平苔癬

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4)そのほか
口腔粘膜下線維症、慢性カンジダ症、梅毒性舌炎、無煙タバコ角化症、日光角化症(口唇のみ)などがあります。

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●口腔がんのリスク要因

口腔がんの多くは口腔潜在的悪性疾患から、がんになることが分かっています。口腔潜在的悪性疾患の5%は5年以内にがんになるとされており、予防するためにはがんのリスクを知り、リスクを軽くしていく必要があります。

世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)は、口腔がんのリスク要因として下記をあげています。


1)防ぐことができない因子
年齢(年齢が高くなるとがんを発症しやすい)/民族(人種によって発症率に差がある)/社会的階層(収入、学歴などによって発症率に差がある)


2)防ぐことのできる因子
喫煙/かみタバコ/飲酒/HPV感染(ヒトパピローマウイルスの感染)

お酒

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3)その他の可能性のある因子
合わない入れ歯やつめ物による慢性的な刺激/口腔衛生不良(口内が汚れている)/紫外線(口唇がん)/GVHD(移殖片対宿主病、移植後の合併症)/遺伝性症候群

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4)リスクを下げる因子
緑黄色野菜や果物の摂取(1日350g以上)/禁煙(早いほどよい)/規則正しい口腔清掃(十分な歯みがき、定期的な歯のクリーニング)

関連するページ  予防歯科



口腔がんの予防方法

1)禁煙
口腔がんの原因の8割は喫煙となっており、禁煙、分煙対策によって口腔がんは劇的に減少することが知られています。口腔潜在的悪性疾患の患者さんが喫煙をしていると、発症リスクはさらに高くなります。たばこは口腔がんだけでなく、肺がんなど様々ながんの発症リスクを高めます。

口腔がんのなかでも口底がんは、タバコの煙だけでなく、発がん性物質が口の底に長時間とどまるため、喫煙による影響が特に大きい傾向にあります。早期に禁煙をおこなうことが、口腔がんの予防につながります。

禁煙

関連するページ  タバコ


2)禁酒、節酒
アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドは強力な発がん性物質のため、過度の飲酒は禁煙に続いて口腔がんの発症リスクを高めます。特に喫煙、飲酒の両方をおこなっていると、相乗効果によって口腔がんの発症リスクはさらに高くなります。

飲酒は口腔がんだけでなく、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肝臓がん、大腸がん、女性の乳がんの発症リスクを高めます。

現在のところ、禁酒や節酒が口腔がんの予防にどの程度関与しているかは明らかにはされていませんが、口腔がんの予防のために適量以上の飲酒は避けるようにします。

厚生労働省が定めた適量は、顔が赤くならない男性はアルコール20g(1日)、女性と顔が赤くなる男性はより少なくとしています。アルコール20gは、ビール500ml、日本酒180ml(1合)に相当します。

ビール

関連するページ  乳がん治療時の口腔の問題


3)食事
緑黄野菜や果物の積極的な摂取は、口腔がんだけでなく、食道がん、乳がん、肺がん、大腸がんなどの発症リスクを下げることが明らかにされています。

これらの食物に含まれるビタミンC、ビタミンE、βカロチン、リコピンなどの抗酸化物質が口腔がんの予防に有効とされています。サプリメントのみでの摂取は推奨されておらず、むしろ有害であることもあります。

野菜

関連するページ  食育・栄養


4)外科手術
白板症は、がん化率の高い増殖性疣贅状白板症(ぞうしょくせいゆうぜいじょうはくばんしょう)などで切除がおこなわれます。紅板症はがん化率が高く、既にがんの状態になっていることもあるため、早期の切除が推奨されています。


5)歯のクリーニング(PMTC)
歯科医院でおこなう定期的な歯の清掃は、虫歯や歯周病の予防だけでなく、口腔扁平苔癬の症状改善や予防にもなります。

子宮頸がんの原因として知られているヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触によって口内に感染することもあります。ヒトパピローマウイルスは口腔がん、咽頭がんの原因の一つとされており、歯科医院での歯の清掃(歯のクリーニング)も有効な予防方法と考えられています。

歯科医院

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